五輪アスリートの緊張マネジメント|企業のメンタル不調を防ぐストレス対策研修

「心」「カラダ」を支えるけんこう総研ストレスマネジメント

オリンピックだけじゃない 感情という魔物を制するストレス管理の方法

ホーム » ストレス管理 » 感情労働ストレス » オリンピックだけじゃない 感情という魔物を制するストレス管理の方法

ストレス管理

オリンピックだけじゃない 感情という魔物を制するストレス管理の方法

こんにちは、けんこう総研代表講師のタニカワです。今日は一緒に”スポーツ心理学”について考えていきたいと思います。心理学なんて難しすぎる!そしてそれをスポーツに結びつけて考えるなんてもっと難しそうで無理!、と感じる方も多いでしょう。ですが、安心してください。一緒に楽しみながら学べるようなお話を準備しました。

オリンピックにいる魔物の正体

さて、今日のお話はまず、オリンピックという大舞台に出場した一人のアスリートから始めます。2012年のロンドンオリンピックで、日本の体操競技のエース選手が金メダルを期待されていました。けれども、いざ試合が始まると、彼はいくつかの種目で失敗してしまいました。あの緊張感溢れる舞台で、彼は「やっぱりオリンピックには魔物がいる」と語りました。何を指すかというと、魔物の正体は、自分の心の中に潜む、プレッシャーや不安、恐怖といった感情です。それがパフォーマンスを下げてしまう「魔物」です。

日常にも魔物がいる

日常生活で、プレゼンテーションや面接、大事なイベントなどで、いざその場に立つと緊張して思うように言葉が出なかったという経験はありませんか?それこそ魔物が引き起こす現象で、オリンピック会場でなくとも誰にでも起こる現象なんですね。

職場にも存在する「本番の魔物」

ここで重要なのは、この「魔物」がアスリートだけの現象ではないという点です。

企業現場でも同様の心理現象は日常的に発生しています。

・重要顧客へのプレゼンテーション
・人事評価面談
・管理職登用試験
・監査・コンプライアンス対応
・クレーム初動対応

こうした「失敗できない場面」では、身体反応・認知評価・感情反応が連動し、パフォーマンスが低下します。

実際、産業ストレス研究においても、本番場面における過度な緊張や不安が意思決定力・対人応答力・説明能力を低下させることが確認されています。

つまり、オリンピックで語られる「魔物」は、職場では

・メンタル不調
・対人緊張
・プレゼン失敗
・離職不安

という形で顕在化しているのです。

魔物に打ち勝つ防具がある

そんな魔物に対抗するためには、心のコントロールが必要です。自分の心をうまくコントロールできると、感情という防御具アーマーをうまく使うと、パフォーマンスを向上させることができます。この仕組みを理解するためには、「構成要素理論」と言う攻略本があります。

構成要素理論とは、我々の感情が、認知、生理的制御、動機づけ、運動表出、モニタリングといった要素から成り立つという理論です。

これらの要素がうまく組み合わさると、感情がうまく働き、私たちは最高のパフォーマンスを発揮できます。でも、逆にこれらの要素がうまく働かなければ、感情は混乱し、パフォーマンスは低下します。実はこれらの要素が調和しないことが、その「魔物」を生み出す原因なのです。

身体と感情は繋がっている

体の反応や思考、感じる感情がすべてつながっていると考えてみてください。例えば、競合他社さんとのコンペが決まったとします。そんな時、心拍数が上昇し、顔色が青ざめ、汗が出てくるなどの生理反応が起き、自分自身が困難な状況に直面していると認識します。このような状況下で、無力感や筋肉の緊張などが組み合わさると、恐怖という感情が生まれます。

感情は脳からの指令

このような感情は心の中で作り出されるのですが、その背後には私たちの脳が大きく関与しています。その中でも特に重要な役割を果たすのが扁桃体と前頭眼窩野という部位です。これらの部分は、状況を評価し、適切な行動を決定する役割を持っています。これまでに、特定の感情要素、例えば「あがり」や「不安」などが、アスリートのパフォーマンスにどのように影響を与えるかについて研究されてきました。しかし、実は感情と身体の関連性は、単に「あがり」や「不安」だけを見ていては理解しきれません。どうしてかと言うと、感情は、人されぞれだし複雑な気持ちが絡み合ってできています。だから、同じ状況でも、人によって違った感情を抱きますよね。また、ポジティブな感情、つまり喜びや興奮なども、パフォーマンスに影響を与えることがわかってきました。

つまり、感情は単純なものではなく、快や不快、高活性や低活性といった複数の次元を持つものであり、そのすべてがパフォーマンスに影響を与えるのです。だからこそ、感情を包括的に評価し、それとパフォーマンスとの関係を理解することが、アスリートだけでなく私たち、働くパフォーマンス向上にも必要なのです。この複雑な感情を理解して、適切に感情をコントロールすることができると、アスリートだけでなく誰でも、自分のパフォーマンスを最大限に引き出すことができてきます。

感情制御は訓練可能な能力

ここで誤解されやすいのは、「感情は性格だから変えられない」という認識です。

しかし、産業ストレスマネジメントの領域では、感情制御力は後天的に強化可能なスキルと位置づけられています。

具体的には、

・身体反応の自己認識訓練
・認知再評価トレーニング
・呼吸・自律神経調整法
・対人場面シミュレーション
・本番想定リハーサル

といった介入により、本番場面でのパフォーマンスは改善します。

これはトップアスリートのメンタルトレーニングと同じ構造であり、企業研修においても管理職・営業職・対人専門職を中心に導入が進んでいます。

身体と感情の関係を知る評価方法の決定打がまだない現実

この感情と身体の関係を詳しく研究するためには、感情を正確に評価する方法が必要です。現在、そのための尺度やツールはまだ十分に開発されていません。具体的な感情要素に限定しないで、さまざまな感情状態を包括的に評価するための方法が、今、求められています。感情によって現れる身体の関係を理解することは、私たちが仕事をする場面でも心理的な準備にも役立ちます。それによって、感情をより適切に管理することができ、仕事へのパフォーマンスを最大限に引き出すことができてきます。

職場のパフォーマンス課題としての感情マネジメント

ここまで見てきたように、プレッシャー下での感情反応は、アスリート特有の問題ではありません。

企業においても、このような課題はありませんか?

・本番に弱い管理職
・人前で話せない社員
・感情的クレーム対応
・評価面談での硬直
・若手の離職不安

といった形で、組織パフォーマンスに直接影響します。

けんこう総研では、スポーツ心理学と、産業ストレス理論を統合した、
実践型ストレス管理研修を提供しています。

ストレス管理研修の詳細はこちら
健康経営支援プログラムを見る

アスリートが本番力を鍛えるように、働く人のパフォーマンスも科学的に強化することが可能です。

さいごに

アスリートが自己最高のパフォーマンスを出すためだけでなく、私たち働く社会人もまったく同じです。魔物と呼ばれる怪物は自分自身の感情から生まれているからです。だからこそ感情を適切に管理することは重要性です。それには科学的な研究が必要であり、具体的な感情要素に限らず、感情全体を評価する新たな方法を開発することが求められているのです。

今もこの研究は世界中で続けられています。今のところ明らかなのは、感情は行動にも大きく影響を与えるので、その管理が重要であるということです。そして、私たちはその魔物(感情)という怪物立ち向かう力を持っています。これは自己最高のパフォーマンスを達成するための重要な鍵となります。さいごに、みなさまも日々の生活において、自分の感情を理解し、それをコントロールする力を身につけることを忘れないでください。そうして健やかな毎日をお過ごしください。

このテーマの研修をご検討の企業様へ

株式会社けんこう総研では、企業・教育機関・医療福祉施設向けにストレスマネジメント研修を実施しています。

  • 対象:新入社員 / 一般社員 / 管理職
  • 形式:対面研修 / オンライン研修
  • 内容:ストレス管理 / ユーストレス / ラインケア

無料30分相談・資料請求はこちら

夜間・土日祝の無料相談も随時受け付けております。
まずはお気軽にお問い合わせください。