健康リーダー応援コラム
徹夜明けに感じる“ランナーズハイ”のメカニズムとその活用法
2025年2月8日更新
徹夜明けの爽快感、ランナーズハイに隠された科学
徹夜明けに一瞬感じる「異様な爽快感」や「何でもできそうな高揚感」を体験したことはありませんか?
この現象は、いわゆる“ランナーズハイ”と呼ばれるものに似た状態で、ストレスや疲労からくる一時的な脳の働きが関係しています。今回はそのメカニズムや対策について深掘りし、日々の健康管理に役立つ情報をお届けします。
ランナーズハイとは何か? 体内で働く天然のモルヒネ
ランナーズハイの正体は、脳内で分泌される「ベータ・エンドルフィン」という物質です。この物質は、モルヒネに似た構造を持ち、痛みを和らげると同時に、私たちに幸福感を与える働きがあります。マラソンや長距離ランニングを続けると、徐々にこの物質が増え、走る苦痛が快感に変わる――これがランナーズハイです。
徹夜仕事でもランナーズハイになる理由
「運動をしていないのに、なぜ徹夜でランナーズハイ?」と不思議に思うかもしれませんが、徹夜作業は脳にとって“フルマラソン”をしたのと同じ負荷がかかります。脳は、体全体に網目状に張り巡らされた血管に囲まれているため、長時間の活動によって疲労物質が蓄積し、その影響でエンドルフィンが分泌され、爽快感が引き起こされるのです。
脳内での化学反応がカギ!セロトニンとランナーズハイ
ランナーズハイと密接に関わるもう1つの要素が“セロトニン”です。
セロトニンは別名「幸せホルモン」とも呼ばれ、気分を安定させる効果があります。
抗うつ薬の多くも、このセロトニンの再吸収を抑えることで、脳内のセロトニン量を増加させています。
ランナーズハイの副反応
研究によれば、徹夜後に分泌されるベータ・エンドルフィンは、セロトニンの分泌にも影響を与え、気分の高揚感や一時的な幸福感をもたらします。
しかし、これには注意が必要です。
ランナーズハイによって得た爽快感はあくまで一時的なもの。
セロトニン不足が続くと、再び気分の落ち込みや疲労感が襲ってくるため、持続的な対策が必要です。
ランナーズハイをポジティブに引き出す方法
1. 適度な運動を取り入れる
ランニングやジョギング、軽いウォーキングでも十分にベータ・エンドルフィンを分泌させる効果があります。朝の運動は特にセロトニンの分泌を促進し、1日中気分を安定させる効果が期待できます。
2. トリプトファンを含む食事を摂取
セロトニンの材料となるアミノ酸“トリプトファン”は、バナナ、ナッツ類、チーズ、鶏肉、豆類に多く含まれています。これらを積極的に摂ることで、自然とセロトニンの分泌をサポートできます。
3. 徹夜を避け、規則正しい生活を心がける
ランナーズハイは一時的な爽快感をもたらしますが、その反動で午後には強い倦怠感や集中力の低下を招きます。日々の健康を考えるなら、なるべく徹夜を避け、質の良い睡眠を確保することが大切です。
ランナーズハイに頼りすぎないために
「ハイテンション」という言葉が示す通り、持続的な興奮状態は心身に負担をかけます。適度な休息を取り入れながら、自然な形でのランナーズハイを楽しむことがポイントです。
今後は、徹夜のランナーズハイではなく、日々の適度な運動とバランスの取れた食事で気分の高揚感を引き出す生活を目指してみてはいかがでしょうか?あなたの健康と幸福感のために、無理のない範囲で実践してみてくださいね。
けんこう総研では、心身の健康に役立つ情報を毎日発信しています。
ぜひ他の記事もチェックしてみてください!