「心」「カラダ」を支えるけんこう総研ストレスマネジメント 株式会社けんこう総研 - 運動と栄養指導による健康セミナー・健康経営コンサルティング

こんにちは、けんこう総研のタニカワです。
このストレス管理研究ブログは
・「ストレス管理とインターオセプション/内なる感覚が健康に与える影響」
・「ストレス管理とインターオセプション/内なる感覚が健康に与える影響」
・きのうの「体内感覚を活用した新しい習慣形成法」
のつづきです。

内受容とは何か：身体の内部感覚と意思決定

私たちの身体には「前反省的な意図性」が存在し、それが生命力を維持するために重要な役割を果たしています。内受容は、身体の内部の感覚を感知するプロセスで、前反省的な意図性に深く関わっています。身体の内部状態に対する感覚が、意識的な意思決定を助けるだけでなく、無意識の反応にも影響を与えるためです。

内受容（インターオセプションinteroception）は、身体の内部状態を感知する能力のことを言います。
意識的・無意識的な意思決定にも影響を与えます。たとえば、体調が優れない時、普段は簡単にこなせる仕事も難しく感じることが前反省的意図性です。内受容は単なる受動的な感覚ではなく、外部の感覚とも積極的に関わり、環境に適応するための重要な習慣となっているのです。

「前反省的な意図性」とは

「前反省的な意図性」とは、私たちが自覚する前にすでに身体や感覚が反応し、意図的に行動を選択するような状態のことを指します。これは、日常の多くの行動に現れる自然なプロセスです。特に自分で意識していない身体の反応や無意識の行動に見られます。

その他にも、
・熱いものに触れた瞬間に手を引っ込める反応
・周囲の状況に合わせて姿勢を変えたりすることは、意識的に考えた結果ではなく、体が先に反応しているものです。このような反応を「前反省的」といい、それを支える意図性、すなわち行動を方向づける力が「前反省的な意図性」です。

自己追跡デバイスとインデックス記号の役割

自己追跡デバイスに内受容を組み込むことを考える際に、フロストの「注意深い身体」という概念が参考になります。
フロスト女史は、身体は単なる受動的な存在ではなく、感覚や感情、主体性に深く関わるものであると述べています。特に、パースの「インデックス記号」を用いて、身体がどのように感覚的な意味形成に関与しているかを説明します。インデックス記号は、特定の原因や状況を指し示す記号であり、たとえば砂に残った足跡が人の通過を示すように、何かを指し示して注意を喚起します。

自己追跡デバイスにおいては、インデックス記号は触覚フィードバックなどの形で現れ、目標達成（例：歩数）や身体の生理的変化（例：心拍数の上昇）を示すものとして理解できます。このようなフィードバックは、身体の感覚に注意を向けさせる役割を果たします。

身体の注意深さと内受容意識の関連性

フロスト女史は、インデックス記号が未来に対する注意を引き寄せる能動的な要素を持つことを強調しています。インデックス記号は、過去の経験と結びつきながら、未来に起こりうる出来事を予感させ、身体を行動に備えさせるのです。たとえば、ハンターが鹿の足跡を見つけ、その新しさから獲物の近さを計算するように、身体はインデックス記号を通して次に起こることに備えます。

クリストファー・ステファンは、予感や予期は様々な感覚で表現されると主張しています。

内受容意識が高まることで、私たちは身体状態や感情的な状況に基づいて行動を選択しやすくなります。また、研究によれば、内受容意識が高いほど、負の出来事を予期する能力も向上することが示されています。自己追跡デバイスがインデックス記号を通して身体を注意深くさせるならば、それは内受容意識を高め、より適切な行動選択を促すことが期待できます。

自己追跡デバイスの使用が内受容意識に与える影響

自己追跡デバイスがどのように内受容意識に影響を与えるかについては、デバイスの使い方やデータの提示方法が重要です。次のセクションでは、これらの要素が内受容意識にどのような影響を与えるのか、さらに詳しく探っていきます。
明日はInteroception and Ambient versus Numerical Representations of Data「内受容とデータの環境的表現と数値的表現」
についてわかりやすく解説していきますね。