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定期的な運動が急性ストレスからの精神的回復力を高める理由

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ストレス性痛み・コリ改善(セルフケア/タニカワメソッド)

定期的な運動が急性ストレスからの精神的回復力を高める理由

本記事は、
「ストレス管理(Self-Management)とは|健康経営・職場実装のための制度設計・評価・KPIガイド」
に基づき、急性ストレスに晒された後、人はどのように回復するのか
「定期的な運動習慣」という観点から整理したドメインAuthority解説です。

 

 

きのうに引き続き、今回は
「定期的な運動は、健康な人の急性ストレスに対する精神的回復力と関連しているのか」
という問いに対する研究を解説します。

本記事で取り上げるのは、
米国イリノイ州シカゴにある
シカゴ大学 精神医学・行動神経科学部門 人間行動薬理学研究室に所属する
エマ氏およびハリエット氏による研究です。

この研究では、
定期的に身体運動を行っている人と、そうでない人の間で、
急性の心理社会的ストレス要因に対する「心理生理学的反応」と「感情の回復過程」

を比較しています。

標準化された心理社会的ストレッサーとは

本研究では、心理学研究で広く用いられる
トリアー社会的ストレステスト(TSST)が採用されました。

TSSTは、

  • 準備なしでスピーチを求められる課題
  • 公的状況下で暗算を行う計算課題

を組み合わせ、
「評価される状況下でのパフォーマンス要求」によって
心理的・生理的ストレス反応を引き出すよう設計されています。


TSSTは、主観的な緊張感だけでなく、心拍・ホルモン反応・感情変化を
同時に評価できる点が特徴です。

運動習慣の有無による急性ストレス反応の違い

実験結果の要点

  • 心拍数は、座りっぱなしの参加者よりも定期的に運動する人の方が有意に低い
  • 心血管反応性やコルチゾール反応には大きな群間差はみられなかった
  • ベースラインの気分状態に差はなかった

  • しかし、ストレス課題後の「ポジティブな感情の低下」は、
    運動習慣のある人の方が明らかに小さかった

ここで重要なのは「回復力」の違い

この研究が示しているのは、
運動している人は「ストレスを感じない人」ではないという点です。

むしろ、

  • ストレスは同様に感じている
  • 生理反応も大きくは変わらない

それにもかかわらず、
ストレス後の感情の立て直しが速い


定期的な運動習慣は、急性ストレス下でも
「ポジティブな感情を保持・回復する力」と関連している

ポジティブ感情はストレス回復の「別系統」

従来、ストレス研究はネガティブ感情の低減に焦点を当ててきました。
しかし近年では、
ポジティブ感情はネガティブ感情とは独立した回復プロセス
を担うことが示されています。

Folkman(2008)は、
極度のストレス状況下でも
ポジティブ感情とネガティブ感情は同時に存在しうる
と指摘しています。

運動習慣を持つ人は、

  • ストレス下でも肯定的な評価を維持しやすい
  • 対処戦略がより柔軟である

ことが、回復力の差として表れていると考えられます。

健康経営・職場支援への示唆

この研究は、

  • 運動=ストレスを減らす手段

という単純な理解ではなく、


  • 運動=ストレス後に「戻れる心身」をつくる基盤

であることを示しています。

職場で避けられない急性ストレスに対して、
定期的な身体活動は「予防」ではなく「回復力の強化」
として機能します。

参考文献

Folkman, S. (2007).
The case for positive emotions in the stress process.
An International Journal, 21, 13–14.

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