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徹夜や残業で起きる“ランナーズハイ”の正体と職場のリスク管理
2025年5月15日更新
徹夜明けの爽快感、ランナーズハイに隠された科学
徹夜明けに感じる「異様な爽快感」や「何でもできそうな高揚感」──
その正体は、脳が極度のストレスと疲労を感じたときに分泌する“脳内麻薬”にあります。
これは「ランナーズハイ」と似た状態で、働きすぎによる一時的な脳の興奮反応とも言われています。
今回はそのメカニズムと、職場で見落とされがちなリスク、そして対策をお伝えします。
ランナーズハイとは何か? 体内で働く天然のモルヒネ
ランナーズハイとは、運動時に分泌される「ベータ・エンドルフィン」という物質がもたらす、幸福感と鎮痛効果が合わさった状態です。
このホルモンは、脳内で働き、痛みや疲労を緩和しながら気分を高めてくれます。
徹夜仕事でもランナーズハイになる理由
運動していなくても、脳が極度の負荷を受けた状態では同じようにエンドルフィンが分泌されることがあります。
徹夜作業は、脳にとって“フルマラソン”と同じ負荷。
その結果、まるで「やり切った!」というような高揚感が生まれるのです。
脳内での化学反応がカギ!セロトニンとランナーズハイ
セロトニンは“幸せホルモン”と呼ばれ、脳内のバランスを整える役割を持っています。
ベータ・エンドルフィンと同様に、ストレス時にも一時的に分泌され、興奮や高揚感につながります。
ランナーズハイの副反応
脳の化学反応は強力ですが、一時的なもの。
セロトニン不足が続けば、反動でメンタル不調や疲労感が増すリスクも。
一過性のハイに頼ることは、職場の集中力低下・判断ミスにもつながります。
ランナーズハイをポジティブに引き出す方法
1. 適度な運動を取り入れる
軽いウォーキングやストレッチでも、脳内ホルモンは安定します。
朝の運動は1日のパフォーマンスにも効果的です。
2. トリプトファンを含む食事を摂取
セロトニンの材料となる「トリプトファン」は、ナッツ類・バナナ・鶏肉・乳製品に多く含まれています。
3. 徹夜を避け、規則正しい生活を心がける
ハイ状態は長く続きません。質の高い睡眠と休養が、健康と集中力を維持します。
ランナーズハイに頼りすぎないために
一時的な“脳のハイ”ではなく、日常的に安定した働き方を目指すことが大切です。
ストレスと上手に付き合い、再現可能な快適状態をつくるには、**科学的な理解と対策**が欠かせません。
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けんこう総研代表取締役社長
産業ストレス管理専門家
最終学歴:国立東京大学大学院研究生