ストレス疲労で作業手順が崩れる理由|タスクの解体とヒューマンエラー

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ストレス疲労で作業手順が崩れる理由|タスクの解体とヒューマンエラー

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ストレス疲労で作業手順が崩れる理由|タスクの解体とヒューマンエラー

忙しい日や疲れている日に、普段なら間違えない作業でミスが起きることがあります。

確認したつもりなのに抜けていた。いつも通り進めたはずなのに、途中の手順が飛んでいた。人事総務の担当者にも、現場からこのような報告が上がってくることはありませんか。

この背景には、ストレスや疲労によって、慣れた作業の流れが崩れる「タスクの解体」が関係している場合があります。

ストレスや疲労がたまると、慣れた作業でもミスが起きる

人は、何度も繰り返している作業を、毎回すべて意識して行っているわけではありません。

たとえば、機械の操作、伝票処理、確認作業、現金の受け渡し、パソコンでの入力作業などは、慣れてくると一定の流れで進められるようになります。

このような作業は、通常であればスムーズに進みます。しかし、疲労が強くなったり、急ぎの仕事が重なったり、緊張が高まったりすると、いつもは自然にできていた作業が、急にぎこちなくなることがあります。

その結果、確認の抜け、手順の飛ばし、不要な動作、やり直し、判断ミスが起こりやすくなります。

タスクの解体とは何か

タスクの解体とは、複数の手順で成り立つ作業が、ストレスや疲労によって途中で崩れてしまう状態です。

本来なら、順番通りに進むはずの作業が分断されます。必要な確認が抜けたり、すでに終わった動作をもう一度してしまったり、別の手順が混ざったりします。

これは、本人が仕事を軽く見ているから起きるとは限りません。むしろ、責任感を持って働いている人でも、疲労が重なったときには起こり得ます。

職場で見るべきなのは、「誰が悪かったか」だけではありません。どの時間帯に、どの作業で、どのように手順が崩れたのかを見ることが重要です。

操作ミスは、疲労によって大きくなることがある

操作レバーやスティックを使う作業では、慣れている人ほど、普段は細かな調整を自然に行っています。

しかし、疲れてくると、その自然な調整が崩れることがあります。必要以上に大きく操作してしまう。逆に、修正しなければならないずれに気づいても、そのまま進めてしまう。このようなことが起こります。

これは、飛行機の操縦や機械操作だけの話ではありません。職場の事務作業、介護現場での確認、工場での点検、医療・福祉現場での申し送りなどにも通じます。

慣れた作業ほど、「いつも通りできるはず」という思い込みが入ります。そのため、疲労による小さなずれに気づきにくくなるのです。

銀行窓口のミスに見るタスクの解体

たとえば、銀行窓口で現金を扱う業務を考えてみます。

ある顧客が「29万円のうち、28万円を1万円札で、残りの1万円を千円札でほしい」と依頼したとします。

通常なら、1万円札28枚と千円札10枚を渡せばよい場面です。しかし、疲労が強い状態では、依頼内容を理解していても、作業の途中で手順が混ざることがあります。

その結果、29万円を1万円札で用意したうえで、さらに1万円分の千円札を渡してしまうようなミスが起こります。

本人は、依頼内容をまったく理解していなかったわけではありません。問題は、理解した内容を、最後まで正しい作業手順として保てなかったことです。

これが、タスクの解体です。作業の一部が分かれ、別の手順と混ざり、結果として本来とは違う行動になってしまいます。

忙しい日ほど、タスクの解体は起こりやすい

タスクの解体は、次のような場面で起こりやすくなります。

  • 繁忙期で業務量が増えている
  • 人手不足で一人あたりの負担が増えている
  • 同じ作業を長時間続けている
  • ミスが許されない緊張感が続いている
  • 休憩が取りにくい状態になっている
  • 確認作業が多く、優先順位が見えにくい

このような職場では、社員が「気をつけている」のにミスをすることがあります。

人事総務・健康経営担当者が注意したいのは、本人の集中力だけに原因を求めないことです。業務量、休憩、確認方法、声かけ、管理職の見守り方まで含めて見る必要があります。

ストレスとヒューマンエラーは切り離して考えない

ストレスが強いとき、人は目の前の作業を終わらせることに意識が向きやすくなります。

その結果、確認の幅が狭くなり、周囲の変化に気づきにくくなります。普段なら気づける違和感を見逃し、いつもの流れだけで作業を進めてしまうことがあります。

ヒューマンエラーを防ぐには、「注意しましょう」と伝えるだけでは不十分です。疲労やストレスが高まったときでも、手順が崩れにくい職場の仕組みが必要です。

タニカワ久美子の企業研修で伝えていること

タニカワ久美子の企業研修では、業務ミスを「本人のうっかり」で終わらせないように伝えています。

研修現場では、「忙しい日は確認が雑になる」「慣れている作業ほど、確認したつもりになってしまう」「人手が足りない日は、声をかける余裕がなくなる」という声を聞くことがあります。

このような声は、社員の意識が低いという意味ではありません。むしろ、職場の負荷が高まり、正しい行動を取りにくくなっているサインです。

人事総務・健康経営担当者にとって大切なのは、ミスをした人を責めることではなく、同じミスが起こりやすい条件を見つけることです。

職場でできるタスクの解体対策

1. 確認項目を増やしすぎない

ミスが起きると、確認項目を増やしたくなります。しかし、確認項目が多すぎると、現場では何が本当に重要なのかが見えにくくなります。

大切なのは、事故や重大ミスにつながる確認を絞り、見やすく、使いやすくすることです。

2. 疲労が強い時間帯を把握する

ミスが多い時間帯や曜日には、理由があります。

終業前、昼食後、繁忙期、人員が少ない日、連続作業の後など、疲労が重なりやすい場面を確認してください。

そこに重要作業が集中している場合は、作業順、休憩、ダブルチェックの方法を見直す必要があります。

3. 一人で抱え込ませない

タスクの解体は、一人で急いで作業しているときに起こりやすくなります。

「少しでも迷ったら声をかける」「重要作業は一人で完結させない」「確認してもらうことを遠慮しない」という行動を、職場の標準にすることが大切です。

4. ミスの背景を職場全体で見る

エラーが起きたときに、本人の注意不足だけで終わらせると、再発防止につながりません。

どの作業が重なっていたのか。休憩は取れていたのか。確認しにくい手順になっていなかったか。声をかけにくい雰囲気はなかったか。

このように、ミスが起きた流れを職場全体で見ることが、次の事故防止につながります。

健康経営では、業務ミスを疲労と職場環境から見る

健康経営では、社員の健康状態だけでなく、働き方が業務ミスや安全行動にどう影響しているかを見ることが重要です。

タスクの解体は、社員の能力不足ではなく、疲労やストレス、業務量、確認しにくい手順が重なったときに起こりやすい現象です。

人事総務・健康経営担当者がこの視点を持つと、ヒューマンエラー対策は注意喚起だけで終わりません。休憩の取り方、作業手順、声かけ、管理職の支援まで含めた職場改善につながります。

労働安全衛生と健康経営の基本は、労働安全衛生とは何かのページでも紹介しています。

職場の業務ミスやヒューマンエラー対策を研修で見直したい方へ

けんこう総研では、ストレス、疲労、判断ミス、確認漏れを職場リスクとして捉えた企業向け研修を行っています。

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