健康リーダー応援コラム
ストレスは「悪」ではない?メンタルヘルスの基礎
2024年4月29日更新
現代社会は忙しさに満ち、心身ともに疲れを感じることが増えています。特に、企業や行政機関の人事・総務担当者にとって、従業員の健康管理は重要な課題です。メンタルヘルスに関する理解を深めるために、けんこう総研代表のタニカワ氏が、ストレスとの付き合い方についてお話しします。
ストレスとは何か?
「ストレスはカラダに悪いもの」との一般的な考え方は、以前「ストレスと疲労は味方か敵か」というコラムでお話させていただきました。ハンス・セリエ氏(1907〜1982)の実験に由来します。彼はネズミに対して様々な有害因子を与え、副腎機能の肥大、脳やひ臓の萎縮、胃腸の潰瘍などの症状を確認しました。しかし、これは極端な環境下での生理的反応であり、日常生活で生じるストレスとは異なります。
ストレスは成長のスパイス?
セリエ自身も、後に「ストレスは人生のスパイスである」と述べています。人間はストレスを受けることで成長し、より強くなることができるのです。ですから、ストレスを悪者と考えるのではなく、成長の糧としてポジティブに受け入れることが重要です。
ストレスと長寿の関係
ボストン大学医学部の研究によれば、楽観的な人は、より長生きする傾向があることが示されています。楽観的な人は、ネガティブな感情にとらわれず、ストレスを軽減することができるからです。この研究では、楽観的な人々が11〜15%長く生き、85歳以上の長寿に達する可能性が高いことが示されました。
ストレスとの付き合い方
ストレスを楽観的に受け入れることができれば、健康的な老化と長寿に役立ちます。しかし、すぐに考え方を変えるのは難しいかもしれません。そこで、ストレスを成長のスパイスとして捉え、人生の質を高める方法を見つけましょう。仕事で失敗したときは、悔しさをバネに頑張り、恋人に振られたときは、新しい出会いを楽しむことです。
ストレスを抱えたとき、負の側面だけでなく、成長の機会として受け止めることで、心持ちが軽くなることを願っています。健康管理担当者として、従業員のメンタルヘルスをサポートし、ストレスを前向きに捉える文化を育てていくことが大切です。