健康経営
自律神経の乱れが事故につながる理由
―「体調管理」では止められない行動エラーの正体 ―
こんにちは、けんこう総研代表のタニカワ久美子です。
夏になると必ず増える相談があります。
- 「最近ミスが増えている」
- 「集中力が続かない」
- 「イライラして声を荒げてしまった」
多くの現場では、これらを
「夏バテ」「疲れ」「個人の体調問題」として処理してしまいます。
しかし、私はここではっきりお伝えします。
事故や重大ミスを引き起こすのは、体調不良そのものではありません。
自律神経が乱れた状態で“いつも通り判断してしまうこと”です。
夏バテの正体は「自律神経の酷使」
夏バテは栄養不足ではありません。
ウナギやスタミナ食を食べても、根本的な解決にならない理由はここにあります。
夏の環境では、
- 暑さ
- 発汗
- 冷房
- 温度差
- 水分不足
によって、自律神経の調整業務が常時フル稼働します。
自律神経は、
- 体温調節
- 血流調整
- 内臓機能
- 集中力・覚醒度
を無意識下で制御しています。
つまり、夏は
「考えなくても働いている神経」を酷使し続ける季節なのです。
自律神経が乱れると、何が起きるのか
自律神経の乱れは、
- だるさ
- 眠りの浅さ
- 食欲低下
といった“分かりやすい不調”だけでは終わりません。
本当の問題は、次です。
- 注意力が狭くなる
- 判断が単純化する
- 危険予測をしなくなる
- 「まあ大丈夫だろう」が増える
これは 意志の弱さではありません。
神経系の生理反応です。
自律神経の乱れは「自覚できない」
ここが最大の落とし穴です。
自律神経は自動制御系です。
本人には、
- いつ判断力が落ちたのか
- どこで危険感度が下がったのか
が 分かりません。
だから現場では、
- 本人は「普通にやっているつもり」
- 周囲から見ると「危なっかしい」
というズレが生まれます。
このズレこそが、
事故の直前状態です。
セルフケアだけでは事故は止まらない
ストレッチ、呼吸、セルフケアは大切です。
実際、以下のようなケアは自律神経を整える助けになります。
- 胸郭をゆるめるストレッチ
- 深い呼吸
- 軽い運動
しかし、ここで重要な現実があります。
自律神経が乱れている本人に、
正しいセルフケア判断を任せること自体が危険 なのです。
疲れている人ほど、
- 「今は大丈夫」
- 「もう少し頑張れる」
と判断してしまいます。
事故を防ぐには「共通判断軸」が必要
事故を防ぐために必要なのは、
- 自律神経を完璧に整えること
ではありません。
必要なのは、
- どの状態を「危険」と判断するか
- どこで止まるか
- 誰が声をかけるか
という 判断の基準を、全員で共有することです。
これは、
- 個人の努力
- セルフケア任せ
では絶対に揃いません。
なぜ「教育」が必要なのか
自律神経の問題は、
- 甘え
- 気合い不足
- 自己管理不足
と誤解されやすい領域です。
だからこそ、
- 科学的根拠
- 生理学的説明
- 行動変化の設計
を 第三者(外部研修) が介在して整理する必要があります。
教育によって初めて、
- 我慢が評価されない
- 声を上げることが正解
- 止まる判断が組織として許可される
という環境が作れます。
人事・総務の皆さまへ
もし現場で、
- 夏になるとヒヤリが増える
- ミスの質が変わる
- イライラ・衝突が増える
のであれば、それは
自律神経の問題ではなく、判断設計の問題です。
けんこう総研では、
- 自律神経の乱れが行動にどう影響するか
- 事故前兆をどう共有するか
- 管理職・現場がどう介入するか
を体系化した 外部研修 を提供しています。
▶ 教育設計・研修導入のご相談
https://kenkou-souken.co.jp/contact/
ここまでお伝えしてきた内容は、
個人の自己責任のためのものではありません。
暑熱環境下では、
「我慢する」「気づけない」「無理をしてしまう」
という行動が、誰にでも起こり得ます。
だからこそ必要なのは、
個人任せにしない「教育設計」と「判断基準の共有」です。
けんこう総研では、
暑熱ストレス・判断低下・我慢が事故につながる構造を、
労働安全衛生教育の視点から整理し、
現場で共有できる形に落とし込む支援を行っています。
