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ストレス研究memo

ストレスが脳をだめにする著書解説/ストレス研究Vol.131

2024年8月28日更新

ストレスは心と脳に大きな影響を与えることが知られています。今日は、J・ダグラス・ブレムナーの著書「ストレスが脳をだめにする」からストレスついて詳しくお話しいたします。

赤い人形が頭上で大きな「ストレス」と書かれた白い岩を支えている彫刻。人形からは汗が滴り、ストレスの重圧を表現している。

ストレスが心と脳に及ぼす影響は多岐にわたります。主な影響は、脳の機能低下とメンタルヘルス問題を引き起こすことにあります


※参考文献
J・Douglas Bremner,北村美都穂訳「DOES STRESS DAMAGE BRAIN?」青土社,2003
 

ストレスが脳に及ぼす影響

脳の海馬(かいば)へのダメージ

ストレスは、脳に直接的な影響を与えます。特に、ストレスは脳の中で記憶をつかさどる「海馬」にダメージを与えることが多くの研究で判っています。海馬は、新しい情報を処理し、記憶として保存する役割を持っています。
慢性的なストレスは、コルチゾールというストレスホルモンのレベルを上昇させます。さらに海馬の神経細胞を傷つけます。

その結果

記憶力の低下や認知機能の衰えが生じるリスクがでてきます。

脳の扁桃体(へんとうたい)へのダメージ

ストレスは、脳の「扁桃体」にも影響を与えます。扁桃体は、感情の処理とストレス反応に関与しています。ストレスを受けるとその活動が活発になります。扁桃体が活発に働くと、脳は常に「戦うか逃げるか」の状態に置かれやすくなります。

その結果

扁桃体の活発状態が長期間続くと、常に不安を感じたり、過剰に反応したりするようになります。

脳の前頭前皮質(ぜんとうぜんひしつ)へのダメージ

さらに、ストレスは「前頭前皮質」の機能も低下させます。前頭前皮質は、意思決定や感情の制御、問題解決の能力に関与しています。ストレスによっての前頭前皮質の働きが鈍くなります。

その結果

衝動的な行動が増えたり、論理的な思考が困難になることがあります。

ストレスが心に及ぼす影響

ストレスは、メンタルヘルスにも深刻な影響を与えます。ストレスが長期間続くと、不安やうつ病などの精神的な問題を引き起こします。これは、ストレスが脳内の神経伝達物質のバランスを乱し、特にセロトニンやドーパミンといった「幸福感」を感じるための化学物質の分泌が減少するためです。その結果、気分の落ち込みや興味喪失、エネルギー不足といったうつ症状が現れやすくなります。

また、ストレスは、睡眠にも悪影響を与えます。ストレスが原因で不眠症になることはよくあることで、十分な睡眠がとれないことはさらなるストレスを引き起こし、悪循環に陥ります。睡眠不足は脳の疲労を悪化させ、さらに認知機能や記憶力の低下を招く原因となります。

ストレス管理の重要性

ストレスからの脳への悪影響を防ぐためには、ストレス管理が極めて重要です。ストレス管理の方法としては、運動やストレッチ、深呼吸法などが推奨されています。運動は、脳内でエンドルフィンと呼ばれる気分を改善する物質を増加させる効果があり、定期的な運動がストレスを軽減し、脳の健康を保つのに役立つとされています。瞑想や深呼吸は、リラクゼーション反応を引き起こし、心拍数や血圧を下げ、脳の過度な興奮を抑える効果があります。

さらに、社会的なサポートもストレス管理には有効です。友人や家族とのつながりを持ち、ストレスについて話すことで、感情の発散ができるだけでなく、ストレスに対処する新たな方法を見つける手助けにもなります。最後に、適切な睡眠と栄養もストレス管理において重要です。十分な睡眠は脳の回復を促し、ストレスに対する抵抗力を高めます。また、バランスの取れた食事は脳に必要な栄養素を供給し、ストレスの影響を軽減します。

まとめ

ストレスが心と脳に及ぼす影響は多岐にわたりますが、その主な影響は脳の機能低下と精神的な問題の引き起こしにあります。ストレス管理の重要性を認識し、適切な方法でストレスを軽減することが、心と脳の健康を維持するためには不可欠です。日常生活の中で意識的にストレスを管理し、健康的な生活習慣を心がけることで、ストレスの悪影響を最小限に抑えましょう。

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