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けんこう総研タニカワの「ストレスが有害扱いされたわけ」

2022年9月1日更新

今日から9月、学生さんは新学期の始まり。こんにちは、けんこう総研のタニカワです。「ああ~夏休みも終わり。学校へ行くなんてストレスで死にそう」なんて思っている学生さんもいるかもしれません。

ストレスは有害なのか

ストレスを感じると、体の中では、心臓の血管や、神経などに変化がでてきます。そもそも「ストレスを感じる」と思う場面は、嫌な事をしなければならない時や、我慢をしなければならない時ではないでしょうか。そんな時は、体の中で「コルチゾール」と「アドレナリン」というストレスホルモンが分泌します。嫌な場面にカラダは立ち向かおうと準備をしている時なのです。「アドレナリン」というストレスホルモンの名前はご存知の方が多いと思います。そうアスリートなどが、勝負の前に「アドレナリンが出て、やる気がでてきた! 勝つぞ!」なんてたまに言っているのをテレビで見たことがあると思います。
ストレスとは、困難な状況にぶつかったときに最大の味方になります。敵どころか頼みの綱ともいえる反応なのです。

ストレスは、嫌なことに立ち向かう準備運動

トラウマ体験をした人で、その反動で強いストレスを受けた場合の方が長期的な回復につながる可能性が高いという研究報告があります。近年の研究では、ひどいトラウマをもった患者さん【※ここで注意していただきたいのが、精神疾患(トラウマ)患者さんと、トラウマを抱えているけど社会でなんとか働いている方とは全く違うということを、ちょっと頭に入れてお読みくださいね】コルチゾールと言うストレスホルモンを3か月間投与した結果、激しい恐怖や苦痛が薄れてきたという症例報告もあります。ここで患者さんと社会人は違うと断っておきながら矛盾していないか?と思いましたね。しかし、この治療法による結果でい言えることは、トラウマ患者さんのようなメンタルヘルス疾患者に、心理療法などののカウンセリング前にストレスホルモンを投与すると、不安症や治療効果が高まるということが明らかになっています。

ストレスはすべて悪いものだと思い込んでいませんか?

嫌な気持ちの時に、心臓がドキドキしたり、胃がギュッと締め付けられたり、お腹が痛くなったりするたびに「どうしよう」とさらに焦っておどおどしてしまうのは当然かもしれません。もし、ストレスを感じた時焦ってしまう前に、ストレスをうまく利用すればむやみな恐れはなくなるはずです。ストレスは、嫌だと感じる状況にしっかりと向き合い、周囲の人とのつながりを深めるのに役立て甲斐があるものだということに、貴殿ならきっと気づけるはずです。

なぜストレスが悪者あつかいされるようになったのか

1936年、ハンガリー学者ハンス・セリエは、雌牛(めうし)の卵巣から採ったホルモンをラットに注射して観察をしました。不幸なことに注射されたラットは全員ひどい病気になってしまいました。しかし、ハンス・セリエは注射をやめませんでした。雌牛の胎盤から採ったホルモンを注射したり、食塩水を注射したり、雌牛の肝臓や脾臓の抽出物を注射したりしました。こうして書いているだけでいくら研究と言えど、狂気としか言えませんねハンス・セリエという学者は。もちろん全ての実験でラットたちは病気になりました。

しかし、セリエはこの最悪の結果に対して、こう考えたのです。「ラットたちが病気になったのは、注射の中身のせいではなく、注射針でカラダを刺されること自体が原因なのではないか?」

そしてセリエは、ラットたちに様々な苦痛を与えたところ今迄と同じ症状が現れることが判りました。さらに極度の暑さは寒さ、休みなしの運動や、大騒音、毒の投与などを行い、全てのラットが3日もたずに死んでしまいました。

こうして「ストレス」は、セリエによってラットに苦痛を与えた方法として定義づけされました

セリエの定義に従がい、毒物注射や、外傷や、悲惨な実験などに対するストレスだけでなく、行動や、適応力が必要な日常生活までも含まれることになってしまいました。最初にセリエが、ストレスを言う言葉を身体用語として定義したために、『ストレス社会』と言う流行語までをも生み、ストレス=悪の対象となってしまったのです。

ラットと人間は違う

ハンス・セリエはストレス学説の提唱者として、ノーベル賞候補者として10回も名前が上がるほどに有名になりました。セリエがもたらした最大のマイナス遺産は、世界中に今に至るまで「ストレスは有害」と信じ込ませたことではないでしょうか。セリエの定義する「ストレス」はあまりにも広範囲でありすぎました。だって日常生活での嫌な事とラットの実験が同じ扱いで提唱されているのですから。

1970年になり、セリエはようやく「ストレスにも、良いストレスと悪いストレスがある」とストレスの解釈を撤回しました。

小さな体のラットが実験で経験したストレスも、ストレスなどではありません。ラット版「イカゲーム」です。本当の意味のストレスについて知れば、ストレスに対する恐怖が減り、ストレス対処できる自信が湧いてくるはずです。さあ、私と一緒に、貴殿のストレスに立ち向かっていきましょう。

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