職場の運動がプレッシャーになる時|痛み・コリを悪化させない健康経営

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ストレス性痛み・コリ改善(セルフケア/タニカワメソッド)

職場の運動がプレッシャーになる時|痛み・コリを悪化させない健康経営

職場の運動がプレッシャーになると、ストレス対策が逆効果になることがある

健康経営では、「運動はストレス対策に良い」と言われることが多くあります。実際に、運動習慣は気分の安定やストレス軽減に役立つ可能性があります。

しかし、職場で運動をすすめる場合には注意が必要です。運動そのものは良い取り組みでも、社員が「やらされている」「参加しないと評価が下がりそう」「周囲に合わせないといけない」と感じた瞬間に、運動はストレス対策ではなく、ストレス要因に変わってしまいます。

とくに、首・肩・腰の痛みやコリを抱えている社員にとって、職場の運動施策は負担になることがあります。良かれと思って始めた健康施策が、身体の緊張や疲労感を強めてしまうこともあるのです。

本記事では、健康経営の現場で運動施策を取り入れる際に、運動がプレッシャーにならないための考え方を整理します。

運動には効果があるが、強制すればよいわけではない

運動がメンタルヘルスやストレス軽減に役立つことは、多くの研究で報告されています。海外の大規模レビューでも、身体活動がうつ、不安、心理的苦痛の改善に役立つ可能性が示されています。

ただし、ここで健康経営担当者が注意すべきことがあります。

「運動に効果がある」ことと、「社員に運動をさせればよい」ことは同じではありません。

同じ運動でも、本人が自分で選んで行う場合と、職場から半ば義務のように求められる場合では、受け止め方が大きく変わります。

社員が「参加しないと目立つ」「上司に見られている」「運動が苦手なのに恥ずかしい」と感じると、運動はリフレッシュではなく心理的負担になります。

職場の運動施策がプレッシャーになる3つの理由

職場で運動施策がストレス化する背景には、主に3つの理由があります。

1. 参加するかどうかを選びにくい

健康施策が、部署ごとの参加率や上司からの声かけと結びつくと、社員は「自由参加」と言われても断りにくくなります。

とくに、人事評価、職場の雰囲気、上司の期待が絡むと、社員は自分の体調よりも周囲の目を優先しやすくなります。

この状態では、運動は健康づくりではなく、職場からの圧力として受け取られます。

2. 運動が苦手なことを見られてしまう

運動は、体力差や動きの得意不得意が見えやすい行動です。

集団で体操や運動を行う場合、運動が苦手な社員ほど「できないところを見られたくない」「周囲と同じように動けない」と感じやすくなります。

この恥ずかしさや不安は、本人にとって大きなストレスになります。とくに、普段から肩こり、腰痛、疲労感を抱えている社員は、動くこと自体に不安を感じている場合があります。

3. 運動の強度が合わず、痛みやコリが悪化する

職場の運動施策で最も注意したいのは、運動の強度です。

健康な人には軽い運動でも、痛みやコリがある人にとっては負担になることがあります。首、肩、腰に不調がある社員が、周囲に合わせて無理に動くと、かえって痛みや疲労感が強くなることがあります。

健康経営の運動施策では、「みんなで同じ運動をする」ことを前提にしないほうが安全です。社員の体調や運動習慣には差があるため、同じ内容を一律に行うと、合わない人が必ず出ます。

健康経営で運動をプレッシャーにしない設計

職場で運動を取り入れる場合は、「運動をするかどうか」よりも、「社員が安心して選べるかどうか」を重視します。

健康経営担当者が設計時に確認すべきポイントは、次の通りです。

  • 参加しない選択が不利益にならないことを明確にする
  • 参加者名や不参加者名が上司や部署内に見えすぎないようにする
  • 参加率を個人評価や部署評価に結びつけない
  • 運動が苦手な人、痛みがある人向けの代替メニューを用意する
  • 強度の違うメニューを複数用意し、社員が選べるようにする

「自由参加」と書いてあっても、職場の空気として断りにくければ、社員にとっては自由ではありません。制度上の任意参加だけでなく、心理的にも断れる状態をつくることが重要です。

運動メニューは、強くするより選べるようにする

職場の運動施策では、運動の強度を上げることよりも、選択肢を分けることが重要です。

たとえば、次のように分けると、社員は自分の状態に合わせて選びやすくなります。

  • 首・肩・背中をゆるめる低負荷メニュー
  • 椅子に座ったままできる短時間メニュー
  • 立って行う軽いストレッチ
  • 体力に余裕がある人向けの活性化メニュー
  • 腰痛や肩こりがある人向けの代替メニュー

「全員で同じことをする」よりも、「自分に合うものを選べる」ほうが、健康経営の施策としては安全です。

運動が得意な社員に合わせると、運動が苦手な社員は置いていかれます。逆に、痛みや疲労がある社員でも選べる内容にしておくと、職場全体の参加ハードルが下がります。

言い方ひとつで、運動は義務にも回復にもなる

健康施策では、伝え方も重要です。

同じ内容でも、「必ず参加してください」と言えば義務になります。一方で、「体調に合わせて選べます」「短時間だけ試せます」と伝えれば、社員は安心して参加しやすくなります。

職場で使う言葉は、次のように整えるとよいです。

  • 「やりましょう」ではなく「選べます」
  • 「参加率を上げる」ではなく「回復の選択肢を増やす」
  • 「できる人の成功例」ではなく「無理なく続けられる例」を共有する
  • 「運動不足を改善しましょう」ではなく「身体のこわばりに気づきましょう」

運動をすすめる言葉が強すぎると、社員は責められているように感じます。とくに、痛みやコリがある社員は、「できない自分が悪い」と受け止めてしまうことがあります。

健康経営では、社員を追い込む言葉ではなく、安心して試せる言葉を選ぶことが大切です。

タニカワ久美子の企業研修で重視していること

タニカワ久美子の企業研修では、運動を「頑張るもの」として扱いません。まず社員自身が、自分の身体の緊張に気づくことを重視します。

首や肩のコリ、腰の重さ、背中の張り、呼吸の浅さは、ストレスが身体に出ているサインである場合があります。ところが多くの社員は、それを「年齢のせい」「姿勢のせい」「忙しいから仕方ない」と片づけてしまいます。

研修では、身体の不調を責めるのではなく、「今の自分の状態に気づく」ことから始めます。そのうえで、短時間でできるセルフケアや、職場で無理なく取り入れられる動きを紹介します。

健康経営担当者にとって大切なのは、社員に運動を押しつけることではありません。社員が自分の体調に合わせて、安心して選べる環境をつくることです。

まとめ:運動施策は、社員を動かすより、安心して選べる設計にする

運動は、ストレス対策や身体の不調改善に役立つ可能性があります。しかし、職場での運動施策は、設計を誤るとプレッシャーになり、かえってストレスや痛み・コリを悪化させることがあります。

健康経営で運動を取り入れるときは、参加率を上げることだけを目標にしないことが重要です。

社員が参加しない選択をできること。体調に合わせて強度を選べること。痛みやコリがある人にも代替メニューがあること。この3つがそろうと、運動は義務ではなく、職場の回復手段として機能しやすくなります。

運動施策は、社員を動かすためのイベントではありません。ストレスによる身体のこわばりに気づき、無理なく整えるための職場設計です。

職場の運動施策を、社員のプレッシャーにしないために

けんこう総研では、ストレスによる肩こり・腰痛・疲労感を、職場のセルフケアと健康経営の視点から扱う企業研修を行っています。運動が苦手な社員や、痛み・コリを抱える社員にも配慮した内容で設計できます。

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