健康リーダー応援コラム
ピラティス運動法が心の健康づくりに効果的な要因
2023年6月16日更新
ピラティスは、自身の体に対する深い理解を促進する運動法です。ピラティス運動法は、体の動きをロジカルに分析し、その結果を実感することを通じて得られます。では、どのような分析が行われ、どのようにその結果が体幹強化につながるのでしょうか。それを具体的に解説していきます。
ピラティス運動法の分析
ピラティスの分析は、自分自身の身体がどのように動いているのか、どの筋肉がどの動きに関与しているのか、呼吸は動きとどのように連携しているのかを認識することから始まります。さらに、筋肉と呼吸がどのように相互作用し、全体的な身体の動きとバランスを形成するのかを把握します。その中心には、背骨の伸長(エロンゲーション)と胸式呼吸、さらには背骨の分節的な動き(アーティキュレーション)という3つの主要な要素があります。
要素1・エロンゲーション(背骨の伸長)
ピラティスでは「エロンゲーション(背骨の伸長)」という概念が非常に重要です。
エロンゲーションは、背骨を最大限に伸ばし、その結果、体幹がしなやかに安定し、スムーズに動ける状態を作り出すことを意味します。エクササイズ中にこのエロンゲーションを意識し、試みることで、自分の背骨の動きや、それが全体的な身体の動きにどのように影響を与えるかを理解することができます。「エロンゲーション」は、背骨の本来の動きを取り戻し、体幹がしなやかに安定して、重力に負けないスムーズな動きを作ることを目指す要素です。ピラティスでは、「背骨を引き伸ばす」感覚と「お腹を引き上げる」意識をもつことで、背骨を立たせ、エロンゲーションを促進させます。
要素2・腹式呼吸)
呼吸は、ピラティスでは胸式呼吸が重要な役割を果たします。胸式呼吸は、お腹を引き上げて背骨を伸ばす(エロンゲーションさせる)動きと連携しています。さらに、胸郭を広げることで下向きの重力に打ち勝つことができます。胸郭の動きと呼吸を組み合わせることで、呼吸と身体の動きの関係を深く理解することができます。
このような体への深い理解は、エロンゲーションを通じて背骨の動きを意識させて、体幹が安定し、自分自身がよりスムーズに動くことを体感できてきます。また、胸式呼吸のマスターにより、呼吸と身体の動きの相互作用を感じ、それがどのように全体的な体の動きやパフォーマンスに影響を与えるのかを実感することができます。
呼吸と筋肉の動きは、体幹強化に直接結びつき、体幹部の筋肉、特に背骨を支える深層筋肉の動きを最適化します。これは、立ち姿勢の改善、重力に対する抵抗力の増加、そして全体的な体力と持久力の向上にも寄与します。
要素3・アーティキュレーション(背骨の分節的な動き)
「アーティキュレーション」とは、背骨を一つずつ動かすことを意味しています。背骨をひとつずつ動かすことで、偏った使われ方によ関節へのストレスを減らしてる体幹の柔軟性と動きの範囲を改善させます。
エロゲ―ション+腹式呼吸+アーティキュレーションの要素すべてが連携して動作することで、ピラティスは全体的な身体の力、バランス、そして柔軟性を改善させ、それにより体幹の強化に寄与しています。
ピラティス運動法によるメンタル不調改善
セッションの初めと終わりに行う基本的なピラティスの動きをとりいれて、心の健康維持増進を実際に行っててみましょう!
1.壁から10cm離れて立つことで、自然な姿勢を保つことが求められます。足裏の重心はフラットに、腕はぐっと下げてお腹を引き上げます。
2.体の前にあるものを乗り越えるように背骨を上からひとつずつ丸めていきましょう。
3.股関節まで曲げたら、背骨を下から積み上げるように、背骨を下から積み上げるように戻ります
4.この動きを繰り返します。これにより、背骨の連続的な動きと呼吸との結びつきを体感しましょう。
ピラティスでは、お尻を突き出す動きで前屈するのではなく、背骨そのものから動くことを心掛けることが重要です。反対に、骨盤を突き出して側屈したつもりの状態では、脇腹のアウターマッスルが伸び縮みしているだけで、背骨は潰れて伸びはありません。
筋肉と姿勢の適正な位置関係
まず、「インナーマッスル」とは、体幹部に位置し、姿勢を保持し、脊椎や骨盤を安定化する役割を果たす筋肉群を指します。ここでは特に腹横筋や多裂筋、腸骨筋などの深層筋群が重要です。これらの筋肉は姿勢の安定化や身体のアライメント(適正な位置関係)を維持するために不可欠です。
「背骨そのものから側屈する」とは、身体を左右に曲げる動き(側屈)を行う際に、単に肩や骨盤を動かすのではなく、脊椎の各椎骨が個別に動き、全体としての曲がり(側屈)を生み出すことを意味します。これにより、背骨全体の動きが滑らかになり、筋肉の偏りなく働き、全身のバランスと調和を保つことが可能になります。
側屈を行うとき、ピラティスでは脊椎の一つ一つの椎骨が連動して動くことを強調します。つまり、側屈は腰や肩だけに頼るのではなく、背骨そのものから起こる動きとなります。ここで重要な役割を果たすのがインナーマッスルです。これらの筋肉が適切に働くことで、脊椎は適切にアライメントを保ちつつ、側屈することが可能となります。
ピラティス運動法により、自分の身体がどのように動くのか、どの筋肉がどの動きを支えているのか、そしてどのようにして身体全体が連携して動くのかを理解するのに有効です。