サプリメント情報を健康経営で安全に扱う方法

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ライフステージ別健康支援

サプリメント情報を健康経営で安全に扱う方法

従業員の健康支援では、「ストレスに効くサプリはありますか」「疲れやすいので何か飲んだ方がよいですか」と相談されることがあります。忙しい職場では、食事や睡眠が乱れ、サプリメントに頼りたくなる社員も少なくありません。

人事総務の担当者にとって大切なのは、サプリメントを勧めることではありません。食事、睡眠、運動、勤務負担、相談体制を確認したうえで、必要な場合は医療職や専門家につなぐことです。

この記事では、従業員のライフステージ別健康支援の中で、サプリメント情報をどのように安全に扱えばよいかを、健康経営の視点から紹介します。

健康経営とストレスケアについて話すけんこう総研代表タニカワ久美子

サプリメントは健康支援の主役ではなく、食事・休養・働き方を見直したうえで、必要に応じて慎重に扱う補助的な情報です。


サプリメントは健康経営の主役ではない

サプリメントは、不足しがちな栄養素を補うために使われることがあります。ただし、健康経営の中でサプリメントを扱うときは、「これを飲めばストレスが改善する」といった伝え方は避ける必要があります。

厚生労働省eJIMでは、健康食品を含む食品は、原則として疾病の予防や治療を目的に用いるものではないと説明されています。サプリメントは医薬品ではなく、メンタルヘルス不調やうつ症状の治療を置き換えるものではありません。

企業の健康支援では、サプリメントを入口にするよりも、まず食事、睡眠、運動、勤務時間、ストレスの原因を確認することが重要です。

参考:厚生労働省eJIM「健康食品」


従業員がサプリメントを求める背景を見る

従業員がサプリメントに関心を持つ背景には、単なる健康意識だけでなく、疲労や不安、睡眠不足、食事の乱れが隠れていることがあります。

  • 忙しくて食事が簡単なものに偏っている
  • 残業が続き、睡眠時間が短くなっている
  • 育児や介護で休む時間が取れていない
  • 更年期や月経前の不調を言い出しにくい
  • 仕事のストレスで気分の落ち込みがある
  • 健康診断の結果が気になり始めている
  • 病院に行くほどではないと思い、自己判断で済ませようとしている

このような状態では、サプリメントの話だけをしても根本的な支援にはなりません。人事総務は、本人がなぜサプリメントを必要としているのかを、働き方や生活リズムと合わせて見る必要があります。


ライフステージごとに健康課題は変わる

従業員の健康課題は、年齢やライフステージによって変わります。特に女性従業員の場合、月経、妊娠・出産、更年期、介護との両立などにより、食事や休養の取り方が変わることがあります。

たとえば、若手社員では朝食を抜く、昼食が簡単なものに偏る、睡眠不足が続くといった課題が出やすくなります。育児期の社員では、自分の食事や休養が後回しになりやすくなります。更年期以降では、疲れやすさ、睡眠の質の低下、体調変化への不安が増えることがあります。

サプリメント情報を扱う前に、こうしたライフステージごとの生活背景を確認することが大切です。


オメガ3は食品からの摂取を基本に考える

オメガ3脂肪酸は、青魚などに含まれる脂質として知られています。健康情報では、脳や心の健康と関連づけて紹介されることがあります。

ただし、オメガ3脂肪酸サプリメントが抑うつに有用であるかは明確ではありません。厚生労働省eJIMでは、一部に有望な研究はあるものの、抑うつへの有用性は不明であると説明されています。

健康経営の研修で扱う場合は、「サプリメントで補う」よりも、「魚を含めた食事全体を見直す」という伝え方が安全です。食事の偏り、欠食、過度なダイエット、忙しさによる栄養不足を確認することが先になります。

参考:厚生労働省eJIM「オメガ3系脂肪酸」


亜鉛などのミネラルは過不足に注意する

亜鉛などのミネラルは、体の働きに必要な栄養素です。ただし、不足だけでなく、サプリメントによる過剰摂取にも注意が必要です。

厚生労働省の日本人の食事摂取基準では、通常の食品からの摂取を基本にしつつ、耐容上限量についてはサプリメントなど通常の食品以外からの摂取も含めて考えることが示されています。

企業研修では、特定の栄養素を一律に勧めるのではなく、食事の偏り、健康診断結果、服薬状況、妊娠の可能性、持病の有無などを考慮し、必要に応じて医療職へ相談する流れを伝える方が安全です。

参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」


SAMeや海外サプリは慎重に扱う

SAMeなど、海外ではサプリメントとして紹介される成分もあります。しかし、企業の健康経営研修で、社員に具体的な摂取を勧める内容にするのは避けた方が安全です。

厚生労働省eJIMでは、SAMeについて、長期使用や妊娠中の安全性に関するデータが少ないこと、一部の医薬品や他のサプリメントと相互作用する可能性があることが説明されています。

特に、メンタルヘルス不調がある人、服薬中の人、妊娠中・授乳中の人、持病のある人は、自己判断でサプリメントを使わず、医療機関や薬剤師に相談することが必要です。

参考:厚生労働省eJIM「S-アデノシルメチオニン(SAMe)」


サプリメント情報を職場で扱うときの注意点

職場でサプリメント情報を扱うときは、社員の健康を支援するつもりでも、伝え方を間違えるとリスクになります。

  • 特定の商品や成分を会社が推奨しているように見せない
  • 病気やメンタル不調が改善すると断定しない
  • 服薬中の社員に自己判断で併用させない
  • 妊娠中・授乳中の社員に一律の情報提供をしない
  • サプリメント利用を評価や勤怠と結びつけない
  • 健康食品と医薬品の違いを明確に伝える
  • 相談先として産業医、保健師、薬剤師、医療機関を示す

サプリメントは、社員が自分で購入しやすいからこそ、企業側の説明には慎重さが必要です。


ストレスケアでは食事・睡眠・運動が土台になる

ストレスを抱えている従業員に対して、サプリメントだけで支援しようとするのは不十分です。まず確認したいのは、食事、睡眠、運動、休養、勤務負担です。

  • 欠食や偏食が続いていないか
  • 睡眠時間が短くなっていないか
  • 残業や休日対応が続いていないか
  • 座りっぱなしや運動不足が続いていないか
  • 相談できる上司や窓口があるか
  • 気分の落ち込みや不安が長く続いていないか

サプリメントは、こうした土台を整えたうえで、必要に応じて専門家と確認しながら考えるものです。職場のストレスケアでは、本人の生活習慣だけでなく、働き方の負担も合わせて見ていくことが大切です。


人事総務が整えたい相談体制

従業員からサプリメントや健康食品について相談が出たとき、人事総務がすべてに答える必要はありません。むしろ、答えすぎないことが安全です。

人事総務が整えておきたいのは、次のような相談の流れです。

  • 健康食品やサプリメントは医薬品ではないことを伝える
  • 服薬中・通院中・妊娠中・授乳中の場合は医療職へ相談するよう案内する
  • 食事や睡眠、勤務負担の状況を確認する
  • メンタル不調が疑われる場合は、産業医や外部相談窓口につなぐ
  • 会社として特定商品を推奨しない方針を共有する
  • 研修では、栄養素名よりも生活習慣と相談行動を重視する

社員が安心して相談できるようにするには、「何を飲むか」ではなく、「困ったときにどこへ相談すればよいか」を明確にすることが大切です。


タニカワ久美子の企業研修で見えていること

タニカワ久美子の企業研修では、サプリメントを万能な解決策として扱いません。現場では、疲れている社員ほど、短時間で何とかしたい、薬ではないなら安全だろう、という気持ちで健康食品に頼りたくなることがあります。

人事総務の担当者からは、「社員からサプリメントの質問を受けるが、どこまで答えてよいかわからない」「メンタルヘルス研修で食事や栄養も扱いたい」「健康情報が多すぎて、社員にどう伝えればよいか迷う」という相談を受けます。

研修では、食事、睡眠、運動、休養、相談行動を土台にし、サプリメントは補助的な情報として位置づけます。社員に自己判断を促すのではなく、必要なときに医療職や専門家へつながる流れを作ることを重視しています。


健康経営でサプリメント情報を扱う実務ポイント

健康経営の中でサプリメント情報を扱う場合は、福利厚生や研修資料の表現にも注意が必要です。

避けたい表現 安全な表現
このサプリでストレスが改善します 食事や休養を整えたうえで、必要に応じて専門家へ相談しましょう
うつ予防に効果があります 気分の落ち込みが続く場合は、医療機関や相談窓口につなぎましょう
全社員におすすめです 体調、服薬状況、妊娠・授乳、持病によって注意が必要です
忙しい人はサプリで補いましょう まず食事、睡眠、勤務負担を確認しましょう
会社推奨の健康食品です 会社は特定商品を推奨せず、正確な情報と相談先を案内します

まとめ

サプリメントは、従業員の健康支援で話題になりやすいテーマです。しかし、健康経営の中では、サプリメントを主役にしないことが大切です。

従業員のストレスや疲労の背景には、食事の乱れ、睡眠不足、運動不足、勤務負担、ライフステージによる体調変化がある場合があります。人事総務は、特定の成分や商品を勧めるのではなく、生活習慣と働き方を合わせて見直し、必要な相談先につなげる役割を持ちます。

従業員のライフステージに応じた健康支援を、研修や健康経営施策として安全に進めたい場合は、けんこう総研の健康経営フォローアップをご覧ください。

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