健康リーダー応援コラム
ジャーナリングでストレス解消!健康経営を変えるシンプル習慣
2025年1月26日更新
ジャーナリングで始めるストレス管理
~気持ちの整理が健康経営につながるヒント~
最近「なんだか気持ちがザワついていて落ち着かない…」という瞬間はありませんか?
仕事やプライベートで慌ただしい日々が続くと、自分の感情をうまく整理できずにストレスを溜めてしまいがちですよね。
実は、そんなときに気軽に取り入れられるのが“ジャーナリング”という方法です。
私は、けんこう総研代表取締役として産業ストレス管理の現場を日々見続けていますが、実際にジャーナリングを活用している社員さんたちからは、
・「スッキリした!」
・「客観的に振り返ることで前向きになれた」という声がよく聞こえてきます。
今日のコラムでは、“ストレス管理”と“ジャーナリング”の関係、そして私が実際におすすめしている活用法をわかりやすくご紹介いたします。
ジャーナリングとは?
まず、ジャーナリングの基本を押さえておきましょう。
ジャーナリングとは、「自分の思考や感情を文字として書き出すこと」を指します。
これは日記と似ているようで、実は少し違います。
ジャーナリングの目的は、頭の中にあるモヤモヤを客観的に見ること。
たとえば、
・「今日はこんなことがあってイライラした」
・「あの人の一言に落ち込んだ」など、
感情をそのまま文字として吐き出し、自分が今どんな状況にいるのかを可視化するのです。
私が多くの企業で推奨している健康経営プログラムの中でも、このジャーナリングをストレス管理の一環として取り入れています。
書き方にルールはありませんが、1日数分からスタートするのがおすすめです。
ジャーナリングがストレス管理に役立つ理由
1. 感情を客観視できる
ストレスが高まると、自分の考えが堂々巡りになってしまうことがよくあります。
しかし、頭の中だけで考えていると、ネガティブな感情はますます増幅しがちです。
そこで、実際に紙やアプリへ書き出してみると、不思議と落ち着いて考えられるようになります。
これは、自分の感情を“言語化”することで客観的に眺められるからです。
2. 思考パターンの改善につながる
・「自分はこんなときに落ち込んでいるんだな」
・「こういう場面で怒りが湧いてくるんだな」
と繰り返し書き留めていると、自分が陥りやすい思考パターンに気づけるようになります。
思考パターンが分かると、次は意図的に考え方を変えたり、対策を立てたりできるようになるのです。
### 3. モチベーションアップ・セルフケアの促進
ジャーナリングはネガティブな感情だけを書き出すのではなく、ポジティブな要素も意識的に取り入れることがポイントです。たとえば、「今日うまくできたこと」「少しでも感謝できること」を振り返って書くと、自分自身への肯定感が高まり、モチベーションアップにつながります。この習慣が、セルフケアの第一歩とも言えます。
ジャーナリングの始め方と続けるコツ
1. 短時間から始める
いきなり毎日30分書こうとすると、なかなか続きません。
最初は1日5分くらいの短い時間で大丈夫です。
例えば寝る前のひとときに、今日あった出来事や感じたことをさっと書き留めるだけでも効果的です。
2. 形式にこだわらない
紙のノートに書く方法もあれば、スマホやPCのメモアプリを使うのもOKです。
大切なのは、「書き出す」という行為そのもの。
自分が続けやすいツールを見つけると、習慣化しやすくなります。
3. ネガティブとポジティブをバランスよく
ストレス発散のためにネガティブな感情を思い切り書き出すのも大切です。
ただし、終わりにはポジティブな気持ちや感謝できることを1つでも書くようにしてみましょう。
暗い気持ちのまま終わるのと、少しでも明るい要素を書いて終わるのとでは、寝る前の気分が大きく変わります。
4. たまには読み返してみる
書きっぱなしにしておくのも構いませんが、数週間後や数か月後に読み返すと、自分の成長を感じられることがあります。
以前はつらかったことが、今はそこまで気にならないかもしれません。そうした変化に気づくと、自己肯定感も自然と高まります。
タニカワ久美子のおすすめポイント
私、タニカワは、これまで多くの企業と協力しながら、社員のみなさまのストレス管理や健康経営に関するコンサルティングを行っています。
その中で実感しているのは、どんなに忙しい方でも、「自分を見つめ直す時間」を少しでも持つことで、驚くほど気持ちの変化が生まれるということです。
ジャーナリングは特別な道具や資格が必要なく、自宅で今日からすぐ始められます。
「普段は忙しくて自分のことを考える余裕がない」という方ほど、短い時間でのジャーナリングが有効です。
私自身も、日々の予定が詰まっているときこそ、わずかな時間でもノートを開くようにしています。
参考文献・関連文献
・ジャーナリングの一般的定義
American Psychological Association (APA). (n.d.). Journaling for Mental Health. 公式サイト
2 Pennebakerらの主要研究:
Pennebaker, J. W., & Beall, S. K. (1986). Confronting a traumatic event: Toward an understanding of inhibition and disease. Journal of Abnormal Psychology, 95(3), 274–281.
Pennebaker, J. W., Francis, M. E., & Booth, R. J. (1996). Writing about emotional experiences as a therapeutic process. Psychological Science, 8(3), 162–166.
3 Baikie, K. A., & Wilhelm, K. (2005). Emotional and physical health benefits of expressive writing. Advances in Psychiatric Treatment, 11(5), 338–346
まとめ
ストレス社会と言われる現代、誰もが忙しさや情報過多に心を乱されがちです。
そんなときこそ、ジャーナリングで感情を吐き出し、自分の気持ちを整理する時間を持ちましょう。
ネガティブな思考を一旦外に出すことで、気持ちの整理がつき、前向きな対策や目標を立てやすくなります。
また、健康経営を推進するうえで、個人レベルでできるストレス管理はとても重要です。
企業側が対策を講じるだけでなく、社員一人ひとりがセルフケアの手段をもつことで、組織全体の生産性や職場環境が向上していきます。
もし、「自分だけでうまく続けられるか不安…」という方がいらっしゃれば、ぜひけんこう総研に相談することも検討してみてください。
けんこう総研では、さまざまな企業向けにメンタルヘルス研修やジャーナリングなどの簡単なセルフケア法の指導を行っています。
私、タニカワ久美子も全力でサポートさせていただきますので、まずはお気軽にお問い合わせいただければと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。みなさんがジャーナリングを取り入れて、よりいきいきとした毎日を送れることを心から願っております。