ストレス研究memo
呼吸法によるストレス低減効果/トピック
2023年4月26日更新
禅的呼吸法によるストレス低減効果研究では、禅的呼吸法がストレス低減に効果的であることが示されました。
この研究で使用された生理的指標と心理的指標について
禅的呼吸法によるストレス低減の生理的指標は、唾液アミラーゼ・収縮期血圧・拡張期血圧・脈拍。一方、心理的指標は、POMS(Profile of Mood States)と感想。これらの指標を用いて、呼吸法のストレス低減効果を評価しています。
教職・医療職・金融機関職の3職種に焦点を当てた呼吸の効果検証
この研究では、教職・医療職・金融機関職の3職種をハイストレスとして対象にしました。これは、これらの職種が高いストレスを抱えることが知られており、呼吸法がストレス低減に効果的であるかどうかを調べるためです。
教職・医療職・金融機関職の3職種を対象に、呼吸法のストレス低減効果を調査しました。調査Iでは、呼吸法介入前後の効果を比較し、唾液アミラーゼ値や血圧などの生理的指標で有意な低下が見られたことから、生理的ストレス低減効果が確認されました。また、POMSの負の感情5項目や総得点も有意な低下が見られたことから、心理的ストレス低減効果も確認されました。調査IIでは静座群を対照群として比較しましたが、呼吸法群と静座群で有意な差は見られませんでした。この結果から、呼吸法がストレス低減に効果的であることが示唆されました。
坐禅に関心があるけれど、呼吸法を実践する上での注意点はありますか?
呼吸法を実践する上での注意点については記載されていません。ただし、呼吸法は身体的な負荷が少なく、簡便に行えるストレス低減法として注目されています。坐禅や呼吸法を実践する場合は、自分の体調や限界をよく理解し、無理をしないようにすることが大切です。また、専門家の指導を受けることもおすすめします。
多忙なビジネスパーソンでも簡便に行える禅的呼吸法を活用した健康経営ができそうですね。
出典:奥野元子.禅的呼吸法によるストレス低減効果.京都大学学術情報リポジトリ,2016