健康経営
健康診断の有所見率を下げる|未病段階からの健康経営
健康診断の有所見率を下げたい企業では、健診を受けるだけで終わらせないことが重要です。
人事総務・健康経営担当者からは、「健診は毎年実施しているのに、数値がなかなか改善しない」「受診勧奨をしても、社員が医療機関へ行かない」「生活習慣の改善につながらない」という相談を受けることがあります。
この記事では、健康診断の有所見率を、未病段階の行動変容研修で下げる健康経営の考え方を扱います。
同じ健康診断でも、本記事は健診制度や受診勧奨だけの説明ではありません。健診結果を見て終わらせず、社員の行動と職場フォローにつなげるための内容です。
健康診断は、受けるだけでは有所見率の改善につながりにくい
健康診断は、社員の健康状態を確認する大切な機会です。
しかし、健診を受けるだけでは有所見率は下がりません。
血圧、血糖値、脂質、肝機能などの数値に気になる点があっても、多くの社員はすぐに行動を変えられません。
- 自覚症状がない
- 仕事が忙しく、受診を後回しにする
- 数値の意味がよく分からない
- 生活を変える必要性を実感できない
- 何から始めればよいか分からない
この状態では、健診結果は確認されても、生活習慣や働き方の見直しにはつながりにくくなります。
健康経営で大切なのは、健診結果を社員の行動に変えることです。
有所見率の改善は、健康経営の重要なKPIになる
健康診断の有所見率は、社員の健康状態を考えるうえで重要な指標です。
有所見率が高い状態が続くと、将来的な生活習慣病、休職、業務パフォーマンス低下につながる可能性があります。
特に働き盛りの社員が体調を崩すと、本人だけでなく、職場にも影響が出ます。
- 重要な担当者が急に休む
- 周囲の社員に業務負担がかかる
- 管理職の調整業務が増える
- 医療費や保険料の負担が増える
- 人材定着にも影響する
有所見率の改善は、単なる福利厚生ではありません。社員が働き続けるための健康経営KPIとして見る必要があります。
未病段階で行動を変えることが重要になる
有所見率を下げるには、病気になってから対応するのでは遅いことがあります。
重要なのは、未病段階で行動を変えることです。
未病段階とは、まだ大きな症状は出ていないけれど、健診数値や生活習慣に注意が必要な状態です。
この段階では、本人に危機感が生まれにくくなります。
- 少し血圧が高いだけだと思っている
- 血糖値が高めでも、まだ大丈夫だと考える
- 脂質異常を指摘されても、生活に困っていない
- 肝機能の数値を見ても、何を変えればよいか分からない
だからこそ、人事総務・健康経営担当者は、健診結果を「注意してください」で終わらせない工夫が必要です。
社員が自分の数値を理解し、今日からできる小さな行動に変えられるようにすることが、健康経営での未病対策になります。
受診勧奨だけでは行動が変わらない理由
健康診断後に受診勧奨を行っても、社員がすぐに医療機関へ行くとは限りません。
理由は単純です。症状がない段階では、本人が緊急性を感じにくいからです。
- 忙しくて受診の時間が取れない
- 仕事を休みにくい
- 再検査の必要性を実感していない
- 医療機関に行くことへの心理的な抵抗がある
- 数値の悪化が将来何につながるか分からない
受診勧奨は必要です。
しかし、紙やメールで案内するだけでは、社員の行動は変わりにくいことがあります。
健康経営では、受診勧奨とあわせて、なぜ今行動する必要があるのかを社員が理解できるようにすることが大切です。
健康診断の数値を、社員が自分の生活に置き換えられるようにする
健診結果の数値は、社員にとって分かりにくいことがあります。
数値の意味が分からないままでは、行動にはつながりません。
たとえば、血圧、血糖値、脂質、肝機能の数値は、日々の生活と関係しています。
- 食事の内容
- 睡眠時間
- 運動不足
- 飲酒習慣
- ストレス
- 休憩の取り方
健康経営研修では、これらを専門的に説明しすぎるのではなく、社員が自分の生活に置き換えられる言葉で伝える必要があります。
「数値が悪いから改善してください」ではなく、「この数値は、毎日の食事や睡眠、ストレスの積み重ねと関係しています」と伝えることで、行動の入口が見えやすくなります。
血圧対策は、健康経営で取り組みやすい入口になる
生活習慣病対策には多くの切り口があります。
その中でも、企業で取り組みやすい入口の一つが血圧対策です。
- 測定しやすい
- 社員が数値を理解しやすい
- 生活習慣との関係を説明しやすい
- 運動、食事、睡眠、ストレスとつなげやすい
- 職場での健康教育に使いやすい
血圧を切り口にすると、健康診断の数値と日常生活をつなげやすくなります。
ただし、血圧だけを単独で扱うのではなく、食事、運動、睡眠、ストレスをあわせて見ることが重要です。
有所見率を下げる研修で扱いたい内容
健康診断の有所見率を下げる研修では、知識を伝えるだけでは不十分です。
社員が「今日から何を変えればよいか」を持ち帰れる内容にする必要があります。
- 健診結果の見方
- 血圧・血糖値・脂質・肝機能と生活習慣の関係
- 未病段階で行動する意味
- 忙しい社員でも始められる小さな行動
- 再検査や受診勧奨を後回しにしない考え方
- ストレスと生活習慣の関係
- 職場で継続しやすい健康行動
研修の目的は、社員を怖がらせることではありません。
自分の数値を理解し、無理なく改善行動を始められるようにすることです。
タニカワ久美子の企業研修で見てきたこと
タニカワ久美子の企業研修では、健康診断で有所見率を下げたいという相談を多く受けてきました。
多くの企業では、健診はきちんと実施されています。再検査の案内も出されています。それでも、社員の行動が変わらないことがあります。
特に多いのは、「症状がないから大丈夫」と考えてしまう社員さんです。血圧や血糖値が高めでも、日常生活に支障がないため、受診や生活改善を後回しにしてしまいます。
研修では、社員に「健診結果は叱られるためのものではありません。今の生活を少し見直すための手がかりです」と伝えます。
人事総務担当者には、「有所見率を下げるには、数値を見せるだけではなく、社員が自分の毎日に置き換えられる言葉にすることが大切です」と話します。
健康診断を健康経営に活かすには、健診後の行動まで支える必要があります。
人事総務・健康経営担当者が確認したいポイント
健康診断の有所見率を下げるために、人事総務・健康経営担当者は次の点を確認してください。
- 健診結果を社員が理解できる言葉で説明しているか
- 再検査や受診勧奨の重要性が伝わっているか
- 未病段階で行動する意味を共有しているか
- 社員が始めやすい小さな健康行動を提示しているか
- 血圧、食事、運動、睡眠、ストレスをつなげて扱っているか
- 研修後に行動変化を見る仕組みがあるか
- 有所見率を健康経営KPIとして継続的に見ているか
これらを確認することで、健康診断は「受けて終わり」ではなく、健康経営の改善につながる取り組みになります。
健康診断を健康経営KPIとして使う考え方
健康診断の結果は、健康経営のKPIとして使えます。
ただし、単に有所見率だけを見るのではなく、その後の行動も一緒に見ることが重要です。
- 有所見率の推移
- 再検査・精密検査の受診率
- 保健指導の実施状況
- 健康研修の参加率
- 研修後の行動目標の実施状況
- 血圧測定や運動習慣などの継続状況
数字だけを見て「良い」「悪い」と判断するのではなく、社員が行動を変えやすい環境になっているかを見ることが大切です。
KPIは、担当者を責めるためのものではありません。次にどこを見直すかを決めるために使います。
健診結果を職場の行動につなげる
有所見率を下げるには、個人任せにしないことが重要です。
もちろん、生活習慣の改善は社員本人の行動が必要です。
しかし、職場の働き方が改善行動を妨げている場合もあります。
- 休憩が取りにくい
- 昼食が不規則になりやすい
- 残業が多く、睡眠時間が削られる
- ストレスが高く、飲酒や過食につながる
- 運動する時間を確保しにくい
このような状態では、社員に「生活習慣を改善してください」と伝えるだけでは限界があります。
健康経営では、健診結果を個人の問題だけにせず、職場の働き方ともつなげて見る必要があります。
まとめ:有所見率を下げるには、健診後の行動変容が必要
健康診断は、受けるだけでは有所見率の改善につながりにくいものです。
有所見率を下げるには、未病段階で社員が自分の数値に気づき、生活習慣や働き方を少しずつ見直せるようにする必要があります。
受診勧奨は重要ですが、それだけでは行動が変わらないこともあります。
人事総務・健康経営担当者は、健診結果を社員が理解しやすい言葉に変え、研修や職場フォローを通じて行動につなげることが大切です。
有所見率を健康経営KPIとして見ながら、再検査受診率、保健指導、研修後の行動変化もあわせて確認することで、健康診断は経営に活かせる取り組みになります。
健康診断の有所見率を下げたい、健診後の行動変容につなげたい企業担当者へ。
けんこう総研では、健診結果を見て終わらせず、社員が未病段階から行動を変えられる健康経営研修を行っています。
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