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教師のバーンアウトについてストレス研究ノートvol.14
2022年1月30日更新
代表的なバーンアウトの測定=MBI(Maslach Burnout Inventory) Maslach作成は、教師用(MBI-ES)とヒューマン・サービス従事者用、それ以外の職種用の3種がある。
教師用については日本語版がない。
代表的な日本版バーンアウト測定(久保2004)=・因子は、情緒的消耗感・個人的達成感・脱人格化
・医療従事者用項目があり、教師用の尺度として信頼性・妥当性が検証されていない。
信頼性の検証
1.心理尺度の信頼性は、古典的テスト理論に基づくα係数によっての評価が多い⇒症状レベルごとの信頼性評価ができな
2.脱人格の評価はα係数が低くなりがち(∵ 脱人格化と言う症状自体が、既に高ストレス状態である)
先行研究での評価法
項目半数理論で情報量によって評価法⇒重度の脱人格化症状の識別に有効
妥当性の検討
バーンアウトの定義=3因子
情緒的消耗感(emotional exhaustion)の定義=仕事を通じて情緒的に力を出し尽くし、消耗してしまった状態=情緒的な資源の枯渇
脱人格化(depersonalization)の定義= , クライエントそれぞれの人格を無視した,思いやりのない紋切り型の対応
個人的達成感 (personal accomplishment)=ヒューマンサービスの職務に関わる有能感, 達成感
(Maslach, Jackson &Leiter, 1996)
1.ストレス反応の一種。
2.感情労働の程度と相関関係がみられる
3.進行していくと、職務満足度が低下する
4.中心的な症状は情緒的消耗感
5.脱人格化と個人的達成感は、情緒的消耗感の副次的産物
表層演技⇒感情ではなく、表出行動の状況調整が必要
深層演技⇒感情経験自体の調整が必要
教師を対象とした先行研究
問題点 “情緒的消耗感”と“脱人格化”が明確に分離できない。
表層演技を強いられる教師ほど、情緒的消耗 + 仕事に対する有能感・達成感が低い=脱人格化が進んでいる