健康経営戦略・KPI・エビデンス
健康経営の視点で進める労働安全衛生教育| ルールが守られる職場をつくる「安全意識」の再設計
なぜ安全ルールは守られないのか
― 健康経営の視点から考える労働安全衛生 ―
多くの職場で、次のような悩みが繰り返し聞かれます。
- 保護具や作業手順を定めているのに、守られない
- 設備投資や安全装置を導入しても、災害が減らない
- 毎年安全教育をしているが、意識が定着しない
- パトロールをしても、行動が変わらない
これらは、ルールや設備が不足しているから起きている問題ではありません。
多くの場合、原因は「人の認知と行動の仕組み」にあります。
健康経営の視点では、
労働安全衛生を「管理項目」ではなく、
人の行動が安定するための組織設計として捉え直す必要があります。

事故は「悪意」ではなく「脳の自働化」から起きる
人の脳は、繰り返し行う作業を効率化するため、
行動を無意識に処理する**自働化(自動化)**の仕組みを持っています。
この自働化そのものは悪いものではありません。
しかし、
- 慣れ
- マンネリ
- 思い込み
が重なると、
目に入っているはずの変化に気づけなくなる状態が生まれます。
多くのヒューマンエラーや労働災害は、
「分かっていなかった」ではなく、
「気づけなかった」状態から発生しています。
健康経営に必要なのは「安全意識を上げる教育」ではありません
安全衛生教育が形骸化する理由は、
「意識を高めよう」としてしまう点にあります。
意識は、
- 知識を与えるだけ
- 注意を促すだけ
では、長く維持できません。
健康経営の視点では、
自分で気づき、立ち止まり、判断できる力を育てることが重要です。
その鍵となるのが「メタ認知」です。
メタ認知とは何か
― 安全行動を“自分ごと”にする力 ―
メタ認知とは、
自分の考え方や行動を一段上から捉え直す力です。
メタ認知が働くと、人は次のような問いを自然に持つようになります。
- なぜ今、この行動を取ろうとしているのか
- いつもと同じやり方で問題ないか
- ルールの意味は何だったか
この「一瞬の立ち止まり」が、
自働化による見落としを防ぎます。
AI時代だからこそ、メタ認知は重要になる
今後、さまざまな業務がAIによって自働化されていく中で、
人に求められる役割は変わります。
- 正確に指示されたことを繰り返す
から - 状況を判断し、異常に気づき、修正へとシフトしていきます。
労働安全衛生においても、
**「考えずに守る人」ではなく、「考えて行動を選ぶ人」**を育てることが、
健康経営の重要なテーマになります。
メタ認知に基づく労働安全衛生教育プログラム概要
けんこう総研では、
脳科学・行動科学の知見をもとに、
**安全意識を“仕組みとして定着させる教育”**を行っています。
問題解決シミュレーション
実際の職場で起こり得る状況を題材に、
「自分ならどう判断するか」を考える演習を行います。
思考プロセスを言語化することで、気づきの質を高めます。
模擬トレーニング
実務を想定した模擬環境で、
安全判断を求められる場面を体験します。
知識を「使える判断」に変えることを目的としています。
ケーススタディ
実際に起きた労働災害やヒヤリ・ハット事例を分析し、
なぜ気づけなかったのか、どこで判断が止まったのかを整理します。
体験型ワーク(ゲーム・演習)
楽しさを取り入れながら、
注意の偏りや思い込みに気づく体験を行います。
「分かったつもり」を防ぐための重要な要素です。
健康経営としての労働安全衛生が目指すもの
けんこう総研の労働安全衛生教育は、
「事故を減らす」ことだけを目的にしていません。
- 行動が安定する
- 職場の声掛けが変わる
- 管理職の関わり方が変わる
- 組織としてリスクに強くなる
こうした変化を通じて、
人が安心して働ける基盤をつくることを目的としています。
まとめ
― 安全意識は、教えるものではなく育てるもの ―
- ルールを増やすだけでは、行動は変わらない
- 設備投資だけでは、ゼロ災は達成できない
- 人の認知と行動を理解することが、健康経営につながる
労働安全衛生を、
健康経営の中核に位置づけた運用へ。
それが、けんこう総研の考える
「安全意識が定着する職場づくり」です。