ストレスと疲労でミスが増える理由|ヒューマンエラーを防ぐ

ストレス・セルフケアを組み合わせた健康経営研修

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ストレスと疲労でミスが増える理由|ヒューマンエラーを防ぐ

職場でミスが続くと、「本人の注意不足」「確認不足」と見られがちです。

けれども、同じ人でも、疲れている日やストレスが強い日は、普段ならしない見落としや判断ミスが起こることがあります。

この記事では、ストレスと疲労が職場のヒューマンエラーにどう関係するのかを、人事総務・健康経営担当者が再発防止や研修設計に活かせる形で見ていきます。

ストレスと疲労は、職場のミスに関係する

ストレスや疲労は、社員の気分だけの問題ではありません。

仕事の量が多い、緊張が続く、休憩が取りにくい、相談しづらい、睡眠不足が続いている。このような状態が重なると、人は見る力、聞く力、覚えておく力、落ち着いて判断する力が落ちやすくなります。

その結果、職場では次のようなミスが起こりやすくなります。

  • 確認したつもりなのに抜けている
  • 数字や名前を見間違える
  • 指示を聞き違える
  • 「いつも通り」と思い込んでしまう
  • 優先順位を間違える
  • 手順の一部を飛ばしてしまう

つまり、ヒューマンエラーは、本人の性格や注意力だけで起きるものではありません。ストレスや疲労が強い職場では、誰にでも起こり得るものです。

ストレスとは、負担がかかったときの心身の反応

ストレスという言葉は、日常でもよく使われます。

「仕事のストレスが強い」「人間関係がストレスになる」「締切が近くてストレスを感じる」など、使い方はさまざまです。

職場で考えると、ストレスとは、社員に負担がかかったときに起こる心と体の反応です。

少しの緊張やプレッシャーは、仕事への集中や行動のきっかけになることがあります。しかし、負担が長く続いたり、自分ではどうにもならない状況が続いたりすると、心身に無理がかかります。

その状態では、冷静に考える力や周囲を見る余裕が落ちやすくなります。これが、判断ミスや確認漏れにつながることがあります。

疲労とは、体と頭が休息を求めているサイン

疲労は、単に「だるい」「眠い」「やる気が出ない」という感覚だけではありません。

人の体や脳が、これ以上無理を続けると危ないと知らせているサインでもあります。

疲労は、自分の意志だけで自由に消せるものではありません。「疲れないようにしよう」と思っても、長時間働いたり、緊張が続いたり、睡眠が足りなかったりすれば、自然に疲れはたまります。

この点は、人事総務の担当者がとても注意したいところです。

疲労を「本人の自己管理不足」だけで見ると、職場の負荷や働き方の問題を見落としてしまいます。

ストレスと疲労はどう違うのか

ストレスと疲労は近い言葉ですが、同じではありません。

言葉 職場での見え方 ミスにつながる流れ
ストレス 緊張、焦り、不安、プレッシャー、イライラ 急いで判断する、周りが見えにくくなる、相談しづらくなる
疲労 だるさ、眠気、集中の低下、反応の遅れ 確認が雑になる、見落とす、手順を飛ばす、反応が遅れる

ストレスは、負担や緊張に対する反応です。

疲労は、負担が続いた結果として、体や頭の働きが落ちている状態です。

職場では、この2つが重なることがよくあります。忙しくて緊張が続き、休憩も取りにくい。その結果、ストレスも疲労も強くなり、ミスが起こりやすくなります。

なぜストレスや疲労でヒューマンエラーが増えるのか

ストレスや疲労が強いとき、人は普段よりも情報を受け取る力が落ちやすくなります。

たとえば、急いでいるときには、目の前のことだけに意識が向きます。周囲の変化や小さな違和感に気づきにくくなります。

疲れているときには、確認したつもりでも、実際には一部を見落としていることがあります。

また、強いストレスがあると、「早く終わらせたい」「これ以上問題を増やしたくない」という気持ちが強くなり、確認や相談を省いてしまうことがあります。

このように、ストレスと疲労は、見る、聞く、覚える、考える、行動するという一連の働きに影響します。

職場で起こりやすいミスの例

ストレスや疲労が関係するヒューマンエラーには、次のようなものがあります。

  • メールの宛先を間違える
  • 金額や日付を見間違える
  • 口頭指示を聞き違える
  • 申し送り内容を一部忘れる
  • 点検表の一部を飛ばす
  • いつもの手順だと思い込み、変更点を見落とす
  • 忙しそうな上司に確認できず、自分だけで判断する

こうしたミスは、本人が不真面目だから起きるとは限りません。

むしろ、真面目な社員ほど、忙しいときに「自分で何とかしなければ」と抱え込み、確認や相談が遅れることがあります。

タニカワ久美子の企業研修で伝えていること

タニカワ久美子の企業研修では、ヒューマンエラーを「本人の不注意」で終わらせないように伝えています。

研修現場では、「忙しい日は確認したつもりになる」「疲れていると、ふだんなら気づく違和感に気づけない」「若手が質問をためらって、結果的にミスにつながる」という声を聞くことがあります。

こうした声は、社員の意識が低いという意味ではありません。職場の忙しさ、緊張感、休憩の取りづらさ、相談しにくい空気が、正しい確認行動を取りにくくしているサインです。

人事総務・健康経営担当者にとって大切なのは、ミスをした人を責めることではありません。ストレスや疲労がたまりやすい場面を見つけ、ミスが起こりにくい働き方や研修につなげることです。

人事総務が見ておきたい職場のサイン

ストレスや疲労が関係するミスが増えている職場では、次のようなサインが出ていることがあります。

  • 同じような確認漏れが続いている
  • 忙しい部署ほど、報告や相談が遅れる
  • 若手が質問しにくそうにしている
  • ベテラン社員が変更点を見落とす
  • 休憩を取れていない人が多い
  • 終業前や昼食後にミスが増えている
  • 「気をつけましょう」で再発防止が終わっている

このような状態が続いている場合、ミスは個人の問題ではなく、職場の働き方や確認の仕組みと関係している可能性があります。

再発防止では、ストレスと疲労を分けて見る

ヒューマンエラーが起きたときは、まず「どのようなミスだったか」を分けて見ます。

そのうえで、ストレスが強かったのか、疲労がたまっていたのか、両方が重なっていたのかを確認します。

見えている問題 背景にある可能性 職場で見直したいこと
急いだ判断ミス ストレス、焦り、相談しにくさ 確認する時間、相談ルール、管理職の声かけ
見落としや聞き逃し 疲労、睡眠不足、長時間作業 休憩、交代、作業時間、確認方法
思い込みによるミス 慣れ、経験への過信、情報共有不足 変更点の共有、復唱、手順の更新
報告や相談の遅れ 職場の緊張感、心理的負担 相談しやすい雰囲気、報告基準、上司の受け止め方

このように見ると、再発防止は「集中してください」だけでは終わりません。

業務量、休憩、指示の出し方、確認手順、相談しやすさを合わせて見直すことができます。

健康経営では、ミスを職場からのサインとして見る

健康経営では、ヒューマンエラーを安全衛生だけの問題として見ないことが大切です。

ミスが増えている職場には、疲労、睡眠不足、過重労働、相談しにくさ、教育不足、役割の曖昧さが隠れていることがあります。

つまり、ミスは「社員の失敗」だけではなく、職場の状態を知らせるサインでもあります。

人事総務・健康経営担当者がこの視点を持つと、ストレス管理研修、管理職研修、若手向け研修、職場改善をつなげて考えやすくなります。

ヒューマンエラーの違いについては、ヒューマンエラーの違い|見間違い・聞き違い・勘違いを防ぐの記事でも紹介しています。

まとめ|ストレスと疲労は、ミスの背景として見る

ストレスは、負担や緊張に対する心身の反応です。

疲労は、体や頭が休息を求めているサインです。

どちらも、職場のヒューマンエラーに関係します。ストレスが強いと焦りや判断ミスが増えやすくなり、疲労がたまると見落としや確認漏れが起こりやすくなります。

大切なのは、ミスをした人を責めることではありません。ストレスや疲労が高まりやすい職場の場面を見つけ、再発防止につなげることです。

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けんこう総研では、ストレス、疲労、確認ミス、判断ミスを健康経営と安全衛生の視点から扱う企業向け研修を行っています。

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