ストレス管理
仕事ストレスの解決法|心と身体から整える対処法
仕事でストレスを感じた社員が、休日に寝る、動画を見る、甘いものを食べる、気分転換をする。
それでも月曜日の朝になると、また身体が重い。
職場では、このような状態が起こることがあります。
気分転換は大切です。
けれども、仕事量が多すぎる、相談できない、休憩が取れない、上司や同僚との関係がつらい状態が残っていると、気持ちを切り替えても同じストレスがまた積み重なります。
仕事ストレスの解決法で大切なのは、「どう気分転換するか」だけではありません。
眠れているか、疲れが取れているか、肩や首に力が入り続けていないか、仕事量を相談できているかを見ることです。
人事総務・健康経営担当者は、社員のストレスを本人任せにせず、心と身体の反応、休み方、相談のしやすさ、業務量の偏りを合わせて確認する必要があります。
気分転換をしても、仕事ストレスが戻らないことがあります
仕事でストレスを感じたとき、散歩をする、音楽を聴く、軽く身体を動かす、誰かと話す、早めに休む。
このような気分転換で、気持ちが少し楽になることがあります。
ただし、気分転換だけでは戻らない仕事ストレスもあります。
たとえば、次のような状態です。
- 業務量が多すぎる
- 相談できる相手がいない
- 休憩を取りにくい
- 評価や失敗への不安が強い
- 上司や同僚との関係に緊張がある
- 残業や休日対応が続いている
- 仕事の優先順位を自分で決められない
このような原因が残ったままだと、一時的に気分が変わっても、また同じストレスが積み重なります。
仕事ストレスの解決法では、まず心と身体にどのような反応が出ているかを見ます。
そのうえで、本人ができる対処と、職場側が見直すことを分けます。
仕事ストレスは、心だけでなく身体にも出ます
仕事ストレスは、気持ちだけに出るものではありません。
身体にも表れます。
仕事のことを考えると眠れない。
朝から身体が重い。
肩や首に力が入る。
胃が重い。
頭痛がする。
食欲が乱れる。
呼吸が浅くなる。
このような身体の変化は、ストレス反応として起こることがあります。
反対に、身体の疲れが続くと、気持ちも不安定になります。
普段なら気にならない一言に傷つく、集中できない、イライラしやすい、やる気が出ない。
このように、身体の疲労が心の反応を強めることもあります。
仕事ストレスを見直すときは、「気持ちの問題」と「身体の問題」を分けすぎないことが大切です。
仕事ストレスが強くなると、職場では小さな変化が出ます
仕事ストレスが強くなると、次のような変化が出やすくなります。
- 眠りが浅くなる
- 朝から疲れが残る
- 集中しにくくなる
- 些細なことでイライラする
- ミスや確認漏れが増える
- 人と話すのがおっくうになる
- 食欲が落ちる、または食べすぎる
- 休日も仕事のことを考えてしまう
これらは、本人の気合い不足や性格の弱さではありません。
心身が「負荷が続いている」と知らせているサインです。
人事総務・健康経営担当者は、社員がまだ出勤できている段階でも、このような小さな変化を見逃さないことが重要です。
仕事ストレスの原因を一つに決めつけない
仕事ストレスの原因は、一つとは限りません。
仕事量、人間関係、評価への不安、役割のあいまいさ、家庭の負担、体調不良などが重なることがあります。
たとえば、「最近疲れている」という社員がいた場合、単に業務量が多いだけではないかもしれません。
上司に相談しにくい。
家庭で介護が始まった。
睡眠不足が続いている。
評価面談が近い。
同僚が異動して支えが減った。
こうした要素が重なると、同じ仕事でも負担が強くなります。
仕事ストレスの解決法では、「原因はこれです」と早く決めすぎないことが大切です。
心と身体、仕事と生活、本人の状態と職場環境を合わせて見ます。
本人ができる対処は、まず自分の反応に気づくことです
仕事ストレスを感じたとき、本人ができる対処もあります。
ただし、すべてを本人任せにするという意味ではありません。
まずは、自分の状態に気づくための対処として考えます。
身体の反応に気づく
ストレスを感じているときは、身体が先に反応していることがあります。
肩に力が入っている。
呼吸が浅い。
手が冷たい。
胃が重い。
頭がぼんやりする。
このような変化に気づくことが第一歩です。
「自分はストレスがある」と言えなくても、「最近眠りが浅い」「朝から疲れている」と言葉にできれば、対処の入口になります。
休む時間を予定に入れる
忙しい人ほど、休む時間を後回しにします。
しかし、仕事ストレスが続いているときは、休養を予定に入れる必要があります。
長い休みが取れなくても、昼休みに席を離れる、短い散歩をする、帰宅後に仕事の連絡を見ない時間をつくる、早めに寝る日を決める。
このような小さな回復時間を確保します。
仕事を小さく分ける
仕事が大きすぎると、どこから手をつければよいかわからなくなります。
その結果、不安だけが大きくなります。
大きな仕事は、今日やること、明日でよいこと、相談が必要なこと、誰かに確認することに分けます。
仕事を小さく分けると、頭の中の混乱が減りやすくなります。
一人で抱えない
仕事ストレスが強いときほど、「自分で何とかしなければ」と考えやすくなります。
しかし、一人で抱えるほど、視野は狭くなります。
上司、同僚、人事総務、産業医、保健師、外部相談窓口など、話せる相手を複数持つことが大切です。
相談は、限界になってからするものではありません。
早めに状況を共有することが、不調予防につながります。
気分転換で終わらせないほうがよい状態
気分転換で楽になるストレスもあります。
しかし、次のような状態が続く場合は、気分転換だけでは不十分です。
- 眠れない日が続いている
- 朝から疲れている状態が続いている
- 出勤前に強い不安がある
- 仕事のミスや確認漏れが増えている
- 人と話すのを避けるようになっている
- 休日も回復した感じがない
- 涙もろい、怒りっぽいなど感情の変化が強い
このような状態では、ストレス解消法を増やすよりも、仕事量、休憩、睡眠、相談先、職場環境を見直す必要があります。
研修現場では、気分転換で何とかしようとする社員がいます
タニカワ久美子の企業研修では、ストレス対処法を話し合うと、社員さんから次のような声が出ることがあります。
- 休日に寝れば何とかなると思っていました
- お酒を飲んで忘れるようにしていました
- 動画を見続けて気をまぎらわせていました
- 自分なりにストレス解消しているつもりでした
ある研修では、中堅社員の方が「ストレス解消はしているつもりなのに、月曜日の朝になるとまた体が重い」と話しました。
話を聞くと、仕事量が多いだけでなく、上司に相談する前に自分で抱え込み、休みの日も頭の中で仕事を続けている状態でした。
このときタニカワ久美子が伝えるのは、「もっと前向きに考えましょう」ではありません。
まず、気分転換で本当に回復しているのか、それとも疲れを先送りしているのかを見分けることです。
心が少し軽くなっても、身体が回復していなければ、仕事ストレスは残ります。
人事総務・健康経営担当者にとっても、この視点は重要です。
社員が「自分なりにストレス解消しています」と言っていても、本当に回復できているとは限りません。
睡眠、休憩、仕事量、相談しやすさまで確認することで、職場として支援できる点が見えてきます。
職場側が見直したい仕事ストレス対策
仕事ストレスの解決法は、社員本人のセルフケアだけでは足りません。
職場側の見直しも必要です。
- 業務量が特定の社員に偏っていないか確認する
- 休憩を取りにくい空気がないか見る
- 管理職が部下の疲労サインに気づけているか確認する
- 相談窓口が使いやすく伝わっているか見直す
- ストレスチェック後の対応を形だけにしない
- 残業や休日対応が続いている部署を確認する
- 不調を本人の弱さや努力不足にしない
職場のストレス対策では、社員に「自分でストレスを解消してください」と求めるだけでは不十分です。
本人の気づきと、職場側の支援をつなげる必要があります。
管理職は、大丈夫かどうかより具体的な状態を聞きます
仕事ストレスを抱えている社員には、「大丈夫?」だけでは本音が出にくいことがあります。
社員は反射的に「大丈夫です」と答えてしまうからです。
管理職は、状態を具体的に聞く方が話しやすくなります。
- 最近、朝から疲れが残っていませんか
- 仕事の量が続きすぎていませんか
- 休憩は取れていますか
- 一人で抱えている仕事はありませんか
- 優先順位を一緒に整理しましょうか
- 相談しにくいことがあれば、状況だけでも聞かせてください
このような声かけは、社員を評価するためではありません。
不調が大きくなる前に、仕事ストレスの原因を一緒に見直すための入口です。
仕事ストレスは、休養・相談・業務量から見直します
仕事ストレスと向き合うとは、我慢することではありません。
自分の心と身体の反応を見て、今どのような負荷がかかっているのかを知ることです。
眠れていない。
集中できない。
肩に力が入っている。
休日も仕事が頭から離れない。
こうしたサインに気づくことで、早めに対処できます。
仕事ストレスの解決法は、心だけを変えることでも、身体だけを鍛えることでもありません。
休養、睡眠、食事、軽い運動、相談、業務量の見直しを組み合わせることです。
人事総務が確認したい職場の状態
人事総務・健康経営担当者は、個々の社員の努力だけでなく、職場全体の状態を見る必要があります。
- 高ストレス者が出ている部署に業務量の偏りはないか
- 残業が続いている社員に休憩と睡眠の時間があるか
- 管理職が部下の不調サインを見落としていないか
- 相談窓口が社員にとって使いやすいか
- ストレス対策がイベントで終わっていないか
- 社員が「疲れた」と言える空気があるか
仕事ストレスの解決は、個人の心がけだけでは進みません。
職場の仕組み、管理職の声かけ、相談しやすさを整えることで、社員の不調予防につながります。
医療的な対応が必要な場合
この記事は、仕事ストレスの解決法を、職場の健康管理の視点から書いたものです。
医学的な診断や治療を行うものではありません。
強い不眠、強い不安や落ち込み、出勤困難、食欲低下、涙が止まらない、仕事や日常生活に支障が出ている状態が続く場合は、自己判断せず、医療機関や専門職に相談してください。
職場では、管理職や人事担当者が診断をする必要はありません。
以前との違いに気づき、本人が相談しやすい状態を作り、必要な相談先につなぐことが重要です。
仕事ストレスは、心と身体の両方から整えます
仕事ストレスの解決法は、単なる気分転換ではありません。
心と身体に出ている反応を見ながら、働き方、休み方、相談の仕方を整えることです。
一時的に気分が楽になっても、眠れない、疲れが取れない、仕事量が多すぎる、相談できない状態が続けば、ストレスは蓄積します。
人事総務・健康経営担当者が見るべきなのは、社員がどのようにストレスを解消しているかだけではありません。
その方法が本当に回復につながっているか、職場側に見直せることがないかです。
職場のストレス対策を、個人のセルフケアだけで終わらせず、制度設計・役割分担・KPI運用までつなげる考え方は、
ストレス管理とは|人事・総務が進める制度設計・役割分担・KPI運用
で確認できます。
仕事ストレスを職場で支える研修をご検討のご担当者へ
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社員の仕事ストレスを本人任せにせず、心身の反応と職場環境の両面から見直したい場合は、研修内容をご確認ください。
文責:タニカワ久美子