タニカワ久美子の講演スピーチ
ストレスが強い時にはタニカワメソッド呼吸法
2023年7月2日更新
こんにちは、けんこう総研代表研修講師のタニカワです。今日のお話しは、呼吸です。
呼吸なんて、ただ酸素を取り入れ、二酸化炭素を排出するだけの、単純な身体の機能だと思っていませんか?。しかし、吸ったり吐いたりすることは一部の働きに過ぎないんです。実は、呼吸は私たちの心理状態と深く結びついています。
心理状態がわかる情動呼吸とは
驚いた時や緊張した時に息が止まる、あるいは浅く速くなることはありませんか?
反対に、リラックスすると、呼吸は深くゆったりとなります。これを「情動呼吸」と言います。情動呼吸は、感情の変動が呼吸に影響を与える現象です。
この情動呼吸が過度になると、問題が発生します。その一つが過呼吸です。過呼吸は、呼吸が速く浅くなりすぎるため、吸った酸素に比べて排出する二酸化炭素の量が多くなります。
吸う酸素量<吐く二酸化炭素量 = 過呼吸 ⇒ 血液の二酸化炭素網度が下がる = アルカローシス
過呼吸により、血液中の二酸化炭素濃度が下がり、血液がアルカリ性に傾く状態、つまりアルカローシスになります。アルカローシスは、しびれや震えを引き起こし、脳の血管が収縮して失神することもあります。
それでは、過呼吸から脱するにはどうすれば良いのでしょうか。以前は、二酸化炭素濃度を上げるために、ペーパーバッグを用いて自分の呼気を再吸入する方法が推奨されていました。しかし、窒息のリスクがあるため、現在は推奨されていません。
心を落ち着かせる情動呼吸方法は
代わりに、ゆっくりと息を吐くことに集中することが効果的です。これにより、心が落ち着き、過呼吸の症状が徐々に解消されます。
呼吸筋ストレッチという方法もおすすめです
呼吸筋ストレッチは、呼吸筋をゆっくりと伸ばし、硬くなった筋肉をほぐす体操です。起床時や寝る前など、定めた時間に毎日行うことで、呼吸が自然に深くなり、緊張やストレスが和らぎます。
具体的な呼吸筋ストレッチのやり方
基本的な体操を数回行うだけで5分程度で終わります。それぞれの運動は、特定の筋肉が収縮するときに、その筋肉をストレッチすることを目指しています。
ストレスや緊張が強いときに行う呼吸法
呼吸筋ストレッチは優れたリラックス効果があります。心地よい深呼吸は、ストレスホルモンの分泌を抑え、リラックスホルモンを促します。その結果、不安や緊張が取れ、心が穏やかになります。
けんこう総研のタニカワメソッド呼吸法は仕事の合間に行うことで、体のこわばりをほぐし、気分をリフレッシュすることができます。
1. 背中のストレッチ(3回繰り返す)
– 両手を胸の前で組み、両肘を軽く曲げます。
– 重心を踵に置き、両膝を軽く曲げます。
– 鼻からゆっくり息を吸いながら、両腕を前に伸ばし、大きなボールを抱えるように背中を丸めて伸ばします。
– 口からゆっくり息を吐きながら元の姿勢に戻ります。
2. 胸のストレッチ(3回繰り返す)
– 両手を後ろに回して腰で組み、肘を軽く曲げます。
– 鼻からゆっくり息を吸います。
– 口からゆっくり息を吐きながら、両腕を斜め下に押し下げ、胸を大きく開きます。
– 息を吸いながら元の姿勢に戻ります。
3. 首のストレッチ(各側3回繰り返す)
– 左手を右の側頭部に当て、右腕はリラックスして下げます。
– 鼻からゆっくり息を吸いながら、耳を肩に近づけるように左手で頭を左へ倒し、右の首すじを伸ばします。
– 口からゆっくり息を吐きながら元の姿勢に戻ります。
– 左右を変えて同様に行います。
4. 全身ストレッチ(3回繰り返す)
– 息を吸いながら両手を上に伸ばし、
– 息を吐きながら胸を大きく伸ばします。
これらのストレッチを行うことで、筋肉の緊張を和らげ、体全体の血流を改善することができます。仕事中にちょっとした時間を見つけて、この体操を試してみてください。肉体的なリフレッシュだけでなく、精神的なリラクゼーションにもつながりますよ
呼吸は単なる身体の機能ではなく、心と体の両方に深く影響を与える重要な要素であるということがおわかりいただけたと思います。感情が呼吸に影響を与え、その逆もあります。ですから、意識的に呼吸をコントロールすることで、心の状態を向上させ、ストレスや緊張を軽減することが可能です。
呼吸一つで人生が変わるかもしれません。少し時間をとって、自分の呼吸に意識を向けてみてください。そして、深呼吸と呼吸筋ストレッチを日常的に行うことで、心身の健康に大きな変化が訪れることを実感していただければと思います。
呼吸に対する理解と意識を深めることで、生産的で健やかな時間を送る一助となることと思います。
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