ストレス研究memo
ストレス評価分析におけるストレス管理研究Vol.142
2024年9月30日更新
こんにちは、けんこう総研のタニカワ久美子です。私は今、ストレスレベル計測の研究を自己追跡デバイスを使っておこなっています。これがなかなか大変で(汗)目下悪戦苦闘しています。
今日は、けんこう総研のブログをつかって、備忘録を書かせていただきます。それでは始めます。
少数サンプルでデータ解析が困難な時の解析方法
少数サンプルでデータ解析が困難な時の解析方法は、データの分布に依存しない非パラメトリック検定を用いる。
非パラメトリック検定は、少ないサンプル数やデータが正規分布していない場合にも使える統計手法。
非パラメトリック検定の3つの特徴
1. データの分布に依存しない
データが正規分布している必要がないため、様々な形のデータに対して適用できます。
2. サンプルサイズが小さい場合に有効
少ないデータでも信頼性のある結果を得ることができます。
3. 順位に基づく解析
データの数値そのものではなく、データの「順位」や「順序」を使って解析することが多いです。
初心者におすすめの非パラメトリック検定
1. ウィルコクソン順位和検定(Wilcoxon signed-rank test)
使い方
同じ対象の2つの条件を比較するときに使用します。例えば、あるグループに対して前後で異なる処置を施した場合(運動前と運動後など)に、処置の効果を比較する際に使います。
(例) 運動前と運動後の心拍数データがあり、その差が有意かどうかを確認したいときに使います。
仕組み
データの値そのものではなく、差の「順位」を比較して統計的に評価する方法。例えば、差がどの程度大きいかを順位付けし、それに基づいて結果を判断する。
2. マン・ホイットニーのU検定(Mann-Whitney U test)
使い方
2つの独立したグループ間での差を比較する際に使用。
(例) 運動をするグループとしないグループで心拍数やストレスレベルに違いがあるかどうかを検定したいとき。
仕組み
2つのグループのデータを一緒にして順位を付け、2つのグループ間の中央値の違いを評価する方法。
3. クラスカル・ウォリス検定(Kruskal-Wallis test)
使い方
3つ以上のグループ間の差を比較する際に使用。
仕組み
グループごとのデータを1つにまとめ、順位に基づいて評価。複数のグループ間の中央値の違いの確認。
1. データの確認
データが正規分布していない場合や、サンプル数が少ない場合には非パラメトリック検定を選択します。
2. 検定の選択
比較したい条件やグループの数に応じて、ウィルコクソン検定やマン・ホイットニーのU検定などを選びます。
3. 結果の解釈
非パラメトリック検定では、「p値」によって結果を解釈します。一般的に、p値が0.05未満であれば、2つのグループ間に統計的な差があると判断されます。
非パラメトリック検定の例
1:運動前後でストレスレベルが変わるか確認する(ウィルコクソン検定)
(仮説)運動前後でストレスレベルに変化がある。
(方法) 同じ被験者の運動前後のストレスレベルデータを比較。
(結果) p値が0.05未満であれば、「運動前後でストレスレベルに有意な差がある」と判断。
2:運動あり群と運動なし群で心拍数に差があるか確認する(マン・ホイットニーU検定)
(仮説) 運動をしたグループの心拍数は、運動をしていないグループより高い。
(方法) 運動あり群と運動なし群の心拍数を比較。
(結果) p値が0.05未満であれば、「運動あり群と運動なし群で心拍数に有意な差がある」と判断。
非パラメトリック検定を使うべき状況
・データが正規分布に従っていない場合。
・サンプルサイズが少ない場合。
・データに外れ値が多く、平均値に影響を与える場合。
データ補完が不適切な場合の代替策
2グループの比較( 4METs以上のデータを除外)
・データが取れている1-3METsの2つのグループ(1METsと2-3METs)だけで分析を行う。この場合、マン・ホイットニーのU検定などを使ってグループ間の差を評価する。
というわけで、今日はストレス評価における備忘録ブログを掲載しました。この研究の発表は11月の日本ストレス学会で発表いたします。お楽しみに。