健康リーダー応援コラム
オンライン研修強いストレスは痩せて中ストレスでメタボになるのは
2021年9月5日更新
「タニカワ先生、あの説明はわが社にとって大変よい刺激になりました!ありがとうございます!」 先日、不規則な食事習慣の改善の研修プログラムの中でで、お話ししたことへの嬉しいお言葉です。
けんこう総研では様々な研修をおこなっていますが、研修の中でご依頼が突出して多いメンタルヘルス対策で、メンタルヘルス疾患を患うとなりやすいメタボリックシンドロームへの起因事例を述べたのですが、複数の研修参加者からも「大事な視点」としてお礼いただいたのですが、端的に申し上げれば……
メンタルヘルスとメタボリックシンドロームの相関関係
メンタルヘルス対策の一次予防、言い換えると、メンタルヘルスケア(注 メンタルヘルス(心の健康)治療はメンタルヘルス・キュア)と、メタボリックシンドロームは、強い相関関係があります。
「えっ、そんなことはない!心の中に悩みや不安があったら食事ものどに通らなくなって、ふつう痩せてくるでしょ。メタボになんてなるはずがない」と反論される方が多くいらっしゃると思います。ハイ、その通りです。ストレスチェックで高ストレス者と診断された方は、おそらく痩せ体型でしょう。しかし、慢性的に同じストレスを受けていたり、ある程度のストレス耐性があったりする方だと逆に太ってきてしまうのです。
学生時代は運動部で、仕事もバリバリこなせる中堅社員はメタボになりやすい
ストレス解消法の是非は今回のコラムでは述べませんが、アルコールや甘いものでストレスが軽減できる程度のストレスであったら痩せることはないのです。高強度なストレスというのは、食欲はなくなりますから。実は、初めて私、カミングアウトしますが
昨年のメンタルヘルスケアの教科書執筆によりで10kgも太りました。けれども、今年に入り正月三ケ日過ぎた4日にパートナーがクモ膜下出血で倒れました。不幸中の幸いで一命はとりとめましたが、私の体重は10日間で6kg減量してしまいました。
メタボになる人は、いつも軽いストレスを受けている人
そもそもメタボイコール太っている人と思っていませんか?それは多いなる誤解であり間違いです。メタボは、言わば軽~中程度のストレスを持った人と考えたらよいのではないでしょうか。ダイエットしようと思っていても、さまざまなストレスの弊害を受けている人を考えてくださってもよいでしょう。
メタボとは、脂肪細胞から分泌されるアディポサイトカインの病態
ここでちょっと、メタボについて正確な説明をしますね。メタボ=太っているは正しいと言えば正しいのですが、太っている人でもメタボではない人は大勢います。それは、太っている人の細胞には、脂肪細胞がふつう~痩せ体型の人より多いです。この脂肪細胞には、コレステロール値を上げるPA-1や、血糖値を上げるTNF-αや、滅圧を上げるアンデギオテンシノーゲンといった因子が含まれているのです。最悪なことに、お腹がいっぱいなのに、脂肪細胞が増えると、という食欲を抑制させる脳からの指令波『レプチン・アディポネクチン』の箍(たが)を外してしまい「何か食べたい、食べても食べても満たされない」といった食欲を増大させるとに注目してください。
痩せホルモンと呼ばれているアデポネクチィン
ストレスがたまると、女子は甘いものを食べて、男性はお酒でも飲んで憂さ晴らしをしませんか?でもこれ、特にチョコレート類は食べれば食べるほど食べたくなる作用が働いてしまいます。またの機会にご説明しますが、チョコレートは脳内で、驚くような作用を及ぼすのでこれからバレンタインディですが、たくさんいただいても食べる際は注意してくださいね。閑話休題、アディポネクチンは、脂肪細胞から分泌されています。脂肪が多く太った人のほうがたくさん分泌されるのでは? と考えがちですが、事実は逆で、太った人はアディポネクチンは分泌されにくくなるのです。脂肪の種類でも内臓脂肪が多くなればなるほど、アディポネクチンの分泌量が減ってしまうことがわかっています。そのメカニズムに関しては、未だ全容は明らかになっていません。
ストレスに晒されているメタボは自覚症状がない
ストレスに晒されているメタボリックシンドロームと診断されていた方は、メタボ(和名:内臓脂肪症候群 metabolic syndrome)の身体的病気や、メンタルヘルス不調のどちらも自覚症状をもっていません。メタボは進行すると、虚血性心疾患や動脈硬化性疾患(脳や心臓に関連する大病)になります。
ストレスとメタボには運動でストレス解消とメタボ予防
メタボリックシンドロームの予防でもっともじゅうようなのは、食べることに中地することと同時に運動を取り入れることです。これはメタボ予防だけではなく、慢性的なストレス解消法としても運動を取り入れていただくことをお勧めします。運動により身体活動量を増やすことで、ストレスの軽減にも大いに役立ちます。ストレスは蓄積させないで、嫌なことがあったら、その場ジョギングやその場足踏みは心の平静化にかなり役立ちます。今、職場で私のコラムをご覧になっていらっしゃる方でストレスがあったら、人目のつかないところで「その場ダッシュ」してみませんか。
今日も元気に 今日も健やかに。