健康リーダー応援コラム
健康経営で絶対必要な「ラインケア」の概念とは
2021年7月26日更新
「タニカワ先生、健康経営優良法人制度の「中小規模法人部門」の申請をする前に、思い切ってタニカワ先生に教わりにきて本当に良かったです。
もしあのときに知らずに今やっていると思うと、ゾッとしますよ。」社内で活発化させる健康経営のためにご相談にお越しになられている方のお言葉です。
いわく、健康経営に際して様々なことを考え、準備し、そして「●●でやっていこう」と思いながらも、「念のために?」的にけんこう総研のコンサルティング研修にご参加されたとのこと。
健康経営優良法人制度とは
健康経営優良法人制度とは、地域の健康課題に即した取組や日本健康会議が進める健康増進の取組をもとに、特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰する制度です。
健康経営の目的は、健康経営に取り組む優良な会社を「見える化」させることで、従業員や求職者、関係する企業や金融機関などから「従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる法人」として社会的に評価を受けることができる環境を整備することです。
また、健康経営優良法人制度は、日本健康会議の「健康なまち・職場づくり宣言2020」の宣言「健保組合等保険者と連携して健康経営に取り組む企業を500社以上とする。」及び宣言「協会けんぽ等保険者のサポートを得て健康宣言等に取り組む企業を3万社以上とする。」を達成するための一助となることも目的としています。2019年度の第3回「健康経営優良法人2019」では、「大規模法人部門」に821もの企業と、「中小規模法人部門」に実に2503もの会社が認定されています。
タニカワがコンサルティングでお伺いした部署の方々に、健康経営優良認定取得後、だいぶ経ってから伺うと実は結構こうしたケースは多くお見受けしています。「実は、セミナー受講して確認のつもり」くらいの気持ちで来られたら、「えーーー!!!」と言わんばかりに、思いっきり勘違いしていたという担当者様が非常に多いのです。前書きに書かせていただいた某人事担当者様の場合も、まさにそのパターンだったとのことです。「頭をバットで殴られた!」と。もちろん、お断りさせていただきますが、けんこう総研では実際に何か物で殴るというようなことは全くもってしておりません(笑)。それくらいの衝撃を受けたということでしょう。では、なぜそれほどの衝撃であったかということですが、簡単に言えば、「健康経営」というものに対して、健康診断やストレスチェックの結果だけを見て、結果からの分析リサーチをよくせずに、理解できていないまま何かしなければと社員を置き去りにしたカタチからの導入で終わってしまうからに他なりません。社員の方がたは主宰者(総務、人事担当部署)への思いやりがあるから誰もそのことをハッキリいってくれないです。
さらに言えば、ハッキリ言ってくれる社員がいないというより、健康経営について理解できている人が極端に少ない、下手をすると誰もいないのかもしれません。。
言葉は悪いですが、
「会社は働く場所。働くことは多少の我慢をしなければならない場所」といった、そうした労働の感情レベルで仕事を考えて共感疲労に陥っているビジネスマンが本当に多いのです
いくらなんでもそんなことはない!とお怒りになる方もいらっしゃるかもしれません。然しながら「働くのが仕事でしょう!」と、思わず「大丈夫ですか? どこまで本気ですか?」と心配になるようなことも多々経験しています。
観念的な想いで使う言葉と、本質的な意味を理解するための言葉とでは、明らかに理解した上での使い分けが必要です。産業保健師さんが一人でいくら頑張っても大多数の社員の行動変容するには無理があります。産業医や産業保健師は全社員の健康教育への説得ではない部分で活躍しなければならないアプローチ法があります。
健康推進部署の仕事は、コロンブスの卵と同じ
総務・人事課の健康推進担当者さまは、現場管理職層へのコミュニケージョン活動に専念ください。特にメンタルヘルス対策のラインケア研修で改めて痛感することは、「コロンブスの卵現象」と呼ばれている現実です。言われてみると当たり前のことでも、どなたも気づいていないことがとても多いのです。「コロンブスの卵」とは、縦置きした卵のグラフを例えています。卵はふつうに置けば寝っ転がってしまいます。この転がった卵の横軸は健康意識の幅です。横軸は社員の肩書です。横軸の一番右は経営者で、一番左は新入社員です。
だからといって、ブリ槍コロンブスの卵状態で健康情報を発信させても思うような成果は出せません。社員コミュニケーションはコロンブスの卵型ノマネジメントでいくら頑張っても無駄な労力をするだけになります。むしろ自然体で卵に対して素直に行うことから始めることが最初の一歩となります。
貴社の健康への推進力を上げるために、新年度も生産性アップのための歩を進めていきましょう。