ストレス研究memo
ストレスでネガティブ反応を増幅させる要因とは?Vol.122
2024年8月8日更新
こんにちは、けんこう総研のタニカワ久美子です。私はほぼ毎日、ストレスについて書かれた研究論文を精査しています。けれども、ゴリゴリの研究者のように頭でっかちで社会の実情にそぐわないストレス研究者ではありませんよ。せっかくの最新の知見が書かれた学術論文を、組織企業の現場に適するように咀嚼して、嚙み砕いて具現化していくことがけんこう総研代表である私の使命だと考えています。
そんなわけで皆さまにすぐにでも使えるように、日進月歩しているストレス研究の今をブログでお届けしています。
今回は、ストレスがどのように私たちの心身にネガティブな影響を与えるかについて、分かりやすく解説します。ストレスは私たちの生活の一部であり、避けられないものですが、その影響を理解し、対策を講じることが重要です。
1. ドーパミンやセロトニンの不足
まず、ストレスが神経伝達物質のバランスを崩し、ドーパミンやセロトニンのレベルを低下させることがあります。ドーパミンは「やる気ホルモン」として知られ、私たちのモチベーションや喜びを感じる力を支えています。一方、セロトニンは「幸せホルモン」として、気分の安定に大きく関与しています。ストレスが続くと、これらのホルモンの分泌が減少し、気分が落ち込んだり、抑うつ状態に陥りやすくなります。
2. 性格特性と遺伝的要因
次に、性格や遺伝的な要因もストレスに対する感受性に影響を与えます。例えば、神経質な性格の人は、他の人よりもストレスに対して敏感であることが知られています。遺伝的な要因が、ストレスへの耐性や反応の違いを生み出しています。
3. 過去の経験、トラウマ、社会的孤立
過去にトラウマを経験したり、社会的に孤立していると、ストレスに対する反応が増強されることがあります。これらの経験は、慢性的なストレス状態を引き起こし、心理的および生理的な健康に悪影響を及ぼします。過去のネガティブな経験は、私たちの心に深い傷を残し、それが長期的なストレスの原因となるのです。
参考文献
Heim, C., & Nemeroff, C. B. (2001). The role of childhood trauma in the neurobiology of mood and anxiety disorders: Preclinical and clinical studies. Biological Psychiatry, 49(12), 1023-1039. ※オンラインで原著論文が読めます
4. ライフスタイルの影響
最後に、不規則な睡眠、運動不足、バランスの悪い食事などの不健康なライフスタイルが、脳内の化学物質に影響を与えることがあります。不規則な生活習慣は、ストレスホルモンの分泌を増加させ、脳内の神経伝達物質のバランスを崩します。これにより、ストレスに対する脆弱性が増し、心理的健康に悪影響を及ぼすのです。
ストレス管理の重要性
ストレスの影響を理解することは、効果的なストレス管理の第一歩です。適度な運動、バランスの取れた食事、十分な睡眠など、健康的なライフスタイルを維持することが、ストレス対策に役立ちます。また、リラクゼーション法や趣味を楽しむ時間を持つことも、ストレスの軽減に効果的です。
私たちけんこう総研では、社員のストレスケアと健康経営のサポートを行っています。ストレス管理に関するご相談や研修の依頼は、お気軽にお問い合わせください。
立秋が過ぎたというのに、まだまだ暑いですね。暑いというのも身体的ストレスです。暑さと言うストレスに打ち勝つために、日々の生活習慣を見直し、心と体の健康を保つ行動を今日の続けていきましょう!