ストレス研究memo
ストレス疲労から起こる”タスクの解体”
2023年5月30日更新
こんにちはけんこう総研のタニカワです。今日はストレスとその影響についてお話します。ストレスを知ることは、自分自身を理解するために必要なことです。
まず、スティック操作という例を取りましょう。スティック操作は、飛行機の操縦やゲームのコントローラーなど、何かを制御するときによく使用されます。熟練した操縦者の場合、スティック操作は自動的に、そしてスムーズに行われます。しかし、彼らが疲れてくるとどうなるでしょう?
答えは、その操作が難しくなることです。自動的な操作が、意識的な操作に変わるのです。つまり、彼らは自分の動きをより注意深く考えなければならなくなります。これは、長時間歩いて疲れたときに、一歩一歩を意識しなければならない状況に似ています。
ここで起きる問題は、「過剰反応」や「修正の無視」です。過剰反応とは、操作が大きくなりすぎることを指します。つまり、操縦者は必要以上にスティックを動かすかもしれません。そして、修正の無視とは、問題点を修正せずに放置することを指します。つまり、彼らはエラーを認識しても修正しないかもしれません。
タスクの解体
そして次に、”タスクの解体”という現象について説明しましょう。これは、複雑な任務を遂行しているときに、一部の手順が欠けてしまう現象です。これはストレスや疲労の結果、自動化された手順が解体されてしまうことによるものです。
これら全てが示すのは、ストレスがどのように私たちのパフォーマンスに影響を与えるかということです。だからこそ、ストレスを管理する方法を学ぶことが重要です。ストレスをうまく管理することで、自分自身をより良くコントロールでき、日々の生活をより良くすることが可能になるのです。
職場でのストレスとその結果起きやすくなるミス
職場や、学校の課題や家庭の仕事など、私たちの日常生活でも、タスクの解体の概念は適用されます。
事例・銀行員のタスクの解体
ある銀行で働いている人が、自分がした面白いミスについ手のエピソードががあります。Aがさんが29万円を引き出し、そのうち28万円を1万円札、残りの1万円を千円札で欲しいと言いました。それを聞いた銀行員は、29万円を1万円札で、さらに1万円を千円札で渡してしまいました。1万円を多く渡してしまったのです。Aさんからの請求をちゃんと理解していたにも関わらず、なぜこんなミスをしたのでしょうか?
また、銀行員は10,500円を両替し、そのうち1万円を百円硬貨で、残りの5000円を千円札で渡すという依頼がありました。しかし、彼は百円硬貨で1万円を渡した後に、さらに千円札を10枚渡してしまいました。つまり、5000円多く渡してしまったのです。
こうしたミスはなぜ起こるのでしょうか?その理由は「疲労」であり、「タスクの解体」現象です。銀行員(テラー)の仕事は、お金の確認、通帳の確認、現金の授受など、繰り返し行う一連の手順から成り立っています。これらの手順は通常、一定のパターンで、機械的に進行します。しかし、1日に何十回、何百回とこれらの作業を繰り返すと、疲労が蓄積します。
疲労が溜まると、それまでスムーズに進行していた作業のパターンが崩れてしまい、それぞれの動作が分断されてしまうことがあります。
その結果、手順が混ざり合ったり、意味もなく発生する動作が出てくることがあります。例えば、顧客に1万円札を両替した後に、さらにその1万円札を渡すという動作は、まったく無意味な動作です。しかし、疲労が原因で手順が分裂した結果、そういうことが実際に起こるのです。
このようなタスクの解体現象は、ストレスと疲労が高まると特に起こりやすくなります。例えば、給料日の次の日や、同僚が休みで1人で2人分の仕事をしなければならない日など、仕事が特に忙しい日には、ミスが起こりやすくなります。
これらのエピソードを聞くと、皆さんも仕事や学校の課題に対してストレスを感じたり、疲れたときにミスをすることがあると思い出すかもしれません。それは自然なことで、重要なのはそのミスから何を学び、次にどう改善するかです。そして、休息とリラクゼーションの時間も必要だということを忘れないでください。これらは私たちの脳と体がリフレッシュし、疲労によるミスを防ぐために非常に重要です。
ストレスとヒューマンエラーの強い相関
今一度、自分自身のストレスレベルとその影響について考えてみてませんか。
ここで私たちが共有した知識から学んだことは、『ストレスと疲労が、私たちの行動と決断に影響を与え、時にはミスを引き起こすことがある』ということです。しかし、これは人間であることの一部であり、完璧を求めるのではなく、私たちのストレスと疲労を適切に管理する方法を見つけることが重要です。また、休息とリラクゼーションの時間を取ることも同様に重要です。何よりも大切なのは、私たち一人ひとりが自己理解を深め、自分の感情や体の状態を認識し、それに対応する方法を見つけることです。何か問題があれば、どうすればそれを解決できるかを、私たちけんこう総研と一緒に考えましょう。皆さんの健康を心から願っています。