日本ストレス学会発表|デスクワーカーの運動習慣とストレス反応

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日本ストレス学会発表|デスクワーカーの運動習慣とストレス反応

デスクワーカーのストレス管理を考えるとき、人事総務の担当者は「座りっぱなし対策として運動を入れたいけれど、社員全員に同じ内容でよいのだろうか」と迷うことがあるのではないでしょうか。

この記事では、タニカワ久美子が日本ストレス学会で発表した研究内容の一部として、デスクワーカーの運動習慣、顕在性不安、HRV、ストレス反応の関係を紹介します。

本記事は、運動方法を紹介する記事ではありません。運動習慣や心理状態の違いが、ストレス反応や心身の測定値にどう表れるのかを、人事総務・健康経営担当者にも伝わる形で見ていきます。

日本ストレス学会で発表したデスクワーカーの運動習慣とストレス反応に関する研究内容
デスクワーカーの運動習慣とストレス反応を確認することは、職場の健康経営施策やストレス管理研修を設計するうえで重要な視点になります。

デスクワーカーのストレス研究で運動習慣を見る理由

デスクワーカーは、長時間座ったまま仕事をする時間が長くなりやすい働き方です。会議、パソコン作業、資料作成、オンライン対応が続くと、身体を動かす機会が少なくなります。

身体活動が少ない状態が続くと、肩こり、疲労感、睡眠の乱れ、気分の重さ、集中力の低下などにつながることがあります。

ただし、運動不足だけでストレス反応を説明することはできません。不安の感じやすさ、仕事への緊張、睡眠、疲労、職場環境、本人の運動経験など、複数の要因が重なってストレス反応は表れます。

そのため、デスクワーカーのストレス研究では、運動習慣と心理状態の両方を見ながら、心身の反応を確認する必要があります。

日本ストレス学会で発表した研究内容の位置づけ

本記事で紹介する内容は、タニカワ久美子が日本ストレス学会で発表した研究内容の一部です。

研究では、デスクワーカーの運動習慣、顕在性不安、HRV、ストレス反応の関係を確認し、身体活動や心理状態の違いが測定値にどう表れるのかを検討しました。

ここで扱う内容は、すべての職場やすべての社員にそのまま当てはめるものではありません。ただし、職場のストレス管理や健康経営施策を考えるうえで、運動習慣と心理状態を一律に扱わない視点は重要です。

特に、運動が苦手な社員、不安が高い社員、体力に自信がない社員がいる職場では、運動施策の強度や進め方に配慮する必要があります。

従来のストレス管理で見えにくい点

職場のストレス管理では、ストレスチェック、面談、アンケート、セルフケア教育などが中心になりやすい傾向があります。

これらは重要な取り組みです。一方で、社員の日常の身体活動、心拍の変化、疲労の蓄積、運動に対する不安などは、十分に見えにくい場合があります。

見えにくい要因 職場で起こりやすいこと 研究で確認した視点
運動習慣 同じ運動でも負担感が異なる 運動習慣の有無で反応が変わるか
顕在性不安 心拍上昇や息切れを不安として受け止めやすい 不安の高さが測定値に関係するか
HRV 緊張や回復の状態が見えにくい 心拍変動を手がかりとして扱えるか
勤務中の身体活動 座りっぱなしが続きやすい 軽い活動時の反応を確認する
個人差 全員に同じ施策が合うとは限らない 個人差に配慮した支援の必要性を見る

この視点を持つことで、職場のストレス管理は、心理面だけでなく、身体活動や回復の視点を含めた施策として考えやすくなります。

HRVを確認する理由

HRVとは、心拍変動のことです。心臓は一定のリズムで動いているように見えますが、実際には心拍と心拍の間隔には細かな揺らぎがあります。

この揺らぎは、自律神経の働きと関係すると考えられています。ストレス、疲労、睡眠、運動負荷、緊張、回復状態などによって、HRVは変化することがあります。

ただし、HRVだけで社員のストレス状態を判断することはできません。年齢、体力、測定環境、睡眠、疲労、体調、運動習慣などの影響も受けるため、心理的な指標や本人の体感と合わせて慎重に見る必要があります。

ウェアラブル測定を扱うときの注意点

ウェアラブルデバイスを用いると、勤務中の心拍や身体活動に関するデータを継続的に確認しやすくなります。従来のアンケートだけでは見えにくかった日中の変化を把握する手がかりになります。

一方で、職場で生体データを扱う場合には、慎重な配慮が必要です。

  • 本人の同意なく測定しない
  • 個人の数値を人事評価に使わない
  • 上司や同僚に個人データを共有しない
  • 数値だけでメンタルヘルス状態を判断しない
  • 測定目的を、本人のセルフケアや職場支援に限定する
  • 必要に応じて産業保健スタッフや専門職につなぐ

健康経営でデータを使う目的は、社員を管理することではありません。社員が自分の状態に気づき、必要な休息、相談、セルフケア、職場改善につなげることです。

本研究で確認した視点

本研究では、デスクワーカーのストレス管理に関して、運動習慣、顕在性不安、HRV、ストレス反応の関係を確認しました。

特に、勤務中の身体活動や運動負荷が、心理的ストレスや生理的反応にどのように関係するのかを見ています。

確認した視点 見る内容 職場施策への活用
運動習慣の有無 運動習慣がある人とない人で反応が異なるか 全員一律ではない運動施策の設計に活かす
顕在性不安との関係 不安の高さが運動時のストレス反応に関係するか 不安が高い社員への説明や配慮に活かす
HRVとの関連 心拍変動がストレス反応の手がかりになるか セルフケアや回復の視点を研修に入れる
個人差への配慮 反応の違いをどう捉えるか 職場ごとに研修内容を調整する

ここで大切なのは、特定の運動方法をすぐに勧めることではありません。デスクワーカーのストレス反応には個人差があるため、社員が安心して参加できる健康支援として設計することです。

研究発表内容が職場で役立つ場面

デスクワーカーの健康経営では、運動を勧める場面が多くあります。

しかし、運動習慣がない社員、不安が高い社員、体力に自信がない社員に対して、同じ内容を一律に実施すると、かえって心理的な負担になる場合があります。

運動習慣、顕在性不安、HRV、ストレス反応を分けて見る視点は、次のような施策で役立ちます。

  • デスクワーカー向けのストレス管理研修
  • 座りっぱなし対策としての軽い身体活動
  • 運動が苦手な社員にも配慮した健康支援
  • HRVや活動量データを用いた健康経営施策
  • 不安が高い社員への研修中の配慮

人事総務・健康経営担当者にとって重要なのは、運動施策を導入すること自体ではありません。社員が安心して参加でき、日常業務の中で続けやすい形にすることです。

個人差に配慮したストレス管理へ

個人差に配慮したストレス管理とは、社員一人ひとりに特別なプログラムを用意することだけを意味しません。

職場研修では、参加方法に選択肢を持たせることが現実的です。

配慮する点 一律対応になりやすい例 個人差に配慮した例
運動強度 全員で同じ体操を同じ回数行う 座位・立位・休憩を選べるようにする
不安への配慮 心拍が上がる運動を急に行う 心拍や呼吸の変化を事前に説明する
測定データ 数値を比較する 本人の気づきとセルフケアに使う
研修後の実践 個人努力に任せる 職場で続けやすい短時間の行動にする
健康経営施策 運動イベントで終わる 休息、相談、職場改善とつなげる

個人差に配慮するとは、社員を細かく分類して管理することではありません。社員の状態に合わせて、無理なく参加できる余地を設計することです。

タニカワ久美子の研究と企業研修の接続

タニカワ久美子の研究活動では、ストレス反応を感覚だけで捉えるのではなく、心理的指標と生理的指標の両面から見ることを重視しています。

一方で、研究で得た知見をそのまま職場に持ち込むだけでは、現場では使いにくい場合があります。

そのため、企業研修では、HRV、顕在性不安、身体活動といった専門的な言葉を、社員が理解しやすい表現に変えています。

たとえば、HRVは「心身の緊張と回復を見る手がかり」として説明します。顕在性不安は「不安を感じやすい状態」、運動習慣の有無は「同じ運動でも負担感が違うこと」として伝えます。

人事総務の担当者からも、研究知見を職場で使える言葉に変え、社員が安心して参加できる研修にしている点を評価されています。

人事総務が押さえたいポイント

日本ストレス学会で発表した研究内容から、人事総務・健康経営担当者が押さえたい点は次のとおりです。

  • デスクワーカーは、身体活動不足とストレス反応の両方を見る必要がある
  • 運動習慣の有無によって、運動負荷の受け止め方は変わる
  • 顕在性不安が高い社員には、運動時の心拍や呼吸の変化への配慮が必要である
  • HRVやウェアラブルデータは、評価ではなくセルフケアや支援の材料として扱う
  • 健康経営施策では、全員一律ではなく、参加しやすい選択肢を設計する

この視点を持つことで、職場のストレス管理は、単なる運動推奨ではなく、社員の心理的負担と身体反応に配慮した健康支援になります。

まとめ:研究発表の視点を職場の健康経営に活かす

本記事では、日本ストレス学会で発表した研究内容の一部として、デスクワーカーの運動習慣、顕在性不安、HRV、ストレス反応の関係を紹介しました。

運動はストレス管理に役立つ可能性がありますが、すべての社員に同じように作用するわけではありません。

だからこそ、運動習慣、不安の高さ、体力差、測定値、本人の体感を合わせて見る必要があります。

人事総務・健康経営担当者に求められるのは、運動施策を一律に導入することではなく、社員が安心して参加できるストレス管理の仕組みを設計することです。

研究知見にもとづく健康経営施策を設計したいご担当者様へ

けんこう総研では、日本ストレス学会で発表した研究知見をもとに、デスクワーカーのストレス反応、運動習慣、HRV、顕在性不安の視点を、職場で実践しやすい健康経営フォローアップへ落とし込みます。社員が安心して参加できる研修や職場改善施策として設計します。

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