ストレス計測・行動変容
測定も研修も実施したのに、なぜ行動は変わらなかったのか? 健康経営施策が「評価されない」研修になる理由
「やったのに変わらない」は、評価軸が欠けているサイン
健康経営の取り組みとして、
- ストレス測定を実施した
- 研修も行った
- 参加率や満足度も悪くなかった
それでも、
- 行動が変わらない
- 職場の状態も変わらない
- 次の一手が見えない
この状況は、
施策が失敗したように見えます。
しかし、このケースの多くは
「施策そのもの」ではなく
評価軸が設計されていなかったことが原因です。

研修は「実施」では評価できない
健康施策としての研修は、
- 実施したか
- 参加したか
- 理解したか
だけでは評価できません。
なぜなら、
**健康経営における研修の役割は
“行動変容のきっかけを作ること”**だからです。
にもかかわらず、
- 行動の定義がない
- 変化の測り方がない
- 変わらなかった場合の判断がない
まま研修を行うと、
「やったこと」だけが残り、
判断ができない状態になります。
測定が「結果」になってしまう構造
測定と研修を同時に行うと、
よく起きる誤解があります。
測定結果=研修の成果
しかし実際には、
- 測定は状態把握
- 研修は情報提供
に過ぎません。
行動変容は、
- 判断
- 選択
- 試行
というプロセスを経て起きます。
👉 測定と研修だけでは、
行動は変わらない設計が普通です。
よくある評価のズレ
行動が変わらなかった研修では、
次のような評価が行われがちです。
- 内容は良かった
- 理解は得られた
- 意識は高まった
これらはすべて
**「主観的評価」**であり、
経営判断の材料にはなりません。
その結果、
- 次年度どうするか決められない
- 続けるか止めるか判断できない
- 改善点が特定できない
という状態に陥ります。
修正視点①
行動変容を「目的」にしない
重要な逆説があります。
行動変容を目的にすると、
行動は変わりにくい。
なぜなら、
- 行動変容は個人の選択に依存する
- 組織が直接コントロールできない
からです。
代わりに、
- 行動を選びやすくする条件
- 行動を試せる環境
を整えることを
施策の目的にします。
修正視点②
「変わらなかった場合」の判断を用意する
多くの施策では、
変わる前提で設計されています。
しかし健全な設計では、
変わらなかった場合
- 続ける
- 修正する
- 止める
という判断が、
事前に想定されています。
👉 行動が変わらなかったこと自体は、
👉 失敗ではありません。
👉 重要な判断材料です。
修正視点③
研修を「評価の対象」にしない
研修を、
- 成功/失敗
- 効果があった/なかった
で評価しようとすると、
判断が歪みます。
研修は、
- 判断材料を渡したか
- 選択肢を提示できたか
という視点で評価する方が、
健康経営の文脈に合っています。
この事例が示している本質
この研修事例が示しているのは、
行動が変わらなかったのではなく、
行動を評価・判断する設計がなかった
という事実です。
測定と研修は、
判断を支える手段であって、
それ自体が成果ではありません。
読後に具体化してほしい行動(1つだけ)
この記事を読み終えた後、
次の問いを 1つだけ 整理してください。
この研修・測定は、
「続ける/修正する/止める」を
どう判断できる設計になっているか?
これに答えられない場合、
次にやるべきは導入ではなく
判断軸の整理です。
判断整理のための参照ガイド
- 健康施策を評価できずに困っている
- 続けるか止めるか判断したい
- 説明資料の前提を整理したい
そのための全体設計は、
以下のガイドにまとめています。