健康経営戦略・KPI・エビデンス
労災0目標は健康経営につながるのか?安全目標と経営成果の正しい関係
先日、あるシンポジウムで
経営者の方から次のような質問を受けました。
「うちは労災ゼロを目指していますが、
これも健康経営につながりますか?」
この問いは、
多くの企業が抱いている
重要な本質を突いています。
労災0を目指すこと自体は健康経営か
結論から言えば、
労災0を目標に掲げること自体は、
健康経営の一要素になり得ます。
従業員の安全と健康を最優先に考える姿勢は、
健康経営の基本理念と一致しています。
しかし同時に、
労災0を掲げるだけでは、
健康経営にはなりません。
労災0目標が健康経営として機能する条件
労災0目標が
健康経営につながるかどうかは、
その「捉え方」と「運用」によって決まります。
生産性と結びついているか
安全対策が、
- 作業効率の改善
- 集中力の維持
- 無理のない作業設計
といった形で
業務の質に反映されている場合、
労災0は生産性向上と両立します。
従業員の安心感につながっているか
安全な職場は、
従業員にとって
「長く働ける」という心理的安心感を生みます。
その結果、
定着率の向上や
離職防止につながる場合、
労災0は健康経営の成果といえます。
労働環境の改善が伴っているか
労災0を目指す過程で、
- 作業動線の見直し
- 疲労や暑熱への配慮
- 休憩や回復の確保
といった環境改善が行われているかどうかが、
重要な分岐点になります。
法令対応で終わっていないか
労災対策が
「罰則や責任回避のため」
に留まっている場合、
それは
法令遵守
ではあっても、
健康経営とは言えません。
労災0が健康経営にならないケース
一方で、
次のような状態では
労災0目標は
健康経営とは逆行します。
- 事故を報告しづらい雰囲気がある
- 無理な作業を黙認している
- 「0を守る」ことが目的化している
この場合、
表面上は労災0でも、
現場ではリスクが蓄積します。
健康経営としての労災0目標とは
健康経営の視点での労災0目標とは、
事故を隠さないことを前提に、
事故が起きにくい行動と環境を整えること
を意味します。
数値目標そのものよりも、
- どの行動を変えるのか
- どのリスクを減らすのか
- 何を日常的に確認するのか
が問われます。
安全目標を健康経営に昇華させる視点
労災0目標を
健康経営につなげるためには、
- 疲労やストレスの蓄積を前提にする
- 事故の背景要因を評価する
- 現場行動の変化を確認する
といった視点が不可欠です。
安全と健康を分けて考えず、
同じ経営課題として扱うこと
が、
業種を問わず有効な健康経営戦略になります。
けんこう総研では、
労働安全衛生と健康経営を統合した
実行・評価支援を行っています。