-
ストレスでネガティブ反応が強くなる理由と職場対応
このストレス管理カテゴリーでは、職場で起こるストレス反応を、社員本人の性格や気合いの問題にせず、心身の負荷と働き方の関係から整理します。 同じストレス管理でも、本記事は前向き思考のすすめではなく、ストレスが続いたときにネガティブな反応が強く見える理由に焦点を当てています。 人事総務・健康経営担当者の方が、社員の「怒りっぽい」「悪い方に考える」「反応が強い」という変化を、本人任せにせず、業務量、睡眠……
-
イェルクス・ドッドソンの法則|職場の適度な緊張をどう判断するか
イェルクス・ドッドソンの法則とは、緊張や覚醒の程度と課題遂行との関係を考えるときに広く使われている心理学の考え方です。 緊張が低すぎても高すぎても力を発揮しにくく、仕事の難しさや本人の状態に応じた範囲では、集中や準備行動が起こりやすくなるという「逆U字型」の関係として知られています。 ただし、職場でこの法則を使う目的は、社員へ「もっとプレッシャーを与えること」ではありません。 現在の負荷が、準備・……
-
つらい経験を前向き化で片づけない職場支援|意味焦点型対処
失敗やクレーム対応のあと、管理職が「いい経験になったね」と声をかけることがあります。 励ましたい気持ちから出る言葉です。 けれども、本人がまだ強く落ち込んでいる段階では、その言葉が「つらさをわかってもらえなかった」と受け取られることがあります。 職場で難しいのは、ここです。 つらい経験を、無理に前向きな話へ変えないこと。感情を置き去りにしないこと。そのうえで、次に何を整えるかを一緒に考えること。 ……
-
社員に合う対処法を選べる職場研修へ|ラザルス ストレス対処法
社員向け研修で、ストレス対処法を一覧で伝えることがあります。 深呼吸をする。相談する。業務量を整理する。気持ちを書き出す。考え方を見直す。 どれも大切な対処です。 けれども、職場で難しいのは「どの対処法を知っているか」ではありません。 今の社員に必要なのは、感情を落ち着けることなのか。業務量や期限を見直すことなのか。相談先や職場支援につなげることなのか。 この順番を見誤ると、ストレス対処法は社員本……
-
セリエとラザルスの違い|ストレス理論と職場での活かし方
セリエとラザルスは、どちらもストレス研究を理解するうえで重要な人物です。 ただし、2人が説明したのは同じストレス現象ではありません。 セリエは、負荷を受けたときに身体がどのように反応し、回復できない状態ではどのように消耗していくかを捉えました。 一方、ラザルスは、同じ出来事でも本人がどう評価し、自分には対処できると感じられるかによってストレス反応が変わることを示しました。 この違いを職場で理解する……
-
脳へのストレスに影響を及ぼす有酸素運動の効果
有酸素運動は、脳の健康や認知機能を支える方法として研究されています。 ただし、「運動すれば脳がよくなる」と単純に言い切ることはできません。 近年の研究では、有酸素運動が脳に与える影響を、ストレスに関わる体の仕組みから説明できるのではないか、という仮説が検討されています。 その中心になるのが、HPA軸、自律神経系、コルチゾール、唾液αアミラーゼなどのストレス経路です。 本記事では、有酸素運動と脳の健……
ストレス科学を職場研修に変える研究ノート
このカテゴリーは、ストレス科学の用語を学ぶための解説集ではありません。
企業・教育機関・介護福祉施設でストレス管理研修を企画する人事総務・健康経営担当者が、研究知見を職場支援・管理職研修・社員研修へどう変換するかを判断するための研究ノートです。
ストレス反応、疲労、自律神経、認知評価、セルフケア、運動、睡眠などの知識は、社員へそのまま説明しても職場改善にはつながりません。研修現場では、知識を伝える前に「どの負荷を減らし、どの負荷を支え、どの場面で管理職の声かけを変えるか」という設計が必要になります。
ここでは、タニカワ久美子が研修現場で見てきた社員の反応、人事総務の判断基準、管理職が迷いやすい声かけ、社内導入で止まりやすいポイントをもとに、ストレス科学を研修依頼前の判断材料として整理しています。