健康経営の効果分析|成果を社内説明に使う方法

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健康経営の効果分析|成果を社内説明に使う方法

健康経営カテゴリーの中で、本記事は「健康経営の効果分析」に焦点を当てます。

同じ健康経営でも、本記事は制度の説明や認定申請の書き方ではなく、すでに行っている取り組みを、社内で説明できる成果に変える視点を扱います。

人事総務・健康経営担当者は、健診、ストレスチェック、研修、受動喫煙対策、運動施策などを進めたあとに、「何が変わったのか」「続ける意味はあるのか」「次に何を変えればよいのか」を聞かれることがあります。

この記事では、健康経営をやりっぱなしにせず、経営層や現場に説明しやすい形に変えるための見方を紹介します。

健康経営の効果分析で職場の変化を確認する従業員

健康経営は、実施後に説明できて初めて次につながる

健康経営に取り組む企業は増えています。

一方で、人事総務・健康経営担当者からは、次のような悩みを聞くことがあります。

  • 何をどこまでやれば成果と言えるのか分からない
  • 経営層に効果をどう説明すればよいか迷う
  • 研修や施策は行っているが、次の改善につながっていない
  • 健康経営優良法人の申請に向けて、何を示せばよいか分からない
  • 社員に「会社は何を見ているのか」と聞かれたときに説明しにくい

健康経営は、取り組みを増やすだけでは成果が見えにくくなります。

大切なのは、実施したあとに、何が変わったのかを確認できる状態にしておくことです。

健康経営の効果分析は、施策の良し悪しを判定するためではなく、次に何を続け、何を変えるかを決めるために行います。

「やったかどうか」だけでは、経営層への説明も、社員への報告も弱くなります。

「実施した結果、何が見えたのか」「次に何を変えるのか」まで言える状態にすることで、健康経営は継続しやすくなります。


効果分析で見たいのは、数字だけではなく判断材料である

健康経営の効果分析というと、数値を集めることだけを想像しがちです。

もちろん、数値は必要です。

ただし、数字を集めても、次の判断に使えなければ意味がありません。

人事総務が見たいのは、次のような判断材料です。

  • この施策は続けるべきか
  • 対象者を変えるべきか
  • 内容を見直すべきか
  • 管理職への共有が必要か
  • 社員への説明を変える必要があるか
  • 次年度の健康経営計画に残すべきか

健康経営のデータは、集めることが目的ではありません。

社内で次の一手を決めるために使います。

そのため、効果分析では、数値そのものよりも「その数値を見て、会社が何を判断するのか」を先に決めておく必要があります。


健康経営の効果分析で確認したい5つの視点

健康経営の取り組みを確認するときは、すべてを一度に見ようとすると、かえって分かりにくくなります。

人事総務が社内説明に使いやすい形にするには、次の5つに分けて確認します。

1. 実施状況

まず確認するのは、施策が予定どおり行われたかです。

  • 研修を実施したか
  • 対象者が参加したか
  • ストレスチェックを実施したか
  • 健診の受診状況を確認したか
  • 受動喫煙対策を周知したか

ただし、実施状況だけで成果とは言えません。

「行った」という記録は、次の確認に進むための入口です。

2. 参加状況

次に見るのは、必要な人に届いたかです。

  • 参加率
  • 受診率
  • 受検率
  • 部署ごとの参加状況
  • 管理職と一般社員の参加差

参加状況を見ると、施策が一部の社員だけに偏っていないかを確認できます。

健康経営は、関心の高い社員だけが参加して終わると、会社全体の取り組みになりにくくなります。

3. 理解度

研修や説明会を行った場合は、社員が内容を理解したかを見る必要があります。

  • 研修後アンケートの理解度
  • 自由記述の内容
  • 質問の傾向
  • 管理職が部下に説明できるか
  • 社員が自分の仕事に置き換えられているか

理解度を見ることで、説明が専門的すぎなかったか、現場で使える内容になっていたかを確認できます。

数字だけでなく、社員の感想や質問も重要な手がかりになります。

4. 行動の変化

健康経営では、研修や施策を行ったあとに、行動が少しでも変わったかを見る必要があります。

  • 管理職が声をかけやすくなったか
  • 社員が相談しやすくなったか
  • 疲労やストレスのサインを早めに伝えられるようになったか
  • 休憩や睡眠を見直す社員が増えたか
  • 職場内で健康の話題を出しやすくなったか

行動の変化は、すぐに大きく出るとは限りません。

それでも、研修後アンケートや管理職への聞き取りから、小さな変化を拾うことはできます。

健康経営では、この小さな変化を見逃さないことが大切です。

5. 次年度への反映

最後に確認したいのは、効果分析の結果を次年度にどう活かすかです。

  • 続ける施策
  • 内容を変える施策
  • 対象者を変える施策
  • 一度止める施策
  • 新しく加える施策

健康経営の効果分析は、報告書を作るためだけのものではありません。

翌年度の健康経営計画を、会社の実態に合う形へ近づけるために使います。


効果分析で使いやすいKPIの例

健康経営の効果分析では、会社の状況に合わせてKPIを選びます。

すべてを追う必要はありません。

自社の課題に合うものを選び、継続して見られる形にすることが重要です。

見る視点 確認しやすいKPI 社内説明で使う見方
実施状況 実施回数、対象部署、実施時期 計画どおりに行えたかを確認する
参加状況 参加率、受診率、受検率 必要な社員に届いているかを見る
理解度 研修後アンケート、理解度、自由記述 社員が内容を自分の仕事に置き換えられているかを見る
行動の変化 相談件数、声かけ実施、セルフケア行動、面談件数 職場で小さな行動変化が出ているかを見る
組織の傾向 高ストレス者割合、集団分析、休職傾向、残業傾向 個人を責めず、職場の負担がどこに出ているかを見る
次年度施策 継続施策、見直し施策、新規施策 次に何を続け、何を変えるかを決める

KPIは、多ければよいわけではありません。

人事総務が社内で説明しやすく、経営層が次の判断に使える数値に絞ることが重要です。


健康経営の効果分析で失敗しやすいパターン

健康経営の効果分析では、よくある失敗があります。

特に注意したいのは、次の3つです。

1. 実施回数だけで成果を語ってしまう

「研修を3回実施した」「参加者が多かった」という記録は大切です。

しかし、それだけでは成果の説明としては弱くなります。

社内説明では、実施後に何が見えたのかまで伝える必要があります。

  • 参加者は何を理解したのか
  • どの部署で反応が高かったのか
  • 管理職にどんな質問が多かったのか
  • 次回は何を変えるのか

実施回数は入口であり、効果分析の中心ではありません。

2. 個人の健康数値を追いすぎる

体重、血圧、喫煙状況、ストレス状態などは、社員にとって非常に慎重に扱うべき情報です。

健康経営で個人の数値ばかりを追うと、社員が「会社に管理されている」と感じることがあります。

効果分析では、個人を評価するのではなく、組織全体の傾向を見ることが基本です。

健康経営のデータは、社員を比べるためではなく、職場の負担を見つけ、働きやすい環境に近づけるために使います。

3. 分析結果を次の行動につなげない

分析しても、次に何をするかが決まらなければ、担当者の負担だけが増えます。

効果分析のあとには、必ず次の判断を置きます。

  • この施策は続ける
  • この施策は対象者を変える
  • この施策は説明方法を変える
  • この施策は一度止める
  • この施策は専門家に相談する

分析結果を見たあとに何を決めるのかまで考えておくことで、健康経営は担当者だけの作業になりにくくなります。


タニカワ久美子の企業研修で見てきた効果分析の課題

タニカワ久美子の企業研修では、研修後に人事総務の担当者から「アンケートは取ったけれど、次にどう使えばよいか分からない」という相談を受けることがあります。

社員の満足度が高くても、それだけでは次年度の健康経営計画にはつなげにくい場合があります。

たとえば、ストレス管理研修後の自由記述に「自分の疲れに気づけた」「部下への声かけを見直したい」「睡眠の大切さが分かった」といった声が出ていれば、それは次の施策を考える手がかりになります。

一方で、「内容はよかった」で止まってしまうと、経営層への説明では弱くなります。

研修では、参加者の感想を単なる満足度として扱わず、管理職の声かけ、社員のセルフケア、相談しやすさ、職場の負担感などに分けて確認します。

人事総務の担当者からも、研修後アンケートを次年度施策に活かしやすくなる点を評価されています。


効果分析の確認表

健康経営の効果を社内で説明する前に、次の点を確認します。

確認項目 確認する問い
目的 この取り組みは、何を変えるために行ったのか
対象 必要な社員や部署に届いているか
実施状況 予定どおりに行えたか
参加状況 参加率、受診率、受検率に偏りはないか
理解度 社員は内容を自分の仕事に置き換えられているか
行動変化 声かけ、相談、セルフケアなどの変化が見えているか
個人情報 健康情報を、誰が見て、何には使わないか説明できるか
次年度反映 続けること、変えること、止めることが決まっているか

この表に答えにくい項目がある場合、健康経営の取り組みを報告する前に、社内で確認する内容を見直す必要があります。

特に、個人情報の扱いと、分析結果を何に使うのかは、社員の信頼に関わります。


読後に確認してほしい問い

本記事を読んだあと、社内で次の問いを一つだけ確認してください。

今年行った健康経営の取り組みについて、「何が変わったのか」と「次に何を変えるのか」を説明できるでしょうか。

この問いに答えられるなら、健康経営は実施記録ではなく、次の判断に使える材料になります。

逆に、この問いに答えられない場合、施策そのものよりも、効果の見方と社内説明の作り方を先に見直す必要があります。


まとめ:健康経営の効果分析は、次の判断を決めるために行う

健康経営は、施策を実施して終わりではありません。

実施後に、何が変わったのか、何が変わらなかったのか、次に何を変えるのかを確認してこそ、継続しやすくなります。

効果分析では、実施回数だけでなく、参加状況、理解度、行動の変化、組織の傾向、次年度への反映を見ます。

また、健康情報は個人を評価するためではなく、会社全体の傾向を見て、職場をより働きやすくするために使います。

健康経営の効果を社内で説明できるようになると、経営層への報告、社員への説明、健康経営優良法人の申請準備、次年度計画の見直しが進めやすくなります。

けんこう総研では、ストレスチェック、社員向けストレス管理研修、管理職研修、研修後アンケート、次年度施策の見直しを、健康経営の効果分析とつなげて支援しています。

健康経営の取り組みを、社内で説明できる成果に変えたい場合は、健康経営フォローアップをご活用ください。

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