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ストレス研究memo

タニカワ久美子のストレス管理研究Vol.154

2024年10月15日更新

こんにちは、けんこう総研のタニカワ久美子です。
日本ストレス学術総会に向けた私の研究の続報です。今回は、運動習慣の有無および不安顕在度(高・標準)がストレスレベルに与える影響を4群で比較した結果について報告します。

タニカワ久美子講師のオンライン研修写真

本研究は、デスクワーカーを対象に、職場内の会議室で実施された無料セミナー形式の運動プログラム中に、心拍変動(HRV)とストレスレベルをリアルタイムでモニタリングし、職場環境におけるストレスマネジメントの効果的手法を検証し、個別化されたアプローチの可能性を探りました。


7日前のブログから来る11月の日本ストレス学術総会での研究発表の備忘録を書いていきます。
7日前のブログ(研究背景)はこちらです。
6日前のブログ(研究結果と解釈)はこちらです。
5日前のブログ(研究結果と解釈)はこちらです。
一昨日の検定結果はこちらです。

じつは以前にも背景を書いているのですが、いまいちど推敲して書き直してみました。。全貌を一目したい方はどうぞ日本ストレス学術総会11月3日にいらっしゃってください。

研究背景

現代社会において、デスクワーカーは日常的に高いストレスにさらされており、これが身体的および心理的な健康に悪影響を及ぼすことが広く知られている。特に、心拍変動(HRV)は自律神経系の機能を反映する重要な生理的指標であり、ストレス管理の効果を評価するための有力な手段である。HRVの低下は、交感神経の過剰な活性化を示し、メンタルヘルスの悪化や心血管系疾患のリスクが増加することも報告されている。

運動がストレス軽減に寄与することは、これまでの多くの研究で実証されている。定期的な運動はストレスホルモンであるコルチゾールやアドレナリンのレベルを低下させ、心拍数や血圧を正常範囲に保つ効果が確認されている。さらに、運動によりHRVが改善し、副交感神経の優位性が高まることで、ストレス耐性が向上するという先行研究もある。しかし、すべての人が運動に対して同様に反応するわけではなく、運動習慣や心理的特性によってストレス反応の個人差が見られることも課題である。

従来の研究では、HRVやストレスの評価は制御された環境で行われることが多く、日常的な職場環境でのリアルタイムモニタリングに関する研究は限られていた。本研究では、現実的な職場環境でのリアルタイムデータを用いることで、個別化されたストレス管理手法の効果を検討する。

特に本研究では、Garmin製ウエアラブルデバイスを使用した。GarminデバイスはAPIを無償提供しており、心拍数やストレスレベルなどの生理的データをリアルタイムで収集し、スマホアプリ(Garmin Connect)を通じてクラウドに同期させることが可能である。APIを活用することで、データをPC上にダウンロードし、大規模なデータ処理も可能となる。これにより、デスクワーカーの日常業務中におけるHRVとストレスレベルの変動を観察し、運動習慣の有無がこれらの生理的指標に与える影響をより現実的な条件下での評価をおこなう。

研究目的

本研究の目的は、デスクワーカーの心拍変動(HRV)とストレスレベルを、職場内の会議室で行われた無料セミナー形式でモニタリングし、運動習慣の有無および顕在性不安度がこれらの生理的指標に与える影響を評価することである。セミナーでは、先行研究でストレス軽減効果が確認されている運動プログラムを1時間実施し、その間、参加者のHRVとストレスレベルの変動をリアルタイムで観察した。この実践的な場面において、運動がストレス管理にどのような影響を与えるかを検証することを目指す。

具体的には、以下の点を検証した。

1.運動習慣の有無がHRVとストレスレベルに与える影響
運動習慣があるグループとないグループにおけるHRVおよびストレスレベルの違いを評価した。

2.顕在性不安度がHRVとストレスレベルに与える影響
特に不安度が高い参加者に対して、運動がどのようにストレス反応に影響するかを検証をおこなった。

3.リアルタイムモニタリングによるストレス管理の有効性評価
Garmin製ウエアラブルデバイスを用いたリアルタイムモニタリングを通じ、運動がストレス軽減にどの程度効果を発揮するかを詳細に分析した。

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