エモーションストレス管理|生産性低下を防ぐ職場の見方

「心」「カラダ」を支えるけんこう総研ストレスマネジメント

エモーションストレス管理|生産性低下を防ぐ職場の見方

ホーム » 健康経営 » 健康経営戦略・KPI・エビデンス » エモーションストレス管理|生産性低下を防ぐ職場の見方

健康経営

エモーションストレス管理|生産性低下を防ぐ職場の見方

エモーションストレス管理は、職場で起きる感情ストレスを早く見つけ、集中力や判断力、報連相の低下を防ぐための考え方です。

社員の生産性が下がる原因は、業務量やスキル不足だけではありません。上司や部下との関係、顧客対応、クレーム対応、社内の気遣い、感情を抑えて働く場面など、目に見えにくい感情ストレスが仕事の進み方に影響していることがあります。

人事総務・健康経営担当者が見るべきなのは、「仕事が遅い」「ミスが多い」「報告が少ない」という表面の行動だけではありません。行動の背景にある感情ストレスを見つけ、職場の関わり方や研修後の行動変化につなげることが重要です。

この記事では、エモーションストレス管理を、職場改善、プレゼンティーズム、健康経営KPIの視点から紹介します。

エモーションストレス管理は、生産性低下を防ぐ職場の見方です

エモーションストレス管理とは、社員が仕事中に抱える感情面の負担を見える形にし、職場の行動改善につなげる方法です。

一般的なメンタルヘルス対策では、高ストレス者の早期発見や面談対応が中心になりやすいです。早期発見や面談対応は大切です。

しかし、健康経営として職場全体の生産性低下を防ぐには、不調者が出る前の対応も必要です。

けんこう総研のエモーションストレス管理では、社員がどの場面で感情を抑え、どの対人対応で疲れ、どの職場環境で集中しにくくなるのかを見ていきます。

ストレスチェックの数値だけでは、感情を抑えて働く負担までは見えにくいことがあります。感情ストレスを見える形にすることで、職場改善や研修後の確認につなげやすくなります。

生産性低下の背景には、感情ストレスがあります

職場の生産性が下がるとき、表面上は「仕事が遅い」「ミスが多い」「報連相が少ない」「会議が長い」などの問題として見えます。

しかし、その背景には感情ストレスが隠れていることがあります。

表に見える職場課題 背景にある感情ストレス 人事総務が見たいこと
報告が遅れる 上司に怒られる不安があり、相談を先延ばしにしている 相談しやすい声かけがあるか
会議で発言が少ない 否定される不安があり、本音を言えない 意見を出しても安心できる場になっているか
クレーム対応後に仕事が進まない 感情を抑え続けた疲労が残っている 対応後の休憩や上司の声かけがあるか
管理職が疲弊している 部下の感情対応を一人で抱え込んでいる 管理職を支える仕組みがあるか
職場の雰囲気が重い 不満や不安を言葉にできない状態が続いている 疲れや困りごとを話せる場があるか

このような状態では、業務改善ツールを入れても、職場の行動が変わりにくい場合があります。

エモーションストレス管理では、仕事の手順だけでなく、仕事中に生まれる感情の負担まで含めて見ます。

プレゼンティーズムは出勤していても力を出し切れない状態です

健康経営で生産性を考えるときに重要なのが、プレゼンティーズムです。

プレゼンティーズムとは、社員が出勤していても、心身の不調や疲労により、本来の力を出し切れない状態を指します。

感情ストレスが強い職場では、社員は休まず出勤していても、集中力、判断力、報連相、会議での発言、顧客対応後の切り替えに影響が出ることがあります。

人事総務・健康経営担当者にとって大切なのは、欠勤者だけを見ることではありません。出勤している社員の中にも、感情ストレスで仕事の質が落ちている人がいないかを見ることです。

プレゼンティーズムのサイン 職場で見えやすい状態 次の対応
集中力の低下 同じ確認を何度もする、判断が遅くなる 休憩、業務量、対人負担を確認する
報連相の低下 相談が遅れる、問題を一人で抱える 早めに話せる声かけを増やす
感情の切り替えにくさ クレーム対応後に仕事へ戻りにくい 対応後の短い回復時間を入れる
管理職の疲労 部下対応後に自分の業務が進まない 管理職同士で支える場を作る

プレゼンティーズムを減らすには、社員に「もっと集中してください」と求めるだけでは足りません。集中力や判断力を下げている感情ストレスを、職場側が見つける必要があります。

健康経営で見るべき生産性指標

健康経営で生産性低下を防ぐ場合、売上や業績だけを見ても十分ではありません。

社員の感情ストレスが、どのように職場行動へ影響しているかを、複数の指標で確認する必要があります。

確認したい指標 見るべきポイント 職場での使い方
プレゼンティーズム 出勤していても集中力や判断力が落ちていないか 感情ストレスと業務の進み方を合わせて見る
欠勤・遅刻・早退 特定部署や特定時期に増えていないか 業務量や人間関係の変化を見る
ストレスチェック結果 高ストレス者だけでなく、部署ごとの傾向を見る 職場改善や管理職研修につなげる
報連相の変化 相談の遅れや情報共有の減少がないか 心理的な話しやすさを見る
管理職の負担 ラインケアを一部の管理職だけが抱えていないか 管理職を支える場を作る
研修後アンケート 理解度だけでなく、行動変化につながったか 研修後の職場行動を確認する

生産性低下を防ぐには、「研修を実施したか」だけでなく、「研修後に職場の行動が変わったか」まで見る必要があります。

エモーションストレス管理で見直しやすい職場課題

エモーションストレス管理は、対人対応が多い職場で特に役立ちます。

  • 顧客対応やクレーム対応が多い職場
  • 管理職が部下対応で疲れている職場
  • 若手社員が相談せずに抱え込みやすい職場
  • 人事総務がストレスチェック後の対応に悩んでいる職場
  • 健康経営施策を実施しているが、現場の反応が薄い職場
  • 職場改善と生産性低下の防止を同時に進めたい職場

このような職場では、社員個人のストレス対処だけでは不十分です。

管理職の関わり方、相談しやすさ、会議での発言しやすさ、クレーム対応後の回復時間、仕事の進め方まで含めて見直す必要があります。

一次予防として感情ストレスを早く見つける

エモーションストレス管理は、メンタルヘルス不調が起きてから対応するためだけの取り組みではありません。

まだ不調が表面化していない社員も対象にし、感情ストレスをため込まない働き方、管理職による早めの声かけ、職場全体の行動改善につなげます。

研修では、次のような内容を扱います。

  • 職場で感情ストレスが起こる場面を見つける
  • 感情労働による疲労に気づく
  • 集中力や判断力を下げる感情ストレスのサインを知る
  • 管理職が気づくべき部下の変化を確認する
  • 職場で実践できる呼吸法や筋弛緩法を体験する
  • 研修後に職場で続ける行動を決める

知識を学ぶだけでは、職場の行動は変わりません。

社員が自分の感情ストレスに気づき、管理職が職場の変化を見逃さず、人事総務担当者が研修後の行動変化を確認できる形にすることが重要です。

タニカワ久美子が企業研修で見てきたこと

タニカワ久美子が企業研修でこのテーマを扱うとき、生産性が落ちている職場ほど、社員が「疲れています」とは言わないことを見てきました。

真面目な社員ほど、周囲に迷惑をかけないように我慢します。管理職も「自分が何とかしなければ」と抱え込みます。人事総務の担当者から見ると、表面上は大きな問題がないように見えることもあります。

しかし、研修でセルフチェックを行うと、「クレーム対応のあと、しばらく集中できない」「部下の相談を聞いた後、自分の仕事に戻れない」「会議で本音を言えずに疲れる」といった声が出ることがあります。

タニカワ久美子は管理職の方に、次のように伝えています。

「生産性低下は、能力不足だけで起こるのではありません。感情を抑え続ける職場でも起こります。」

職場の感情ストレスを見える形にすると、社員を責めるのではなく、職場の仕組みとして見直せるようになります。

生産性低下を防ぐための進め方

エモーションストレス管理を生産性低下の防止につなげるには、研修を単発で終わらせないことが重要です。

  1. ストレスチェックや面談内容から職場課題を確認する
  2. 部署別・職種別に感情ストレスの特徴を見る
  3. 管理職研修で部下の変化に気づく視点を共有する
  4. 社員研修でセルフケアと感情ストレスへの対処を体験する
  5. 研修後アンケートで行動変化を確認する
  6. 健康経営KPIとして継続的に追跡する

この流れを作ることで、研修が「受けて終わり」ではなく、職場改善の取り組みとして使いやすくなります。

よくある質問

エモーションストレス管理は生産性向上に役立ちますか?

エモーションストレス管理は、生産性を下げる感情ストレスを早く見つけるために役立ちます。研修だけで生産性が必ず上がるとは言えませんが、集中力、報連相、管理職負担、職場の話しやすさを見直すことで、生産性低下を防ぐ取り組みになります。

感情ストレスとは何ですか?

感情ストレスとは、仕事中に自分の感情を抑えたり、相手の感情を受け止めたりすることで生じる負担です。顧客対応、クレーム対応、部下対応、会議での気遣いなどで起こります。

プレゼンティーズムと関係がありますか?

関係します。社員が出勤していても、感情ストレスや疲労によって集中力や判断力が落ちている場合があります。エモーションストレス管理では、出勤している社員の小さな変化にも目を向けます。

管理職研修にも使えますか?

使えます。管理職が部下の小さな変化に気づき、早めに声をかけるために役立ちます。また、管理職自身が部下対応を一人で抱え込まないための支援にもつながります。

健康経営KPIとして何を見ればよいですか?

プレゼンティーズム、欠勤・遅刻・早退、ストレスチェック結果、報連相の変化、管理職の負担、研修後アンケートなどを合わせて見ると、職場の変化を追いやすくなります。

まとめ:エモーションストレス管理は、生産性低下を防ぐ職場改善です

エモーションストレス管理は、社員の感情ストレスを見える形にし、生産性低下を防ぐための実務的な考え方です。

重要なのは、社員に「もっと頑張ってください」と求めることではありません。

職場のどこで感情ストレスが生まれ、集中力、判断力、報連相、管理職負担にどのような影響が出ているのかを見ることです。

人事総務・管理職が同じ視点を持ち、研修と職場改善をつなげることで、健康経営の取り組みは現場で使いやすくなります。

感情労働ストレス研修への活用

けんこう総研では、感情ストレスが多い職場に向けて、健康経営と職場改善を目的とした実践型研修を行っています。

感情ストレスを見える形にし、管理職支援や職場改善につなげたいご担当者様は、以下をご覧ください。


感情労働ストレス研修の内容を見る

文責:タニカワ久美子

夜間・土日祝の無料相談も随時受け付けております。
まずはお気軽にお問い合わせください。