健康リーダー応援コラム
オンライン実技付き研修/感情ストレス・セルフマネジメント
2021年8月24日更新
ストレスチェックを実施している企業さまの多くが、チェックの結果に要診療にならなかった社員さまへの予防ケアがなされてない、予防措置をしたいとは思いつつも何をしたらよいのかわからないというのが現状です。高ストレス者に対しては予防ではなく治療域です。本来、ストレスは勤務している方々の仕事が原因するストレスだけではありません。会社でしなければならないのは、勤怠管理や労働条件よりも、職場ぐるみでのサポートがストレスチェック結果に大きく影響されているのではないでしょうか。
仕事による心理面でのストレスありますか?
厚生労働省では、仕事での精神的な負荷の強さを判断する「心理的負荷による精神障害の認定基準」を2011年に作りました。メンタルヘルスの疾患による労災認定は、この「心理的負荷による精神障害等に係る業務上外の判断指針」に基づいて、仕事による心理的負荷の強度を評価してメンタルヘルスによる労災認定の判断を行っています。
仕事以外でも、私生活の心理的負荷は、誰でもあります。特に、アルコール依存などの個体的要因が関係している場合には、何がメンタルヘルス疾患を発症させた起因かを、医学的に慎重な判断を要します。メンタルヘルスの問題は、原因は一つではなく、負の連鎖によっている業務と私生活が複合的に絡み合っていることがより改善にむけての治療が難しくさせています。
ストレスの尺度から疲労を評価する方法
心と身体に悪い影響を与えるストレスは、なにも仕事だけではありませんよね。家庭からでさえ日々、ストレスを受けています。アメリカのワシントン大学精神科のホルムズ博士たちは、生活環境の変化と日常生活とでメンタルヘルス疾患への関連性について研究を行いました。メンタルヘルス疾患への関連性研究結果から「社会的再適応評価尺度」というチェック表を作成させました。社会的再適応評価尺度は、1年間の経験した出来事を合計して、どれくらい自分はストレスがたまっているかを客観的に数字におきかえて把握できる方法です。
ストレスを可視化させる方法
引っ越しや、転職などの日常生活での重大イベントや、イベントによる環境の変化は、メンタルヘルスの不調に深く関係しています。
それでは、ご自身のライフイベント・ストレスチェックをしてみましょう。ライフイベント・ストレスチェックは、結婚=50点を基準としています。結婚・配偶者の死・退職などの人生で経験する重大な出来事や生活の変化をいったストレスを取り上げています。人生で遭遇した出来事によってストレスの重みづけを数値化させた評価方法です。では、早速はじめてみましょう。
ライフイベント・ストレスチェック
この1年間で経験した項目にチェックを入れていきましょう。チェックを入れた項目の( )内の点数を合計します。チェックは何個でも構いません。
配偶者の死(83点)
会社の倒産(74点)
家族の死(73点)
離婚(72点)
- 夫婦の別居(67点)
- 会社を変わる(64点)
- 自分の病気やケガ(62点)
- 多忙による心身の過労(62点)
- 300万円以上の借金をした(61点)
- 仕事上のミスをした(61点)
- 独立・起業した(61点)
- 単身赴任(60点)
- 左遷(60点)
- 家族の健康や行動の大きな変化(59点)
- 会社の立て直し(59点)
- 友人の死(59点)
- 会社の吸収合併(59点)
- 収入の減少(58点)
- 人事異動(58点)
- 労働条件の大きな変化(55点)
- 配置転換(54点)
- 同僚との人間関係(53点)
- 法律的トラブル(52点)
- 300万円未満の借金をした(51点)
- 上司とのトラブル(51点)
- 抜擢に伴う配置転換(51点)
- 息子や娘が家を離れる(50点)
- 結婚(50点)
- 性的問題・障害(49点)
- 夫婦喧嘩(48点)
- 家族が増える(47点)
- 睡眠週間の大きな変化(47点)
- 同僚とのトラブル(47点)
- 引っ越し(47点)
- 住宅ローン(47点)
- 子供の受験(46点)
- 妊娠(44点)
- クライアントの人間関係(44点)
- 仕事のペース変化(44点)
- 定年退職(44点)
- 部下とのトラブル(43点)
- 仕事に打ち込む(43点)
- 住宅環境の大きな変化(42点)
- 職場の人数が減る(42点)
- 社会活動の大きな変化(42点)
- 職場のOA化(42点)
- 家族構成の変化(41点)
- 駐停車禁止などの軽度な法律違反(41点)
評価はいかがでしたか?
合計点が260点以上だとストレスが多く溜まっている証明です。くれぐれも心身に気をつけてください。合計点が300点以上に達していたら、メンタルヘルスの病気を引き起こすリスクが高いレベルです。
適度なストレスはやりがいをもたらしますが、されどストレス、ストレスのたまりすぎには何らかの対策が重要です。
※ライフイベントストレスチェック日本語版出所:夏目誠他,産業医学30,266-279,1988