健康リーダー応援コラム
オンライン研修ストレスセミナー/高ストレスになる前に実践したい
2021年8月30日更新
ストレス研修セミナーを、今年上半期も全国からご依頼がありオンラインで実施しました。
「タニカワ先生、今日は気合がはいってますね。」とメンタルヘルス講演セミナー前に、お声がかかりました。実際今日は、参加者が多くそれだけメンタルヘルスに興味関心をお持ちの方が多く注目されているということですので、肌感覚で伝えたいとちょっと気合いれてました。
心理的にうける気持ちは、どうやってコントロールする?
私に限らず、仕事をするうえで様々な局面で、ご自分が意識するしないにかかわらず、私たちは自己の内側から外側からいろいろな心理的な刺激を受けながら仕事をおこなっています。職場で浴びているこの心理的刺激のことをストレッサーと呼びます。心理的刺激(ストレッサー)を受けると、不安を覚えたり、緊張したりするほか、喜びんだり悲んだりと心が同様しますよね。気持ちの揺れ動きは、エモーション経験と言って、心理的刺激によって生体反応をしている証拠です。神様のように俯瞰してみると「私が生きている証拠!生命体の証明」なんです。でも実際問題、ストレッサーを浴び続けて生活しなければならない私たちビジネスパーソンにとって、いちいち生体反応していたら身体がもちませんよね。
そこで今回は、エモーション経験からくるネガティブな心の揺れ動きによる緊張(覚醒)を取り上げます。緊張をどのようにコントロールすればよいかのお話しです。
職場でおこる緊張と不安
一般的に、緊張したり、その場所に漂う緊張感は、ご本人が意識されている覚醒です。意識された覚醒である緊張や緊張感は、体の中で沸き起こっている生理的・心理的活動が混ぜあわさって感じるものです。例えば、取引先の会議室でプレゼンを行うといった、特定のシチュエーションが動機付けとなって強度を増します。
緊張は、思考や運動をつかさどる大脳皮質が興奮するから
緊張は、思考や運動をつかさどる大脳皮質の興奮の強さと関係しています。緊張の強さは、緊張どころか、うとうと眠たくなるようなまったく興奮していないレベルから、大ファンのアイドルスターのライブを観て熱狂するといった非常に興奮したレベルまでを、絶えず変化させていることがわかっています。私たちは、緊張すると、心理的にも身体的にも活性され、心拍数や呼吸数が増加し、冷や汗や脂汗をかくことになるのです。緊張の他に、不安になったり、イライラしたり、心配したりエモーション経験は、マイナスの身体の活性化とネガティブ情緒状態になっています。
緊張や不安を引き起こす原因は
マイナス思考は、“”認知的不安”と脳科学では呼ばれています。また冷や汗や動悸が激しくなるのは”身体的不安”と呼びます。
不安は、
1.メンタルヘルス不調にはあまり影響を及ぼさない性格的な不安
と、
2.シチュエーションに対してストレス反応として喚起される状態での不安
とに分類されます。
1の性格からくる不安は、脳科学・心理学用語で特性不安と言います。2の状況からくる不安は、状態不安と言います。
特性不安と状態不安は、メンタルヘルス対策では重要な分類となります。
緊張や不安は、生活環境と個人の問題が影響してストレス反応として起こります。
ふつう、仕事の重要性が増せば増すほどストレスは大きくなります。その仕事に対するご本人の思い入れや熱意に見合った評価がされればハッピーなことなのですが、「どうなるかわからない」「たぶん上司にまたダメ出しされるだろう」といった感情や評価に対して、感じる不確定性の程度が大きくなればなるほど状態不安とストレスは大きくなります。
性格からくる不安の3要素
1.特性不安
特性不安が高い性格とは、取引先のプレゼンや営業をかける場面で、驚異的な不安を敏感に感じやすい人です。言い換えると、その場の空気を読むのに長けているので、他の人よりも気疲れしやすいのです。
2.自尊感情
自尊感情とは、空気を読む知覚と、状態不安の変化に関係します。自尊感情が低いとちゃんと出来ているのに「自信がない」と感じ不安をおこします。
3.社会的体格不安
社会的体格不安とは、自尊感情とも深く相関関係があります。他者と会うとき、体型や顔を見られストレスを感じます。最近では、真アレルギー症状やウイルス予防のためにつけるマスクではなく、顔を見られたくないために1年中外出時にマスクは欠かせない方は少なくありません。
緊張感は、あったほうが良い? ないほうが良い?
緊張や不安といったエモーション経験が、職場でのパフォーマンスに対してプラス人働くにか、マイナスに作用するのかは、最終的な結論は未だでていません。軽い緊張感は作業事故をなくしたり、やる気を奮起させたりもします。逆に、緊張感がないのもリラックスした状態でもあるので生産性向上が、期待できます。業務内容によるエモーション経験の変化の見極めとコントロールは、たいへん重要です。貴殿の業務は、エモーション経験の針は、安全圏内で振れていますか?