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ストレス研究memo

デスクワーカーのストレスを減らす運動の効果と心拍変動Vol.147

2024年10月7日更新

こんにちは、けんこう総研のタニカワ久美子です。今日は、来月開催される日本ストレス学術総会で発表する論文の構想を練る叩き台を書きます。もしよろしかったらご一緒ください。

タニカワ久美子研修講師

タニカワ久美子の研究では、デスクワーカーを対象に、ウェアラブルデバイスを用いて心拍変動(HRV)とストレスレベルを同時評価し、運動習慣が生理的・心理的ストレス反応に与える影響を分析します。運動の有無と顕在性不安度の関連性を探り、個別化されたストレス管理プログラムの基盤を提案します

背景

ストレス管理と運動の関連性は、これまでの多くの研究によって支持されている。

エビデンスとなる先行研究

藤林まみら(2011)運動トレーニングが心身の健康へ及ぼす影響
瀬藤ら(2017)「メンタルヘルスに対する運動介入効果に関する近年の知見」
橋本ら(1990)運動によるストレス低減効果に関する研究(1)SCL尺度作成の試みと運動実施者のストレス度の変化

運動が心身の健康に与える影響は、特にストレスホルモンの低下や自律神経系の調整に寄与することが知られている。

エビデンスとなるインパクトファクターが高い研究

・Meteiら(2022)「Effects of Exercise Training on the Autonomic Nervous System with a Focus on Anti-Inflammatory and Antioxidants Effects
・Barry Aら(2021)アメリカ「Chronic Stress, Exercise and Cardiovascular Disease: Placing the Benefits and Risks of Physical Activity into Perspective」

定期的な運動は、コルチゾールやアドレナリンといったストレスホルモンのレベルを低下させ、心拍変動(HRV)や血圧の調整に効果があると言われている。また、これにより身体はストレス状況に対して効率的に反応し、ストレス耐性が向上させる。

しかし、運動が全ての人にとって効果的とは限らず、運動習慣や心理的状態によって効果が異なることも報告されている。

エビデンスとなるインパクトファクターが高い研究

・Alexandaら(2024)「Sporting Mind: The Interplay of Physical Activity and Psychological Health」
・shuzhenら(2024)「The Effects of Physical Fitness on Psychological Health」
・Pedroら(2012)「Exercise, Physical Activity, and Self-Determination Theory: A Systematic Review」

そのため、個別化されたストレス管理アプローチが求められており、一律の運動プログラムではなく、各個人の特性や状況に応じた運動指導が重要である。

運動がストレス軽減に与える影響は、特に心拍変動(HRV)の観点からも注目されている。HRVは、自律神経系、特に副交感神経系の活動を反映し、メンタルヘルスに密接に関連している。HRVが低下すると、心血管系のリスクやメンタルヘルスの悪化が生じます。また不安が高い人々はHRVが低く、副交感神経系の機能が低下していることも判明している。

目的

本研究では、デスクワーカーを対象に、ウェアラブルデバイスを用いてHRVとストレスレベルを同時に評価し、運動習慣の有無が生理的および心理的ストレス反応に与える影響を明らかにすることを目的とする。具体的には、運動習慣の有無と顕在性不安度との関連性を検討し、個別化されたストレス管理プログラムの基盤を提供することを目指す。

さらに、デスクワーカーの顕在性不安が勤務中の運動を介して、心拍変動(HRV)およびストレスレベルに影響を与えるという仮説を検証する。

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