ストレス性痛み・コリ改善(セルフケア/タニカワメソッド)
ストレスを下げる運動と、ストレスに強くなる運動は何が違うのか
ストレスを下げる運動と、ストレスに強くなる運動は何が違うのか
ストレス対策として「運動が良い」と語られることは多いですが、
ストレスを軽減する運動と、ストレス耐性を高める運動は、目的も生理反応も異なります。
この違いを理解しないまま運動を選ぶと、「やっているのに楽にならない」「逆に疲れる」といったミスマッチが起こりやすくなります。
本記事では、運動生理学と自律神経反応の観点から、両者の違いを整理します。

1.ストレスを軽減する運動とは
ストレス軽減を目的とする場合、低~中強度の有酸素運動が有効とされています。
これらの運動は、副交感神経活動を高め、心身をリラックス方向へ導く特徴があります。
運動強度の目安
最大心拍数の50~60%程度
代表的な運動
ウォーキング
軽いジョギング
ヨガ、ストレッチ
生理的メカニズム
副交感神経の活性化
コルチゾール分泌の抑制
セロトニン・エンドルフィン分泌促進
筋緊張の低下による心理的安定
研究的示唆
日本理学療法学の報告では、運動習慣のない人が中等度運動(最大心拍数60%)を行った際、運動開始後10分で唾液アミラーゼ活性が低下する傾向が確認されています。
これは、低~中強度運動が即時的なストレス軽減に寄与する可能性を示しています。
2.ストレス耐性を向上させる運動とは
一方、ストレス耐性の向上を目的とする場合、
ある程度の身体的負荷を伴う中~高強度の運動が関与します。
特徴
一時的に交感神経を刺激する
身体に「回復を伴う負荷」を与える
継続によって適応力が形成される
運動強度の目安
最大心拍数の60~80%程度
適する運動
ランニング
サイクリング
高強度インターバルトレーニング(HIIT)
生理的ねらい
HPA軸(視床下部―下垂体―副腎系)の調整能力向上
心肺機能向上による生理的余力の増加
ノルエピネフリン・エンドルフィン分泌による精神的耐久力形成
研究的示唆
日本理学療法学術大会の報告では、中等度運動によってストレス指標に大きな変化は出ないものの、ストレス改善傾向が示されたとされています。
これは、耐性向上が即時的ではなく、蓄積的に形成される特性を持つことを示唆します。
3.混同しやすい注意点
ストレスが強い状態で高強度運動を行うと、逆に負担になる場合がある
耐性向上を狙う運動は、休息とセットで設計する必要がある
運動強度の適正範囲は個人差が大きい
ストレスを下げたいのか、強くなりたいのか。
この目的設定を誤らないことが、運動によるストレス対策の前提条件です。
まとめ
ストレス軽減運動:副交感神経優位・即時的効果
ストレス耐性向上運動:適応形成・中長期的効果
同じ「運動」でも、生理反応と役割は異なる
運動は万能ではありませんが、
目的に応じて使い分けることで、ストレス管理において極めて有効な手段となります。