デスクワーカーの運動習慣と心拍数|健康支援で見る個人差

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デスクワーカーの健康支援

デスクワーカーの運動習慣と心拍数|健康支援で見る個人差

長時間座って仕事をするデスクワーカーでは、同じように軽い運動をしても、心拍数の上がり方や回復の仕方に違いが出ることがあります。体力、運動習慣、不安の感じやすさ、日ごろのストレス状態が重なるためです。

このデスクワーカーの健康支援カテゴリーでは、軽い運動を行ったときの心拍数変化から、職場の健康支援で見落としやすい個人差を見ていきます。同じデスクワーカー対策でも、本記事は椅子や姿勢の話ではなく、運動習慣と心拍数反応の違いに注目します。人事総務・健康経営担当者が、社員向けの運動施策やストレス管理研修を一律にしすぎないための視点として活用してください。

長時間座って働くデスクワーカーのオフィス風景

長時間座る仕事では、運動習慣やストレス状態によって心拍数の反応に違いが出ることがあります

デスクワーカーの健康支援で心拍数を見る理由

デスクワーカーの健康支援では、肩こり、腰痛、運動不足、集中力の低下などがよく課題になります。これらは目に見えやすい不調ですが、体の中では心拍数や自律神経の働きにも変化が起きています。

心拍数は、運動したときだけでなく、緊張したとき、疲れているとき、不安を感じているときにも変わります。そのため、軽い運動をしたときの心拍数の上がり方や戻り方を見ると、社員の体力やストレス反応の違いを考える手がかりになります。

ただし、心拍数だけでメンタルヘルスの状態を判断することはできません。重要なのは、数値を単独で見るのではなく、運動習慣、不安の感じやすさ、仕事中の座りっぱなし、疲労感などと合わせて見ることです。

本研究で見たこと

本研究は、デスクワーカーを対象に、運動習慣と顕在性不安レベルが心拍数の変化にどのように関わるかを見た予備的研究です。職場で取り入れやすい軽度から中程度の身体活動を行い、その間と運動後の心拍数変化を確認しました。

研究の目的は、運動や不安によって起こる心拍数反応の個人差を把握し、職場での健康支援やストレス管理研修に活かせる視点を得ることです。

参加者はデスクワーカー10名です。1時間の運動セッションを行い、運動中と運動後の心拍数を連続して測定しました。対象者数が少ないため、この結果だけで一般化はできません。しかし、職場で健康支援を考えるうえで重要な示唆が得られました。

同じ運動でも心拍数の反応は人によって違う

本研究では、同じ運動を行っても、参加者によって心拍数の反応に違いが見られました。運動中に心拍数が大きく上がり、その後ゆっくり戻る人もいれば、心拍数の変化が比較的穏やかな人もいました。

この違いには、基礎体力、運動習慣、自律神経の働き、ストレスの感じやすさなどが関係している可能性があります。つまり、同じ運動メニューであっても、社員全員に同じ負荷として伝わるわけではありません。

人事総務・健康経営担当者が注意したいのは、「軽い運動だから誰にとっても負担が少ない」と決めつけないことです。ふだん運動習慣がない社員にとっては、短時間の運動でも心拍数が上がりやすく、疲労感につながる場合があります。

不安が高い人ほど心拍数が大きく上がるとは限らない

顕在性不安レベルが高い参加者では、運動時の心拍数反応に一貫した傾向は見られませんでした。心拍数が大きく上がる人もいれば、変化が小さい人もいました。

この結果から、不安が高い人は必ず心拍数も強く反応する、と単純には言えないことがわかります。不安の感じやすさ、職場での緊張、日ごろの疲労、睡眠、体力、運動への慣れなどが重なり、その人特有の反応として現れる可能性があります。

職場の健康支援では、「ストレスが高い人にはこの運動」「不安が強い人にはこの対策」と一つに決めるよりも、本人の状態を確認しながら負荷を調整する視点が必要です。

性別による違いは見られたが、性別だけで判断しない

本研究では、男性参加者の方が運動中に心拍数の上昇が大きい傾向が見られました。一方、女性参加者では比較的穏やかな心拍数反応が見られました。

この結果は、性別によって心拍数反応に違いが出る可能性を示しています。ただし、参加者数が少ないため、性別だけで結論を出すことはできません。体力、年齢、運動習慣、睡眠、仕事内容、ストレス状態なども合わせて見る必要があります。

健康経営の施策では、「男性向け」「女性向け」と大きく分けるだけでは不十分です。性別を参考情報の一つとして扱いながら、実際には社員一人ひとりの体力差や働き方の違いを見ていく必要があります。

研究結果から見える健康支援の注意点

今回の予備的研究から、デスクワーカーの運動支援では、同じメニューを全員に同じ強さで実施することに限界があると考えられます。特に、長時間座る仕事が中心の職場では、身体活動への慣れに大きな差があります。

見えたこと 職場の健康支援での見方
同じ運動でも心拍数反応に差が出る 全員同じ負荷ではなく、体力差を考慮する
不安が高くても反応は一様ではない 不安度だけで判断せず、疲労感や運動習慣も見る
性別による傾向が見られる可能性がある 性別だけで決めず、個人差を前提にする
対象者数が少ない予備的研究である 断定せず、職場支援の仮説として活用する

職場で運動施策を行う場合、参加者全員に同じ回数、同じ時間、同じ強度を求めると、かえって負担になる社員が出ることがあります。運動が苦手な社員、疲労が強い社員、不安を感じやすい社員には、短時間で安全に取り組める内容から始めることが大切です。

タニカワ久美子の企業研修で伝えていること

タニカワ久美子の企業研修では、デスクワーカーの運動不足を「本人のやる気不足」として扱いません。研修現場では、長時間座っている社員さんほど、軽い体操でも心拍が上がりやすかったり、肩や腰の重さを強く感じたりする場面を見てきました。

そのため、研修では「運動しましょう」と一方的に伝えるのではなく、座りっぱなしの時間をどう切るか、会議前にどの程度体を動かすか、疲れている社員にも無理なくできる動きは何かを具体的に扱います。

人事総務の担当者からも、座学だけではなく、全員で実際にできる軽い運動がある点を評価されています。社員が「これなら職場でできそう」と感じることが、健康支援を継続させるうえで重要です。

人事総務担当者が実務で確認したいこと

デスクワーカー向けの健康支援を行うときは、運動メニューを作る前に、次の点を確認しておくと実施後の負担感を減らしやすくなります。

  • 長時間座り続ける部署や職種がどこにあるか
  • 社員の運動習慣に大きな差がないか
  • 運動が苦手な社員でも参加しやすい内容か
  • 息が上がりすぎない強度になっているか
  • 疲労感や不安感が強い社員への配慮があるか
  • 実施後に「きつかった」「続けにくい」という声を拾えるか

健康経営では、施策を実施した事実だけではなく、社員が無理なく続けられるかが重要です。短時間のストレッチや軽い体操でも、実施する時間帯、声かけの仕方、参加しやすさによって受け止められ方は変わります。

デスクワーカーの健康支援は個人差を前提にする

デスクワーカーの健康支援では、長時間着座を減らし、身体活動を増やすことが大切です。ただし、同じ運動でも心拍数の反応や疲れ方は人によって違います。

今回の予備的研究では、運動習慣、不安の感じやすさ、性別、基礎体力などが心拍数反応に関わる可能性が示されました。対象者数が少ないため断定はできませんが、職場の運動支援を一律に設計しないための重要な手がかりになります。

人事総務・健康経営担当者は、社員に同じ運動を求めるだけでなく、体力差や不安感、疲労感を見ながら、参加しやすい形に調整する必要があります。デスクワーカーの健康支援は、強い運動を増やすことよりも、働く時間の中で無理なく体を動かせる仕組みを作ることから始まります。

デスクワーカーの運動不足対策や、長時間着座による心身の負担を健康経営の施策として見直したい企業様へ。
けんこう総研では、ストレス管理・身体活動・職場の健康支援を組み合わせた企業研修を行っています。

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