健康経営
職場のストレスにどう向き合う?現場で本当に多い質問に専門家がQ&Aで回答【健康経営の実践】
こんにちは、けんこう総研のタニカワ久美子です。
職場でのストレスは、特定の人だけの問題ではありません。実は、健康経営を進めるほど「ストレスへの向き合い方」そのものが、組織運営の力として問われる場面が増えます。
先日実施したメンタルヘルス研修では、「これ、うちの職場でもまさに困っている」という現場起点の質問が数多く寄せられました。
今回はその中から、職場で繰り返し起きやすい質問と、研修現場で私が実際にお伝えしている実践的な回答をQ&A形式で共有します。個人のセルフケアだけで終わらせず、「職場でどう活かすか・どう広げるか」という視点で読んでみてください。

職場や日常でのストレスに悩む方必見!メンタルヘルス講座で寄せられた質問に基づき、職場で使えるストレス対処の考え方を解説。声かけ、ストレッチ、リーダーの重圧への対処など、ストレスを溜め込みにくい職場づくりのヒントをお届けします。
Q1. 職場で他の人のメンタル不調に気づいたとき、どのように対応するべきですか?
職場で誰かが元気をなくしている様子を見かけると、「もっと早く声をかければよかったのでは」と悩むことがあります。これは相手を思いやる心の表れであり、責任感が高い人ほど抱きやすい感情でもあります。
タニカワのお応え
ポイントは「気づいた人が抱え込まないこと」です。評価や指導の話にせず、事実ベースで、相手が話しやすい入口をつくります。
- 評価や助言ではなく、事実ベースの声かけ
例:「最近忙しそうですね」「少し疲れているように見えました。大丈夫ですか?」 - 答えを引き出そうとしない
無理に話させる必要はありません。相手のペースを尊重します。 - 組織としての支援につなぐ
必要に応じて上司・人事・産業保健スタッフ・外部相談窓口など、個人対応にしない導線を活用します。
健康経営の観点では、「気づける職場文化」そのものが重要な資産です。声かけができる土台(心理的安全性)を、組織として育てていきましょう。
Q2. ストレッチをすることでストレスが軽減される理由は?
ストレッチは、気分転換というイメージが強いかもしれませんが、身体反応を通じてストレス状態をリセットする合理的な方法です。短時間でも「回復モード」へ切り替える助けになります。
ストレッチの効果
- 身体の緊張がゆるみ、回復モードに切り替わる
筋肉のこわばりがほぐれると血流が改善し、落ち着きやすくなります。 - 姿勢が整い、集中力が戻る
姿勢が崩れると呼吸が浅くなりがちです。姿勢を整えることは、仕事のパフォーマンスにも直結します。 - 気分が切り替わりやすくなる
1〜3分でも「一度リセットする」感覚が得られ、感情に飲まれにくくなります。
職場では、「5分でできる回復行動」を共有できるかどうかが、ストレスの蓄積を防ぐ分かれ目になります。
Q3. リーダーとして責任の重さを感じたとき、どう対処すべきですか?
リーダーは判断と責任が集中しやすく、ストレスが強まっても「弱音を出しにくい」立場になりがちです。だからこそ、個人の根性ではなく、扱い方(運用)を整えることが重要です。
対処法
- 信頼できる人に相談する(相談は役割行動)
一人で抱え込まず、上司・同格・人事・産業保健などに状況共有を。視点が増えるだけで負担は減ります。 - タスクを小分けにする
「責任」ではなく「次にできる一手」に分解すると、行動に落ちます。 - 完璧を求めすぎない
「今は70%でよい」と決めることで、判断の質とスピードを両立しやすくなります。
健康経営では、リーダーが無理をしない構造づくりが結果的に組織全体を守ります。
Q4. ストレスを前向きに捉えるための考え方は?
ストレスを「なくすもの」と捉えると、現実とのギャップで苦しくなりやすいものです。重要なのは、どう付き合うか。見方を変えるだけで、対処の幅は増えます。
考え方のヒント
- ストレスは「役割を果たそうとしているサイン」
何かを大切にしているからこそ負荷が生まれます。まずは自分を責めず、状況を整理します。 - 負荷は「成長や改善」の入口になり得る
乗り越え方を学ぶことで、次の場面での回復が早くなります。 - 完璧より、前進の事実を見る
「できていないこと」より「できたこと」を確認すると、折れにくさが育ちます。
健康経営の観点では、ストレスを語れる共通言語があるかどうかが、組織の成熟度を左右します。
Q5. 他人からのネガティブな言動に対処するには?
他人の言葉や態度がストレスになることは誰にでもあります。大切なのは、相手を変えることよりも、自分のダメージを最小化する技術を持つことです。
対処法
- すぐに反応せず、「間」を取る
一呼吸置くだけで、感情に巻き込まれにくくなります。 - 自分の価値を再確認する
相手の言葉=事実ではありません。自分の評価軸を取り戻します。 - 身体から切り替える
ストレッチ・歩行・深呼吸など、短時間の行動で回復を早めます。
これは個人の工夫であると同時に、組織として教えていくべきスキルでもあります。
まとめ|ストレス対策は「個人任せ」にしない
今回ご紹介したQ&Aは、どれも現場で実際に起きているリアルな悩みです。健康経営を進める上で重要なのは、個人の我慢に頼らず、職場で共有できる考え方を持ち、行動に落とせる形で伝えることです。
職場や生活の中でストレスを感じたときは、今回のヒントをぜひ活用してみてください。小さな一歩でも、心と体を整えるきっかけになります。
けんこう総研では、ストレスを「問題」ではなく「職場を整える入口」として扱い、現場で使える形に落とした研修・支援を行っています。引き続き、健康経営とストレスケアに関する情報を発信していきますので、ぜひブログをチェックしてくださいね。