ストレス研究memo
ストレス研究memoVol.85
2024年6月2日更新
ラザルスのストレス軽減方法には、「情動焦点型対処(Emotion-focused Coping)」と「意味焦点型対処(Meaning-focused Coping)」がある事は昨日までのブログで理解できたでしょうか?この2つのストレス対処方法、は別個の対処方法として存在します。
情動焦点型対処は主に感情の管理に焦点を当てています。一方、意味焦点型対処はストレス状況の意味や価値を再評価することでストレスを軽減する方法です。
つぎに2つのストレス対処方法についてもう一度、復習しましょう。
情動焦点型対処(Emotion-focused Coping)
情動焦点型対処は、ストレス状況に対する感情的反応を直接的に管理・和らげようとさせる対処方法です。ストレスになる状況そのものを変えるのではなく、感情を調整することでストレスを軽減させます。
具体的な方法
1. 感情の発散 :泣いたり、叫んだりすることで感情を発散します。
2. 回避行動 :ストレス源から一時的に離れることで感情的負担を軽減します。
3. リラクゼーション技法 :瞑想や深呼吸などの技法を用いてリラクゼーションを図ります。
4. ソーシャルサポートの活用:友人や家族からの感情的支援を受けることで安心感を得ます。
効果
情動焦点型対処は、即時的な感情の軽減や心理的安定をもたらすことが多く、特にストレスの原因に対処することが難しい場合に有効です。
意味焦点型対処(Meaning-focused Coping)
意味焦点型対処は、ストレス状況に対する意味や価値を再評価し、それをポジティブに捉えることでストレスを軽減する方法です。これは、個人の価値観や信念に基づいてストレス状況を新たに解釈し、前向きな意味を見出すことを重視します。
具体的な方法
・意味の再評価
・価値観の再確認
・霊的・宗教的信念の活用
・自己肯定感の強化
効果
ストレス状況に対する認識を変えることで感情的な負担を軽減し、心理的レジリエンスを高めます。
まとめ
ラザルスのストレス対処理論は、「問題焦点型対処(Problem-focused Coping)」と「情動焦点型対処(Emotion-focused Coping)」の2つが主要なカテゴリですが、「意味焦点型対処(Meaning-focused Coping)」も重要な役割を果たし、情動焦点型対処の一部として理解されることがあります。これらの対処方法を状況に応じて適切に使い分けることが、効果的なストレス管理に繋がります。
「意味焦点型対処(Meaning-focused Coping)」は、ラザルスの理論の中で特に独立したカテゴリとして広く認識されているわけではなく、情動焦点型対処の一部と見なされることがありますが、実際にはそれぞれ異なるアプローチとして認識することもできます。
意味焦点型対処は、ストレス状況に対する意味や価値を再評価し、それをポジティブに捉えることでストレスを軽減する方法です。これは、個人の価値観や信念に基づいてストレス状況を新たに解釈し、前向きな意味を見出すことを重視します。