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中強度の有酸素運動はストレスをどう調整するのか

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ストレス計測・行動変容|健康経営のKPI設計と研修効果測定

中強度の有酸素運動はストレスをどう調整するのか

中強度の有酸素運動は、ストレス反応をどう変えるのか

運動はストレス対策に役立つと言われます。
ただし、本記事で見るのは「運動をすればストレスがなくなる」という話ではありません。中強度の有酸素運動を行ったあと、心理的なストレスを受けたときに、身体がどう反応しやすくなるのかに絞って考えます。
「職場で運動を取り入れるなら、どこまで期待してよいのか」。人事総務・健康経営担当者が迷いやすい点を、実務で使いやすい形でお伝えします。

タニカワ久美子が企業研修で中強度運動とストレス反応について指導している様子

「運動がストレスに良い」だけでは職場施策にならない

健康経営の現場では、運動を取り入れたストレス対策に関心が高まっています。
ストレッチ、ウォーキング、軽い有酸素運動などは、比較的導入しやすい取り組みです。

しかし、人事総務の立場では、次のような疑問が出やすくなります。

  • どの程度の運動なら、職場で無理なくできるのか
  • 運動後に何が変われば、効果があったと言えるのか
  • 運動が苦手な社員には、どう配慮すればよいのか
  • 一回の運動で、どこまでストレス反応に影響するのか
  • 運動施策を、研修や健康経営の評価にどうつなげるのか

ここで大切なのは、運動を万能な解決策として扱わないことです。
運動はストレスを消すものではなく、身体がストレスに反応しすぎないように整えるきっかけとして見る必要があります。

中強度の有酸素運動とは何か

中強度の有酸素運動とは、強すぎる運動ではありません。
職場で考えるなら、息が少し弾むけれど会話はできる程度の運動をイメージすると扱いやすくなります。

たとえば、次のような運動です。

  • 少し速めのウォーキング
  • 軽いステップ運動
  • 短時間の有酸素運動
  • 大きな筋肉を使うリズム運動

ただし、職場で行う場合は、運動強度を一律に決めるのは避けるべきです。
同じ動きでも、年齢、体力、体調、運動習慣によって負担感は変わります。

人事総務が見るべきなのは、「全員に同じ運動をさせること」ではありません。
社員が無理なく参加でき、負担になりすぎない形にすることです。

運動中に心拍数や血圧が上がるのは自然な反応

中強度の有酸素運動を行うと、心拍数や血圧は一時的に上がります。
これは、身体が運動に対応している自然な反応です。

職場では、この点を誤解しないことが大切です。
運動中に心拍数が上がったからといって、それだけでストレスが悪化したとは言えません。

むしろ大切なのは、運動後に身体がどのように落ち着いていくかです。
一時的に身体を動かしたあと、呼吸や心拍が落ち着き、気持ちが切り替わる感覚を得られる人もいます。

見る場面 起こりやすい反応 職場での見方
運動中 心拍数や血圧が一時的に上がる 自然な身体反応として見る
運動直後 呼吸や心拍が少しずつ落ち着く 回復の様子を見る
その後にストレスを受けた場面 反応が過剰になりにくい可能性がある 運動の短期的な効果として見る

中強度運動のあと、ストレス反応がやわらぐ可能性がある

研究では、中強度の有酸素運動を行ったあとに心理的なストレスを受けた場合、ストレス反応が過剰になりにくい可能性が示されています。

ここでいうストレス反応には、次のようなものがあります。

  • 心拍数の変化
  • 血圧の変化
  • コルチゾールなどのストレスに関係する反応
  • 緊張感や不安感の変化

大切なのは、運動によってストレスがゼロになるわけではないという点です。
運動は、あとからストレスを受けたときに、身体が過剰に反応しすぎないように助ける可能性があります。

職場で言えば、運動は「嫌なことがなくなる方法」ではありません。
忙しさや責任がある中でも、身体が少し落ち着きを取り戻しやすくなるきっかけとして考える方が現実的です。

運動そのものがリラックスとは限らない

運動はリラックスに役立つことがあります。
しかし、運動そのものが必ずリラックスになるわけではありません。

特に、運動に苦手意識がある社員にとっては、次のような負担が生まれることがあります。

  • 人前で身体を動かすことが恥ずかしい
  • 周囲と同じ動きができないことが気になる
  • 体力に自信がなく、参加前から不安になる
  • 忙しい中で運動時間を取ること自体が負担になる

そのため、職場で運動施策を行う場合は、「運動は良いものだから全員が前向きに参加するはず」と考えないことが重要です。

社員にとって負担が少ない形にし、参加しない人が不利に見えない設計にする必要があります。

職場にそのまま当てはめるときの注意点

研究で示された結果を、職場にそのまま当てはめることはできません。
研究では条件をそろえて運動やストレス課題を行いますが、実際の職場はもっと複雑です。

職場では、次のような要因が重なります。

  • 業務量
  • 人間関係
  • 納期や成果責任
  • 勤務時間や休憩の取り方
  • 管理職との関係
  • 家庭や生活上の事情

そのため、「中強度運動をすれば誰でもストレスに強くなる」とは言えません。
運動の効果は、本人の状態や職場環境によって変わります。

人事総務が見るべきなのは、研究結果をそのまま職場に持ち込むことではありません。
自社の社員にとって、無理なく続けられる形かどうかです。

タニカワ久美子の企業研修で見ている現場の反応

タニカワ久美子の企業研修では、運動を「頑張るもの」として扱いません。
特にストレスが高い社員さんほど、運動の必要性は分かっていても、実際には動く余裕がないことがあります。

現場で見ていると、軽く身体を動かしたあとに「思ったより呼吸が浅かったことに気づいた」「肩に力が入っていた」と話す社員さんがいます。
こうした気づきは、運動量そのものよりも重要です。

研修では、強い運動を求めるのではなく、座ったままでもできる軽い動きや、呼吸、姿勢、筋肉の緊張に気づくワークを取り入れます。
人事総務の担当者からも、座学だけではなく、社員がその場で身体の変化を実感できる点を評価されています。

人事総務が運動施策で確認しておきたいこと

中強度の有酸素運動を職場に取り入れる場合、人事総務は実施前に次の点を確認しておく必要があります。

  • この運動は、ストレス軽減、気分転換、職場活性化のどれを目的にするのか
  • 運動強度は、社員にとって無理のない範囲か
  • 参加しない社員が不利に見えない設計になっているか
  • 運動後に、本人の感じ方を確認する機会があるか
  • 運動だけに任せず、研修や職場改善と組み合わせているか
  • 実施後に、何を見て変化を確認するのか

この確認がないまま始めると、運動施策は「やって終わり」になりやすくなります。
また、運動が苦手な社員にとっては、健康経営施策そのものが負担になる可能性もあります。

運動施策の効果を見るときの注意点

運動施策の効果を見るときは、単に「参加したかどうか」だけでは不十分です。
次のような情報を合わせて見ることで、職場での変化を確認しやすくなります。

  • 運動後に気分が切り替わったか
  • 呼吸や身体の緊張に気づけたか
  • 休憩やセルフケアへの意識が変わったか
  • 職場で短時間の運動を取り入れやすくなったか
  • 管理職が声をかけやすくなったか

心拍数や血圧などのデータを見る場合も、数値だけで効果を決めるのは避けるべきです。
本人の実感、職場での続けやすさ、管理職の関わり方と合わせて見る必要があります。

健康経営施策としての結論

中強度の有酸素運動は、その後のストレス反応をやわらげる可能性があります。
ただし、運動をすれば誰でも同じようにストレスに強くなるわけではありません。

人事総務が見るべきなのは、次の3点です。

  • 運動が社員にとって負担になりすぎていないか
  • 運動後に、身体や気分の変化に気づけているか
  • 運動を、研修や職場改善と組み合わせているか

運動は、ストレス管理の一部として役立つ可能性があります。
しかし、単独で職場のストレス課題を解決するものではありません。

この見方を持つことで、運動施策は「体を動かして終わり」ではなく、社員が自分の状態に気づき、職場として支援を考えるきっかけになります。

健康経営の研修や施策を、実施後の効果測定まで含めて設計したい企業担当者は、以下のページをご覧ください。

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