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職場のメンタルヘルス不調を元気そうな社員から見落とさない判断と組織対応

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職場のメンタルヘルス不調を元気そうな社員から見落とさない判断と組織対応

著名人がメンタルヘルス不調を公表したニュースを見た時、人事総務のご担当者として、「自社にも同じように、外からは元気に見えている社員がいるのではないか」と感じることはありませんか。

明るく発言している。仕事も早い。周囲から頼られている。欠勤もしていない。けれど、実は疲労が抜けず、眠れておらず、相談できないまま働き続けている社員がいます。

この記事では、著名人の公表そのものを扱うのではありません。公表をきっかけに、自社の職場で見落としやすいメンタルヘルス不調を、早めに職場対応へつなげる判断視点を整理します。

元気そうに見える社員ほど、不調が見えにくい

職場では、責任感があり、仕事を抱え、周囲から頼られている社員ほど、不調を言い出しにくいことがあります。

「自分が止まると迷惑をかける」「弱いと思われたくない」「この程度で相談してよいのか分からない」と考え、疲れていても普段どおりに振る舞います。

管理職も、人事総務も、出勤できている社員を見て安心しやすくなります。

けれど、出勤できていることと、心身が回復できていることは同じではありません。会議で発言している、笑顔で話している、成果を出している社員にも、疲労や不安が積み重なっている場合があります。

不調を言い出せない社員を、本人の問題で片づけない

社員が相談しない時、「もっと早く言ってくれればよかった」と感じることがあります。

しかし、相談しない背景には、本人の遠慮だけでなく、職場の空気があります。管理職が忙しそうにしている。相談すると評価に響きそうに感じる。周囲も無理をしているので、自分だけ言い出せない。

この状態で、社員の不調を本人の性格や意識の問題にすると、職場側で見直すべき材料が見えなくなります。

人事総務が見るべきなのは、「なぜ相談しないのか」ではなく、「相談できないまま働き続ける構造がないか」です。

セルフケアと相談窓口だけでは拾えない変化がある

セルフケア研修、相談窓口、ストレスチェックは大切です。

ただし、それだけで社員の不調が早く見えるとは限りません。相談窓口を知っていても、使うほどではないと思う社員がいます。ストレスチェックで気づきがあっても、業務量や相談しにくさが変わらない職場もあります。

メンタルヘルス不調は、休職や欠勤として表れる前に、小さな変化として出ることがあります。

返信が遅くなる。確認漏れが増える。昼休みを取らない。会議での発言が減る。表情が硬くなる。雑談がなくなる。こうした変化を、本人のやる気の問題にしないことが重要です。

どこまで声をかけるか、管理職だけでは迷いやすい

管理職は、部下の変化に気づいていても、どこまで踏み込んでよいか迷うことがあります。

「メンタルは大丈夫?」と聞くと重くなりすぎる。「大丈夫?」と聞くと、社員は「大丈夫です」と答えて終わる。ここで対応が止まりやすくなります。

専門職でも迷うのは、本人のプライバシーを守りながら、仕事量、睡眠、疲労、相談しにくさをどう確認するかです。

この判断を管理職一人に任せると、声をかける人とかけない人の差が大きくなります。

社内で見えている情報がつながらない

本人には、眠れない夜や休日の疲労感が見えています。管理職には、仕事ぶりや表情の変化が見えています。人事総務には、残業、休職、相談件数、ストレスチェック結果が見えています。

ところが、この情報がつながっていないと、「本人は大丈夫と言っている」「管理職は様子を見ている」「人事総務には相談が来ていない」で止まります。

社内で動かしにくい理由は、メンタルヘルス対策がないからではありません。誰が、どの変化を、どの段階で共有し、職場対応へつなげるかが決まっていないことです。

タニカワ久美子の研修では、見えにくい不調を職場の判断材料に変える

タニカワ久美子の研修現場では、管理職から「元気そうに見えた社員が、急に休職になりました」という相談を受けることがあります。

詳しく聞くと、その社員は仕事が早く、会議でも明るく発言し、周囲から頼られていました。一方で、残業が続き、家に帰っても仕事のことが頭から離れず、相談する時間もない状態でした。

ここで扱うのは、著名人の公表を話題として見ることではありません。

自社の中で、元気そうに見える社員のどの変化を見落としているのか。管理職の気づきと人事総務の情報がつながっているのか。相談できない理由が職場にないかを、判断材料に変えることです。

管理職が見るのは、元気な返事より日常の変化

管理職は「大丈夫?」への返事だけで判断せず、睡眠、疲労、休憩、仕事量、抱え込みの変化を軽く確認します。

診断するのではなく、仕事側で下げられる負荷があるかを見ることが役割です。

人事総務が整えるのは、相談を待たない確認の流れ

人事総務は、相談件数だけでなく、残業、休憩、ストレスチェック後の変化、管理職から上がる小さな気づきを合わせて確認します。

制度を増やすより、既に見えている情報を職場対応につなげる流れが必要です。

最後に、人事総務のご担当者へ

メンタルヘルス不調の増加を、社会全体の話だけで終わらせていないでしょうか。

著名人の公表を見て、「特別な人の話」と受け止めるのではなく、自社にも元気そうに見えるけれど限界が近い社員がいないかを確認することが大切です。

出勤している。笑顔で話している。仕事をこなしている。だから大丈夫、と判断していないでしょうか。

社員が相談してこないことを、不調がないサインとして扱っていないでしょうか。

管理職の気づき、人事総務が持つ情報、社員本人の心身反応が社内でつながっていなければ、メンタルヘルス対策は現場に届きにくくなります。

必要なのは、著名人の公表をきっかけに不安をあおることではありません。自社の中で、誰が、どの変化に気づき、どの段階で支えるのかを整理することです。

元気そうに見える社員の不調を、職場で早めに支えたいご担当者へ

けんこう総研では、メンタルヘルス不調、職場ストレス、管理職の声かけ、相談導線、業務量の見直しを組み合わせたストレスマネジメント研修を行っています。社員の不調を本人任せにせず、職場で早めに支える仕組みへ整理します。

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文責:タニカワ久美子

研修テーマが未定でも、対象者・職場状況・実施時期に合わせて整理します。

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