ストレス・セルフケアを組み合わせた健康経営研修

ストレスチェック後に職場の負荷を見直す|減らす・支える・回復を入れる

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ユーストレス(良性ストレス)

ストレスチェック後に職場の負荷を見直す|減らす・支える・回復を入れる

ストレスチェック後に結果を見ても、「次に職場で何を変えればよいのか」で止まってしまうことはありませんか。

高ストレス者への対応は欠かせません。

ただ、それだけで終わると、部署全体にある負荷、管理職の声かけ、相談しにくさ、休憩の取りにくさは残ったままになります。

職場には、早く減らした方がよい負荷があります。

一方で、仕事の成長や集中につながる負荷もあります。

さらに、今すぐ全部を減らすのではなく、回復時間や支援を入れながら様子を見たい負荷もあります。

人事総務・健康経営担当者にとって大切なのは、ストレスを単純に「ある・ない」で見ることではありません。

ストレスチェック後に、職場の負荷を「減らす負荷」「支えながら続ける負荷」「回復を入れて見直す負荷」に整理し、管理職面談や職場改善へ戻すことです。

このページでは、ユーストレスとディストレスの用語説明ではなく、ストレスチェック後に職場の負荷をどう整理し、研修や職場改善につなげるかを見ていきます。

ストレスチェック後に止まりやすい場面

ストレスチェックを実施すると、数値や部署別の傾向は見えます。

しかし、実際の職場では、結果を見た後に次のような迷いが出ることがあります。

  • 高ストレス者対応は行ったが、職場改善まで進んでいない
  • 部署の負荷が高いと分かっても、何から変えるか決めにくい
  • 管理職が「忙しいのは仕方ない」と受け止めている
  • 社員が「大丈夫です」と言うため、深く聞きにくい
  • 研修を実施しても、現場の声かけや相談行動が変わりにくい

ここで必要なのは、ストレスの用語を増やすことではありません。

今ある職場負荷を、どう扱うかに戻すことです。

人事総務が見たいのは、「この部署はストレスが高い」という結果だけではありません。

何を減らすのか。何を支えるのか。どこに回復を入れるのか。管理職がどの声かけを変えるのか。

そこまで戻すことで、ストレスチェック後の結果が職場改善に使いやすくなります。

職場の負荷は、3つに整理すると動きやすくなります

ストレスチェック後の職場改善では、負荷を一つの箱に入れないことです。

すべてを「悪いストレス」と見てしまうと、挑戦や成長の機会まで弱くなります。

反対に、「多少のストレスは成長に必要」とまとめてしまうと、疲労や不調のサインを見落としやすくなります。

現場で扱いやすくするには、職場の負荷を次の3つに整理します。

整理の仕方 職場で起きている状態 人事総務・管理職が戻したい対応
早く減らす負荷 長時間労働、ハラスメント、休めない状態、慢性的な人員不足 業務量、勤務設計、相談体制を見直す
支えながら続ける負荷 新しい役割、適度な挑戦、成長課題、期限のある業務 目標、裁量、相談先、フィードバックを整える
回復を入れて見直す負荷 本人は前向きだが、疲労・睡眠不足・確認漏れが出ている 休憩、交代、期限調整、管理職面談につなげる

この整理をすると、ストレスチェック後の対応が「数値を見て終わり」になりにくくなります。

部署ごとに、何を減らすのか、何を支えるのか、どこに回復を入れるのかを話しやすくなります。

成長につながる負荷も、条件が崩れると疲労に変わります

新しい仕事への挑戦、異動、昇進、期限のある業務、部下育成、組織変更などは、職場から完全になくすことはできません。

適度な緊張や責任感があるからこそ、集中できたり、学んだり、成長できたりする場面もあります。

ただし、成長につながる負荷は、負荷だけでは成り立ちません。

目標が見えていること。本人に進め方を選ぶ余地があること。相談できる相手がいること。終わったあとに回復できること。

この条件があると、負荷は前向きな行動につながりやすくなります。

反対に、仕事量だけが増え、相談先がなく、失敗だけが責められ、休む時間もない場合は、同じ負荷でも疲労や不調につながります。

職場条件 支えながら続けやすい状態 見直しを考えたい状態
目標 何を達成すればよいか見えている 目的があいまいなまま仕事だけが増えている
負荷 少し背伸びすれば届く水準 達成の見通しがなく、終わりが見えない
裁量 進め方や優先順位を調整できる 責任だけ重く、判断の余地がない
支援 相談先や確認者が見えている 一人で抱え込みやすい
回復 終わった後に休める 休んでも疲れが抜けにくい

ストレスチェック後には、負荷そのものだけでなく、この条件がそろっているかを見ていきます。

高い数値だけで部署を決めつけないようにします

ストレスチェックでは、部署ごとの傾向が見えることがあります。

ただし、数値が高い部署を「悪い部署」と決めつけると、現場の協力が得にくくなります。

人事総務が行いたいのは、部署を責めることではありません。

その部署で、どの負荷が社員を疲れさせ、どの負荷なら支えながら続けられるのかを一緒に見ていくことです。

ストレスチェック後に見えること そのまま判断すると起きやすいこと 職場改善へ戻す見方
仕事量の負担が高い 忙しい部署だから仕方ないで終わる 一時的な繁忙か、慢性的な過重負荷かを見る
上司支援の項目が低い 管理職個人の問題にする 声かけ、面談時間、相談の仕組みを見直す
同僚支援が低い 人間関係が悪い部署と見る 業務の偏り、引き継ぎ、助け合いの余地を見る
活気が低い やる気がないと受け止める 疲労、達成感の不足、回復不足を見る
高ストレス者が多い 個人対応だけで終える 部署全体の仕事量・裁量・支援を見直す

数値は入口です。

その後に、職場で何が起きているのかを言葉にできると、管理職研修や職場改善につなげやすくなります。

管理職が部下の負荷を聞くときの声かけ

ストレスチェック後の職場改善では、管理職の声かけが大きく影響します。

ただ、「ストレスはありますか」「大丈夫ですか」と聞いても、社員は答えにくいことがあります。

特に責任感の強い社員ほど、「大丈夫です」「問題ありません」と答えやすくなります。

止まりやすい声かけ 起きやすいこと 職場改善につながる声かけ
ストレスはありますか 「あります」と言いにくい 今の仕事で、一番残っている負荷は何ですか
大丈夫ですか 「大丈夫です」で終わりやすい 今週中に減らせる仕事はありますか
成長のためだから頑張ろう 負担を言いにくくなる 成長につなげるために、どんな支援があると進めやすいですか
忙しいのはみんな同じです 相談が減りやすい どの業務が一番時間を圧迫していますか
前向きに考えよう つらさを本人の考え方に戻しやすい 仕事量や進め方も一緒に見直しましょう

管理職に求められるのは、社員を励ますことだけではありません。

部下の負荷を、仕事量・期限・裁量・相談先・回復時間へ戻して聞けることです。

ディストレスに傾き始めた職場のサイン

ストレスチェックの数値だけでは、職場で起きている変化をすべて拾いきれません。

社員本人がすぐに言葉にできないまま、行動や職場の空気に出ていることがあります。

  • 休んでも疲れが抜けない社員が増えている
  • ミスや確認漏れが増えている
  • 相談や報告が減っている
  • 表情が硬く、発言が少なくなっている
  • 遅刻、欠勤、早退が増えている
  • チーム内の摩擦や不満が増えている
  • 「大丈夫です」と言う社員ほど抱え込んでいる

このような状態が続く場合、本人のセルフケアだけで支えるのは難しくなります。

業務量、役割、相談先、管理職の関わり方を一緒に見ていきます。

研修後に、職場で続けたい行動

ストレスチェック後に研修を行う場合、用語を覚えて終わると現場に残りにくくなります。

研修後に職場で続けたいのは、管理職と社員が同じ言葉で負荷を話せることです。

研修で扱う内容 職場で続けたい行動
職場負荷の整理 減らす負荷、支える負荷、回復を入れる負荷を分けて話す
疲労サインの見方 睡眠、疲労、ミス、相談減少を早めに拾う
管理職の声かけ 「大丈夫?」で終わらず、仕事量・期限・相談先へ戻す
ストレスチェック後の職場改善 数値を部署批判にせず、改善行動へ戻す
回復の設計 繁忙期後、夜勤後、クレーム対応後に休憩や交代を入れる

研修は、知識を増やすだけでは効果が見えにくくなります。

研修後に、声かけ、相談、休憩、業務量の見直しが少しずつ変わることで、職場改善につながります。

専門職でも迷うポイント

ストレスチェック後の職場負荷の整理は、専門職でも迷う場面があります。

特に迷いやすいのは、本人が前向きに見えるときです。

本人が「大丈夫です」「やります」「問題ありません」と答えると、管理職も人事総務も安心しやすくなります。

けれども、睡眠不足、休日でも抜けない疲労、確認漏れ、相談減少が出ている場合、その負荷は支援を入れた方がよい状態かもしれません。

専門職でも迷うのは、本人の言葉と身体・行動のサインが一致しないことがあるからです。

そのため、本人の発言だけではなく、仕事量、裁量、相談先、回復状況を合わせて見ていきます。

社内で動かしにくい理由

ストレスチェック後の職場改善が進みにくい理由は、関係者が見ているものが違うことです。

社員本人は、「迷惑をかけたくない」「弱いと思われたくない」と感じて、負荷を隠すことがあります。

管理職は、成果、納期、人員不足を見ながら現場を回しています。

人事総務は、ストレスチェック、研修実施、健康経営施策として見ています。

社内支援者や専門職は、疲労、不眠、不安、休職リスクを見ています。

それぞれの見方は、どれも間違いではありません。

ただ、同じ言葉で話せていないと、職場改善に進みにくくなります。

たとえば、社員の「大丈夫です」を管理職がそのまま受け取り、人事総務はストレスチェックの数値だけで判断し、専門職は疲労リスクを感じている。

このようなズレがあると、面談や業務調整へつながるまでに時間がかかります。

職場負荷を「減らす・支える・回復を入れる」に整理しておくと、ストレスチェック後の会話が進めやすくなります。

タニカワ久美子が企業研修で見てきたこと

タニカワ久美子の企業研修では、ユーストレスとディストレスの違いを、単なる用語としては伝えません。

研修現場では、「成長のため」「本人のため」という言葉で、負荷が増えていることがあります。

管理職に悪気はありません。

むしろ、部下に期待しているからこそ任せています。

けれども、部下が相談できず、休めず、一人で抱えている状態では、その負荷は疲労や不安に傾いていきます。

一方で、すべての負荷を避けてしまうと、社員が新しい仕事に挑戦する機会や、達成感を得る機会まで少なくなります。

研修では、職場ストレスを「減らす負荷」「支える負荷」「回復を入れる負荷」に分けて見ます。

管理職からは、「本人が大丈夫と言うので任せていた」「期待しているという声かけが、断れない圧力になっているとは思わなかった」という反応が出ることがあります。

社員側からは、「相談してよいと言われても、仕事量が変わらないなら言いにくい」「休んでいいと言われても、休んだ後の仕事が怖い」という声が出ることがあります。

このズレは、資料を読むだけでは見えにくいものです。

研修では、社員には自分のストレスサインに気づくことを、管理職には「今の負荷は支える負荷なのか、減らす負荷なのか、回復を入れる負荷なのか」を確認する声かけを扱います。

人事総務の担当者からは、「ストレスチェック後の結果を、数字だけでなく職場の見直しにつなげやすくなった」という声をいただくことがあります。

ユーストレスの全体像はこちら

このページでは、ストレスチェック後に職場負荷を整理する見方を扱いました。

ユーストレスの意味、ディストレスとの違い、職場での活かし方については、以下の固定ページで詳しく紹介しています。

ユーストレス(良性ストレス)とは|職場で活かすストレス資源の全体像

まとめ|ストレスチェック後は、職場の負荷を整理してから動きます

ストレスチェック後の職場改善では、ストレスを単純に「ある・ない」で判断しにくいことがあります。

同じ負荷でも、本人の経験、裁量、支援、回復時間、仕事の意味によって、成長につながる場合も、疲労につながる場合もあります。

人事総務・健康経営担当者に求められるのは、社員に「ストレスに強くなれ」と求めることではありません。

職場の負荷を、減らす負荷、支える負荷、回復を入れる負荷に整理することです。

この整理があると、ストレスチェック後の職場改善、管理職の声かけ、社員研修、健康経営施策をつなげやすくなります。

職場のストレス管理研修への活用

けんこう総研では、企業・介護施設・教育機関向けに、ユーストレスとディストレスの違い、管理職ラインケア、ストレスチェック後の職場改善を含めたストレスマネジメント研修を行っています。

研修では、単に「ストレスを減らしましょう」と伝えるのではなく、職場の負荷をどのように整理し、どの段階から健康リスクとして支援するかを、現場の業務特性に合わせて扱います。

職場のストレス課題を、研修と職場改善につなげたい場合は、以下のページをご覧ください。


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参考資料

文責:タニカワ久美子

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