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座りすぎ メンタル 悪影響 エビデンスで解説
世界20か国の人たちの座っている時間を調べたところ、日本人はその平均時間より40%も長く座っていることが判明したという統計があります。ダントツで世界1と言ってもいいでしょう。座りすぎは過剰な飲酒や喫煙と同じくらい心身をむしばみ寿命を縮めます。今月は、座りすぎを避けるアイデアや、立ちっぱなしで疲れないカラダになる方法を知って、健やかな毎日を目指しましょう。

1日8時間以上座っていると身体とメンタルの病気になるリスクが高まります。
座りすぎるとメンタルヘルス不調になりやすくなる
いくら日本人が座りすぎているからって、深刻なことは起きないでしょう?と思ってはいませんか。予防医学の世界では、今一番注目されているのが「座りすぎ」による危険性です。それを明らかにしたスウェーデンの恐ろしいデータが報告※されています。そのエビデンスとは、働く人約2万3000人を対象に、週末などの余暇、平日などの仕事中に、それぞれ全体の何%座っているかでグループ分けしました。グループ間で、抑うつや不安症状が生じる確率(オッズ比)を比べました。すると、座っていない人のオッズ比を1.0とすると、余暇時間のほとんどを座っている人は3.9倍、仕事中にほとんど座っている人では1.5倍も、抑うつや不安症状が生じやすかったということが明らかになりました。とくに、余暇の半分以上を座っているグループでは、より頻繁に抑うつや不安症状が起こりやすくなっていました。
忙しいと余暇タイムくらいは、だらあんと座ってSNSなどをまったり見てリラックスしたくなりますよね。確かにそれもストレス解消に一役買いますが、長時間になりすぎるのは危険です。疲れたから座る⇒座るから心身に悪影響を及ぼす⇒さらに疲れるといった不健康のスパイラルにはまってしまいます。少なくとも、休日の半分以上を座り続けないように気をつけましょう。
デスクワークなのに疲労困憊状態の原因
仕事はデスクワークで通勤はマイカーなので、一日の歩数は数百歩という人は少なくありません。毎日ほとんどカラダを動かしていないのにいつも疲れているとしたらそれはストレスによる心身のバランスの乱れが原因です。仕事による精神的ストレスと、長時間座っていることによる身体的ストレスとのダブルの積み重なり、交感神経が優位に過緊張状態になり慢性疲労状態に陥ります。ストレスがかかっても私たちは抗う力を持っています。ちょとしたカラダの使い方を変えるだけで身体的ストレスは減らすことができます。
座らずにゴロ寝だから平気でしょ?
「座りすぎが心身に悪いというけど、自分は寝そべっているから関係ない」なんて言う人も大勢いらっしゃるかもしれませんね。しかし残念なことに、寝転んだり、リクライニングチェアで背もたれを倒したりしているのも、座っているのと同じなのです。そもそも座るとは、『座位、半臥位、臥位の状態で行われるエネルギー消費量が1.5メッツ以下のすべての覚醒行動』という定義が座りすぎ研究ではされています。
3メッツ以上の身体活動を増やしましょう
メッツとは、横になってラクにした状態を1.0メッツと基準にして、その何倍にあたるかで運動強度を示す単位です。1.5メッツ以下の身体活動には、座って行うパソコンワーク、テレビや音楽鑑賞、読書、会話などが入ります。健康に良い身体活動は、安静時の3倍以上となる3.0以上の身体活動となります。日常生活では、階段の上り下りや掃除や片付けが相当します。休日でも座りすぎを避け、なるべく3.0メッツ以上のカラダを動かす行動を増やしましょう。
座りすぎを防ぐ3つのポイント
座りすぎがメンタルにもカラダにも悪いことはお判りいただけたでしょうか?だからといって私たちは座らないわけにはいきません。健康被害を避け、ヘルシーに座るために気をつけたいポイントがあります。そのポイントとは世界保健機構(WHO)が定めている3ポイントです。
1.座位時間を1日トータルで8時間以下にする。
2.余暇にスマホなどを見る視聴時間を3時間以下にする。
3.座位中は、少なくとも30分に一度立ち上がる
身体的ストレス対策で健康管理
心と体の健康管理の第一歩は、座りすぎを避けることが重要です。たいへんな運動や、つらいダイエットをするよりも座りすぎを回避しましょう。座らなければ出来ない行動以外は、すべて立って行ってみるとかなりの運動量になります。さあ今日から無意味に座っている時間を見直しましょう。
※Hallgrens M et al. Prev Med,2021
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