燃え尽き症候群を招くストレス|報われない努力と合わない対策

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燃え尽き症候群を招くストレス|報われない努力と合わない対策

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燃え尽き症候群を招くストレス|報われない努力と合わない対策

ストレス対策として良い方法でも、社員本人に合っていなければ、かえって負担になることがあります。

たとえば、運動が苦手な社員に「ストレスには運動がよいので、毎日続けましょう」と伝えても、本人にとっては新しい課題が増えたように感じられることがあります。

燃え尽き症候群を招くストレスは、単なる忙しさだけではありません。努力しても報われない状態、自分の感情を抑え続ける状態、そして自分に合わない対策を無理に続ける状態が重なると、心の消耗は深くなります。

この記事では、燃え尽き症候群に近づきやすいストレスを、報われない努力合わないストレス対策の視点から見ていきます。

燃え尽き症候群を招くストレスと職場のメンタルヘルス研修

燃え尽き症候群を防ぐには、本人に合ったストレス対策を選ぶことが重要です

燃え尽き症候群を招くストレスとは

燃え尽き症候群は、強いストレスが長く続いた結果、心のエネルギーが消耗してしまう状態です。

ただし、燃え尽き症候群を招くストレスは、単に「仕事が多い」「忙しい」というだけではありません。職場で問題になりやすいのは、次のような状態です。

燃え尽きにつながりやすい状態 心に起こること
努力しているのに成果が見えない 自分の頑張りに意味がないように感じる
相手の期待に応え続けている 自分の気持ちを後回しにしやすい
評価や感謝が少ない 報われなさが積み重なる
休んでも疲れが抜けない 心身の回復が追いつかなくなる
自分に合わない対策を続けている 対策そのものが負担になる

燃え尽き症候群は、「一生懸命やり切ったから起こる」というよりも、頑張っても報われない状態が続き、心がくすぶり続けることで近づきやすくなります。

感情労働ストレス全体を職場で確認したい場合は、感情労働ストレスとは|職場チェックと研修でできる離職防止対策もあわせて見ておくと、社員の負担がどこに出ているかを考えやすくなります。

忙しさよりも、報われない努力が心を消耗させる

仕事が忙しくても、やりがいや達成感があり、周囲からの支えを感じられる場合は、すべてが悪いストレスになるわけではありません。

一方で、努力しても認められない、感謝されない、成果が見えない状態が続くと、心の消耗は深くなります。

特に、感情労働が多い職場では、社員の努力が見えにくくなりがちです。

  • お客様の怒りを受け止めても、対応できて当然と見られる
  • 患者さんや利用者さんに丁寧に接しても、感情の疲れは記録に残らない
  • 保護者対応や相談対応をしても、時間外の負担として見えにくい
  • 管理職が部下の相談を受け続けても、自分の疲れは後回しになる
  • 職場の空気を悪くしないように気を遣っても、評価されにくい

このような働き方が続くと、社員は「自分ばかりが我慢している」「何をしても十分だと言われない」と感じやすくなります。

感情労働が多い職場では、疲れを軽く言いやすい

感情労働とは、仕事の中で自分の感情を調整し、相手に合わせた表情、声、態度を示す働き方です。

接客、教育、医療、介護、相談窓口、コールセンター、管理職などの仕事では、相手の不安や怒りを受け止めながら、自分は落ち着いて対応する場面が多くあります。

このような職場では、まじめで責任感の強い社員ほど、自分の疲れを軽く言いやすくなります。

  • これくらいで疲れる自分が弱いと思ってしまう
  • 自分が我慢すれば場が収まると考える
  • 他の人も大変だから相談しにくい
  • お客様や相手の前では笑顔を保ってしまう
  • 休むことに申し訳なさを感じる

燃え尽き症候群の予防では、本人に「もっと強くなりましょう」と求めるだけでは足りません。責任感の強い人が無理を抱え込まないように、職場側が早めに気づける仕組みを持つことが重要です。

運動がストレス対策にならない人もいます

運動は、ストレス対策として有効な方法の一つです。軽い運動やストレッチ、深呼吸を取り入れることで、気分転換や睡眠の質の改善につながることがあります。

しかし、すべての人に同じ方法が合うわけではありません。

運動が苦手な人に対して、「ストレスには運動がいいから、とにかく運動してください」と伝えるだけでは、本人にとって新たな負担になります。

運動そのものよりも、「できない自分はだめだ」と感じることの方が、心を消耗させてしまう場合があります。

ストレス対策で大切なのは、正しい方法を押し付けることではありません。本人が無理なく続けられる方法を選ぶことです。

ストレス対策が逆に負担になる職場

職場のメンタルヘルス対策では、「良い方法を導入すればよい」と考えがちです。しかし、現場ではそう単純ではありません。

健康イベント、運動プログラム、セルフケア研修、ストレスチェック後の面談なども、設計を間違えると、社員にとっては「またやることが増えた」と感じられることがあります。

特に、すでに疲れている人に対して、さらに努力を求めるような対策は逆効果です。

避けたい対策 起こりやすい反応
全員に同じ運動を求める 運動が苦手な人ほど負担を感じる
気合いや前向きさを強調する 疲れている人が自分を責めやすくなる
忙しい時期に研修を追加する 健康施策そのものが業務負担になる
個人のセルフケアだけに任せる 職場側の問題が見えにくくなる

燃え尽き症候群を防ぐには、「何をさせるか」よりも、「その人が無理なく続けられるか」を見る必要があります。

本人に合うストレス対策を選ぶ

燃え尽き症候群を防ぐためには、負担の大きい対策を急に始めるよりも、短時間でできる小さな対処を積み重ねることが役立ちます。

たとえば、次のような方法です。

  • 深呼吸を3回だけ行う
  • 肩をゆっくり上下させる
  • 席を立って水を飲む
  • 昼休みにスマートフォンを見ない時間を5分つくる
  • 今日できたことを一つだけ書き出す
  • 感情的に重い対応の後は、すぐ次の業務に入らず一呼吸おく

大切なのは、完璧にやることではありません。疲れ切る前に、心身を少し戻すことです。

人事総務・健康経営担当者が施策を考えるときは、「全員に同じことをさせる」よりも、「選べる余地があるか」を確認することが大切です。

心身の危険サインを軽く見ない

燃え尽き症候群に近づくと、心だけでなく身体にも変化が出ることがあります。

  • 眠りが浅い
  • 朝から疲れている
  • 動悸や息苦しさを感じる
  • 胃腸の不調が続く
  • 仕事のことを考えると気分が沈む
  • 休日も回復した感じがしない

こうした状態が続く場合は、気合いで乗り切ろうとせず、早めに産業医、保健師、医療機関などへ相談することが必要です。

ストレス対策は、我慢を続けるための方法ではありません。早めに気づき、回復するための方法です。

タニカワ久美子が研修現場で伝えていること

タニカワ久美子が企業研修でこのテーマを扱うとき、最初に伝えているのは、ストレス対策は根性論ではないということです。

以前、研修で「運動が嫌いな人に運動を勧めるのは、かえってストレスではないですか」と質問してくださった方がいました。

その方は、自分の弱さを話していたのではありません。自分に合わない対策を続ける苦しさを、正直に言葉にしてくださっていました。

その場で、私は「その感覚はとても大切です」とお伝えしました。ストレス対策は、本人が安心して取り組める方法でなければ続きません。

運動が苦手な人には、歩くことより前に、呼吸を整える、肩の力を抜く、席を立って水を飲む、といった小さな方法から始めてもよいのです。

企業研修では、受講者に「これをやりなさい」と押し付けるのではなく、自分の心身の状態を見て、自分に合う対処法を選べるように設計しています。

人事総務・健康経営担当者にも、施策を増やす前に、社員が本当に続けられる形かどうかを確認していただくようお伝えしています。

人事総務が確認したい職場の視点

燃え尽き症候群を防ぐために、人事総務・健康経営担当者が見るべきポイントは、社員個人の頑張りだけではありません。

次のような職場構造を確認することが重要です。

  • 困難対応が特定の社員に集中していないか
  • 感情的に重い業務の後に休息時間があるか
  • 健康施策が「さらに頑張るための課題」になっていないか
  • 管理職が部下の疲労サインを見逃していないか
  • 相談できる雰囲気があるか
  • ストレス対策に複数の選択肢があるか

燃え尽き症候群は、本人の性格だけで起こるものではありません。職場の期待、役割、評価、休息、相談体制が重なって起こります。

燃え尽き症候群を防ぐには、本人に合う対策を選ぶ

燃え尽き症候群を招くストレスは、忙しさだけではありません。

努力しても報われない状態、自分の感情を抑え続ける状態、そして自分に合わない対策を無理に続ける状態が、心の消耗を強めます。

運動が苦手な人にとっては、運動そのものがストレスになることもあります。その場合は、呼吸、短い休息、軽いストレッチ、気持ちを書き出すなど、本人が続けやすい方法から始めることが大切です。

けんこう総研では、感情労働が多い職場に向けて、燃え尽き症候群を防ぐためのストレス管理研修を行っています。人事総務・健康経営担当者の方には、社員のセルフケアだけでなく、職場で続けやすい予防策と管理職のラインケアをつなげる視点をお伝えしています。

文責:タニカワ久美子

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