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職場における身体活動と心拍変動

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ストレス計測・行動変容

職場における身体活動と心拍変動

この記事は、判断や導入可否を決めるためのものではありません。
研究や考え方を紹介する読み物です。

職場における身体活動がHRV(心拍変動)にどのような影響を与え、ストレス管理にどう活用できるのかは、健康経営を推進するうえで重要な判断ポイントです。

本記事では、職場の身体活動とHRV管理の関係について、Healyら(2019年)の研究をもとに、ストレスに関するエビデンスを系統的レビューとメタ分析の視点から整理します。
研究結果を踏まえ、施策判断で失敗しやすい点や、現場での身体活動の選び方についても、実務に活かせる形で読み解いていきます。

ストレスに関する職場での身体活動と心拍変動(HRV)の関係

Healyら(2019年)の研究で、ストレスに関する職場での身体活動と心拍変動(HRV)の関係を系統的にレビューし、メタ分析を行いました。この研究論文は、職場での身体活動がHRVに与える影響を明らかにすることを目的としているので、すこしくわしく読み解いていきましょう。

研究の背景と目的

HRVは、自律神経系のバランスや心血管系の健康状態を反映する指標として広く認識されています。
職場での身体活動がHRVに与える影響についてのエビデンスを統合し、総合的な理解を深めるために、この系統的レビューとメタ分析が実施されました。

方法

この研究論文は、関連する研究を包括的に検索し、職場での身体活動とHRVの関係を検討した研究です。選定基準を満たす研究を抽出し、データを統合してメタ分析を行っています。

主な結果

メタ分析の結果、職場での身体活動はHRVの向上に寄与する可能性が示されました。特に、定期的な短時間の身体活動がHRVの改善に効果的であることが確認されました。しかし、研究間での異質性が存在しています。

考察

職場での身体活動は、従業員の自律神経機能の改善やストレス軽減に寄与します。HRVの向上は、心血管系の健康維持やメンタルヘルスの改善に関連しており、職場での身体活動プログラムの導入は、従業員の健康促進に有益であると考えられます。

結論

Healyらの研究は、職場での身体活動がHRVにポジティブな影響を与える可能性があります。しかし、効果の大きさや持続性、最適な介入方法については、さらなる高品質な研究が必要です。

文献

Healy, G. N., et al. (2019). “Workplace physical activity interventions and heart rate variability: A systematic review and meta-analysis.” Journal of Occupational Health, 61(3), 195-208.

運動がメンタルヘルスに良い影響を与える可能性が注目されていますが、その効果に関する研究結果には一貫性がなく、作用メカニズムもまだ十分に解明されていません。運動による体内変化は多くの要因が複雑に絡み合っており、その影響を正確に評価するためには、さらなる高品質な研究が必要とされています。

運動には、ウォーキングやエアロビクスのような有酸素運動、筋力トレーニング(レジスタンス運動)、ストレッチなどさまざまな種類があります。
ですが体力や、目的などそれぞれに適した強度や持続時間も異なります。
体への負担などリスクも伴うため、安全性も考慮しなければなりません。現在は有酸素運動が多く研究対象となっていますが、筋トレやストレッチのような他の運動がメンタルヘルスに与える影響を比較した研究は限られているのが現状です。今後は、疾患別に効果的な運動方法や処方のガイドラインが求められています。

運動がメンタルヘルスに与える効果には、次のような仮説があります。

1. 運動による前頭前野の血流増加。
2. セロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質の分泌が活性化される。
3. 筋力や体力の向上により体温が上昇し、免疫機能が強化されることで気分が改善される。
4. 心肺機能の向上により、ストレス耐性が強まり、副交感神経が活性化する。
5. 運動能力の向上が自己効力感や自己統制感を高め、メンタルヘルスに好影響をもたらす。

運動には、体力や筋力、心肺機能の向上といった持続的な成果を得やすく、メンタルヘルスの改善も実感しやすいです。さらに、セロトニン系の活性化が脳の可塑性に寄与する可能性も多くの研究で示唆されています。ですがこれらのメカニズムはまだ検証が進行中で、神経系全体への影響を明らかにするためにはさらなる研究が必要です。

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