健康経営
健康づくりのための厚労省新ガイドライン― 健康経営でどう読み、どう活かすか
企業における健康経営を進めるうえで、
国のガイドラインを「知っている」だけで終わらせていないでしょうか。
健康づくりに関する国の指針は、
単なる啓発資料ではなく、
企業が健康施策を設計・説明するための共通言語として使うことで、
初めて意味を持ちます。
厚生労働省が示した最新の考え方
厚生労働省は、「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
を策定しています。
このガイドラインで特に重要なのは、
数値目標そのものよりも「考え方」が書かれている点です。

なぜ「基準」ではなく「ガイド」なのか
今回のガイドラインでは、
あえて「基準」という言葉が使われていません。
理由は明確です。
- すべての人に同じ運動量を求めるのは現実的ではない
- 年齢・体力・生活背景によって適切な量は異なる
- できない人を「できていない」と評価するためのものではない
つまり、
「できる範囲から始めてよい」ことを前提にした考え方に
明確に舵を切っています。
これは、健康経営において非常に重要な視点です。
ガイドラインが示している実務的ポイント
1.量よりも「継続」を重視
- 歩行や日常動作を含めた身体活動を積み重ねる
- 一度に多くやるより、続けられることを優先
企業施策としても、
「運動イベント」より
日常行動に組み込める設計が求められています。
2.個人差を前提にする
ガイドラインでは、
体力や健康状態に応じて
強度や量を調整することが前提になっています。
これは企業側にとって、
- 全員同じメニューを課さない
- 参加できない人を生まない
という設計思想につながります。
3.心・社会的側面も含めて健康を捉える
健康は、
身体だけで完結するものではありません。
- 心理的な余裕
- 人との関係性
- 職場での安心感
こうした要素が合わさって、
初めて「健康」が成立します。
この視点は、
ストレス対策・メンタルヘルス施策と
極めて相性が良い考え方です。
健康経営でこのガイドラインをどう使うか
このガイドラインは、
社員向けの運動指示書ではありません。
健康経営においては、
- なぜこの施策を行うのか
- なぜ強制しないのか
- なぜ段階的なのか
を説明する理論的な裏付けとして活用できます。
特に、
「全員参加が難しい」「運動施策が続かない」
といった悩みを持つ企業にとって、
非常に使いやすい考え方です。
社員配布・社内資料としての活用について
このガイドラインの内容は、
- 社内健康だより
- 朝礼資料
- 研修補足資料
としても、そのまま活用できます。
重要なのは、
「守らせる」表現にしないことです。
「できるところから」「無理のない範囲で」
というメッセージこそが、
ガイドラインの本質です。
健康経営の文脈で読み替えると
このガイドラインが示しているのは、
「運動しましょう」という話ではありません。
- 健康は一律管理できない
- 行動変容は段階的に起こる
- 無理な施策は逆効果になる
という、
健康経営の設計原則そのものです。
けんこう総研がこのガイドラインを重視する理由
けんこう総研では、
このガイドラインの考え方を、
- ストレスマネジメント研修
- 行動変容を前提とした健康施策設計
- 無関心層を切り捨てないプログラム設計
に組み込んでいます。
国の方針と整合した設計は、
健康経営を「続く仕組み」にするための
重要な土台になります。