ユーストレス(良性ストレス)
イェルクス・ドッドソンの法則
イエルクス・ドッドソンの法則は、
「適度な緊張やストレスがパフォーマンスを高める」
という関係を示した、心理学の古典理論です。
本記事では、
ユーストレス(良性ストレス)の理解を補強する理論的背景として、
この法則を健康経営・職場の文脈で整理します。

安全性を高めるには、適度な緊張感が必要です
イェルクス・ドッドソンの法則とは何か?
Yerkes-Dodsonの法則は、人間や動物がどれだけ上手に仕事や課題をこなせるかは、そのときの緊張や興奮のレベルによって変わるということを示しています。今日は、この有名な法則をできるだけわかりやすく理解できるようにお話いたします。
簡単に言うと
イェルクス・ドッドソンの法則は、「少し緊張しているときが一番良いパフォーマンスを出せる」ということを言っています。でも、緊張しすぎると逆にうまくいかなくなってしまいます。この法則は、ちょうどいい緊張のレベルを見つけることが大切だと教えてくれます。
実生活での例
例えば、学校のテストを受けるときのことを考えてみましょう。全く緊張していないときは、テストに集中せず、いい結果が出ないかもしれません。一方、すごく緊張していると、頭が真っ白になってしまい、やっぱりいい結果が出ないことがあります。でも、適度に緊張していると、集中力が高まり、持っている力を最大限に発揮できるのです。
グラフで見ると
イェルクス・ドッドソンの法則をグラフで表すと、興奮や緊張のレベル(覚醒度)が横軸に、パフォーマンスのレベル(成果)が縦軸に描かれます。このグラフは山の形をしています。つまり、少しずつ緊張が増えていくと、パフォーマンスも良くなりますが、ある地点を過ぎると今度はパフォーマンスが下がってしまいます。この山の頂点が、最適な緊張のレベルです。
研究の背景
イェルクスとドッドソンという2人の研究者が1908年にこの法則を発表しました。彼らはネズミを使った実験を行い、ネズミが迷路をどれだけうまく通り抜けられるかを調べました。その結果、ネズミも少し緊張しているときに一番うまく迷路を通り抜けられることがわかったのです。
仕事やスポーツにも応用できる
この法則は、学校のテストだけでなく、仕事やスポーツにも当てはまります。例えば、スポーツ選手も試合の前に少し緊張していると、集中力が高まり、良いパフォーマンスができます。逆に、緊張しすぎるとミスが増えてしまいます。仕事でも、プレゼンテーションの前に少し緊張することで、より準備をしっかりし、良い発表ができることが多いです。
どうやって最適な緊張レベルを見つけるか
では、どうやってその「ちょうどいい」緊張のレベルを見つけるのでしょうか?いくつかの方法があります。
1. 深呼吸をする
深くゆっくり息を吸ったり吐いたりすることで、心を落ち着けることができます。
2. ポジティブな自己対話
「自分ならできる」と自分に言い聞かせることが緊張を和らげる助けになります。
3. 準備をしっかりする
十分な準備をすることで自信がつき、緊張が和らぎます。
4. リラックスする時間を作る
趣味や好きなことをしてリラックスする時間を持つことも重要です。
補足:緊張が過度になった場合の一般的な対処例
もし、緊張しすぎてしまったときはどうすれば良いのでしょうか?
短い休憩を取る
一度休んでリフレッシュすることが大切です。
リラクゼーションのテクニックを使う
ヨガや瞑想などを取り入れてみるのも良いでしょう。
他の人と話す
家族や友達に話すことで緊張を和らげることができます。
イェルクス・ドッドソンの法則は、適度な緊張がパフォーマンスを高めるけれど、緊張しすぎると逆効果だということを教えています。この法則を理解し、自分に合った最適な緊張のレベルを見つけることで、学校、仕事、スポーツなど様々な場面でより良い結果を出すことができます。
大事なのは、少しだけ緊張しているときが一番力を発揮できるということです。そして、その適度な緊張のレベルは人それぞれなので、自分にとってのベストを見つけることが重要です。
この考え方の理論的背景や、
ユーストレスとディストレスの違いについては
👉 ユーストレス(良性ストレス)とは|最新研究・実務への応用
で体系的に整理しています。
健康経営の現場では、
パフォーマンスを高めるために
「緊張をなくす」よりも
「適切な緊張をどう設計するか」が問われます。
こうした考え方を、
研修や制度としてどのように現場に定着させていくかについては、
健康経営のフォローアップ支援の考え方をご覧ください。