ストレス研究memo
性格に合った運動でにストレス管理で効果が違う!Vol.129
2024年8月25日更新
突然ですが、運動がストレス解消に効果的だと聞いたことはありますよね?でも、「運動が苦手で、むしろストレスが増える気がする…」と思ったことはありませんか?
実は、それはあなただけではないんです!最新の研究によれば、運動の効果はあなたの性格や個人的な好みによって大きく異なることがわかっています。では、自分にぴったりの運動を見つけて、より効果的にストレスを解消する方法を一緒に探してみましょう!
調査対象者
EkkekakisとPetruzzelloの「急性有酸素運動が感情に与える影響と、その用量反応関係についての研究」は、運動が心理的ストレスに与える影響を調査するために、様々な性格の被験者を対象に行われました。
研究の調査対象者のバランスを保ち結果の一般化可能性を高めるための抽出条件
調査対象者は、年齢は18歳から35歳で約150名です。男女比はおおよそ半々。被験者の選定基準として、健康状態が良好であること、特定の精神的・身体的疾患がないことが条件とされました。さらに、運動経験やフィットネスレベルも考慮され、運動経験が少ない者と日常的に運動を行っている者のバランスが取れるよう配慮されました。
参考文献
Ekkekakis, P., & Petruzzello, S. J. (1999). “Acute aerobic exercise and affect: Current status, problems and prospects regarding dose-response.” Sports Medicine, 28(5), 337-374.
原著論文はこちらから閲覧できます
方法
被験者の個性を測定するために「NEO-FFI」(Five-Factor Inventory)などの標準化された心理測定ツールが使用されました。「NEO-FFI」は、被験者の外向性、神経症傾向、開放性、誠実性、協調性といった主要なパーソナリティ特性を評価するものです。
運動の心理的効果を測定するために、被験者は異なる種類の運動プログラムに参加しました。有酸素運動(ジョギング、サイクリング)と、無酸素運動(筋力トレーニング)、およびマインドフルネスを取り入れた運動(ヨガ、ピラティス)があります。運動セッションは各30分間で、週3回、6週間にわたって実施されました。各セッション後に、心理的ストレスレベルや気分状態を測定するために、POMS(Profile of Mood States)やSTAI(State-Trait Anxiety Inventory)といった評価ツールが使用されました。
被験者はまた、各運動の前後でストレスホルモン(コルチゾール)レベルを測定するために、唾液サンプルを提供しました。これにより、運動が生理的なストレス応答にどのように影響するかを分析しました。
運動がストレスホルモンの分泌を調整し、心理的な安定感を促進する
社交的な性格だと、社会的相互作用を伴う運動からストレス軽減できたと感じた。・内向的な性格は静かな環境での運動からより多くのストレス軽減を感じた。
・神経症傾向が高い被験者は、運動後に特に大きなストレス軽減効果を感じた。
・有酸素運動が無酸素運動よりも効果的であることがわかりました。
これは、
運動がストレスホルモンの分泌を調整し、心理的な安定感を促進する
可能性があることを示しています。
フィットネスレベルによってストレス反応が異なる
さらに、フィットネスレベルによっても反応が異なることが示されました。
・日常的に運動を行っている被験者は、最初から一貫してポジティブな効果を感じた。
・運動経験の少ない被験者は、初期段階では運動に対して否定的な反応を示しました。
プログラムの進行とともにポジティブな感情が増加し、ストレスレベルが低下する傾向が見られました。一方、日常的に運動を行っている被験者は、最初から一貫してポジティブな効果を感じていました。
研究の限界点
この研究にはいくつかの限界点が存在します。
1.サンプリングバイアス
調査対象者の年齢範囲が限定されているため、より高齢の成人や他の年齢層に対する結果の一般化は難しい点です。
2.サンプルサイズが比較的小さいため、結果の再現性や他の集団への適用性については慎重な解釈が求められます。
3.被験者の自己申告に基づくデータが主であるため、バイアスの可能性も否定できません。
心理的ストレスや気分の変化に関する報告は主観的であり、他の客観的な指標と比較して慎重に解釈する必要があります。
4.運動の種類や強度が限られている点も考慮すべきです。異なる種類の運動や異なる強度の運動が、異なるパーソナリティ特性に対してどのように影響するかについてのさらなる研究が必要です。また、運動の長期的な影響を評価するためには、より長期間の追跡調査が求められます。
まとめ
EkkekakisとPetruzzello(1999)の研究は、個人のパーソナリティ特性やフィットネスレベルが運動による心理的効果にどのように影響するかを示す研究でした。この研究は、ストレス管理やメンタルヘルス改善のために、個人に合った運動プログラムを設計するのに重要です。
いかがでしたか?運動と一口に言っても、あなたの性格や好みによってその効果は大きく変わることがわかりましたね。次回のジムやフィットネスクラスでは、自分の性格に合った運動を選んでみませんか?きっと、いつも以上にリフレッシュした気分を味わえるはずです!さあ、自分にぴったりの運動を見つけて、楽しくストレス解消していきましょう!