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心拍変動は、職場の「心配や不安」をどう映し出すのか

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ストレス計測・行動変容

心拍変動は、職場の「心配や不安」をどう映し出すのか

副交感神経の働きから考えるストレス状態の理解

 

 

ストレス管理研究イメージ写真

心拍変動は、職場のストレス状態をどう示すのか

人事・総務の立場で社員のストレスを考えるとき、
「不安そうに見える」「余裕がなさそうだ」という感覚と、
ストレスチェックの数値が一致しないことは珍しくありません。

こうした見えにくいストレス状態を理解する手がかりとして、
近年注目されているのが 心拍変動(HRV) です。

本記事では、
心拍変動と「心配や不安」との関係についての研究知見をもとに、
職場でストレス状態をどう読み取るべきかを整理します。


心拍変動が示しているのは「余裕の度合い」

心拍変動とは、
心拍と心拍の間隔がどれくらい柔軟に変化しているかを示す指標です。

一般に、

  • 変動が大きい状態
     → 身体が状況に応じて柔軟に対応できている
  • 変動が小さい状態
     → 緊張や負荷が続き、回復しにくくなっている

と理解されています。

この変動は、
自律神経のうち 副交感神経の働きと深く関係しています。


「心配や不安」が続くと、何が起きるのか

2016年に発表された複数研究を統合した分析では、
心配や不安が強い状態が続くと、心拍変動が一貫して低下する
ことが示されています。

これは、
一時的な緊張ではなく、

  • 考え続けてしまう
  • 先の不安が頭から離れない
  • 休んでいるつもりでも気が抜けない

といった状態が続くことで、
身体が「回復モード」に切り替わりにくくなることを意味します。

重要なのは、
本人が「そこまでストレスを感じていない」と話していても、
身体の反応としては負荷が蓄積している場合がある
という点です。


職場で起こりやすい誤解

ここで、人事・総務が注意すべき点があります。

心拍変動の低下は、

  • 怠けている
  • 気持ちが弱い
  • 自己管理ができていない

といった評価を示すものではありません。

むしろ、

  • 心配や緊張が長く続いている
  • 気を張り続ける業務環境に置かれている
  • 休んでも回復しにくい状態にある

といった 環境や役割の影響を反映している可能性があります。


心拍変動データをどう受け止めるべきか

腕時計型のデバイス(スマートウォッチ等)を用いることで、
心拍変動は比較的容易に把握できるようになりました。

しかし、実務では、

  • 数値の高低だけを見る
  • 個人間で単純に比較する

といった使い方をすると、
誤解や不信感につながりやすくなります。

心拍変動は、
評価のための数値ではなく、
状態を理解するためのサインとして扱う必要があります。


本記事で整理している視点

本記事は、
心拍変動を「こう解釈すべきだ」と決めつけるものではありません。

目的は、

  • 職場で心配や不安が続くと
  • 身体の反応としてどのような変化が起きやすいのか
  • どこで見落とされやすいのか

を、あらかじめ理解しておくことにあります。

心拍変動 × 心理状態 × 職場環境
この3つを切り離さずに考えるための整理です。


次に人事・総務が考えるべきこと

ここまでを踏まえると、
人事・総務が次に考える必要があるのは、

  • こうした状態を、誰がどう説明するのか
  • 管理職は、どの段階で関与すべきか
  • 心理的な負荷を「個人の問題」にしない仕組みがあるか

といった 運用前の視点です。

次の記事では、
心拍変動などのデータを
個人任せにせず、職場のストレス管理として扱うための考え方を、
人事・総務の視点で具体的に整理します。

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